社会の求める歯科医療へ 「口腔医療革命 食べる力を大いに語る会」
ニュース 2017.02.20

社会の求める歯科医療へ 「口腔医療革命 食べる力を大いに語る会」

WHITE CROSS編集部

2月19日の日曜日、東京の日比谷公園にある日比谷松本楼にて、医療ジャーナリスト 塩田芳享氏の「口腔医療革命 食べる力」の出版をきっかけとした「口腔医療革命 食べる力を大いに語る会」が開催された。

 

塩田氏は医療ジャーナリストとして、これまでにも医療事故、救急医療、研修医問題、高齢医療などについて、映像演出のほか取材・執筆活動を行ってきた。

 

1月20日に刊行された新著「口腔医療革命 食べる力」では、医療や福祉の現場への取材を通じて見えてきた、超高齢社会において急増する「食べられない高齢者」を生み出してしまう現代医療の抱える問題に迫っている。

 

挨拶をする塩田芳享氏

「口腔医療革命 食べる力を大いに語る会」 は社会から求められる医療を「食べる力」の観点から実現していくという思いから、全国訪問歯科研究会を主宰する加藤武彦先生などが世話人となり開催され、会場は歯科医師・医師・看護師・他業種など職種・世代の垣根を超え同じ志を持つ30名以上の参加者の熱気にあふれていた。

 

 

会の前半は、塩田氏を始め世話役の加藤先生や伊勢原協同病院 看護部の小山珠美看護師などが、現在の課題や取り組み、今後について語った。後半は全員参加での議論が行われ、それぞれの立場・経験から「食べる力」についての思いが語られた。

 

石川県 能登総合病院 歯科口腔外科部長の長谷剛志先生は、「口腔領域に必要とされる医療の幅が広がってきており、歯科が医療行為として科学的な歯科治療だけを提供していればよいという時代ではありません。例えば、食べる力を失った患者さんにお醤油をなめて味わってもらう。これは何かエビデンスがあるわけではなくても、点数がつくわけでもなくても、その患者さんそしてご家族にとって非常に大切なことなのです。」と語った。

 

また急性期対応の医療機関に長年勤務してきた小山看護師は、「どんなによい義歯が入っていても、嚥下障害があると食べる力は失われていきます。 口腔機能をおそろかにしてはなりません。」と語った。

 

口腔外科や看護の観点から「食べる力」の重要性について聞くと、歯科医院における診療のみでは見落としてしまいがちな、口腔領域において求められている医療の大きさやその切実さを感じることができる。

 

塩田氏は、現状歯科においても医科においても口腔機能の低下や摂食嚥下障害を治療・改善する専門家の組織だった育成がなされていないことに触れ、専門人材を育成し、延々と「食べる力」が失われていく医療環境を変化させていくことの重要性について語った。

 

塩田芳享(著)「口腔医療革命 食べる力」へ

 

先人達の努力によりう蝕が激減してきた先にある今、2025年をターゲットとした地域包括ケアシステムの構築に向けて、医療全体の提供の仕方自体が大きく変わろうとしている。

 

先人達が作り上げてきた治療技術志向の強い歯科医療。

その素晴らしさや社会的価値は歯科医療の誇りであり、大切に引き継いでいくべきものである。その一方で、口腔領域の医療の抱える問題が顕在化してきている今、歯科医療は生きる力を支える医療として花開いていける可能性を持っていると言え、また、待ったなしでの取り組みが求められているとも言える。

 

これからの日本社会において、歯科医療が温故知新でどのように変わっていくべきかを知る素晴らしい会であった。

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