日本の歯科医療はかつてない変革期を迎えようとしている。健康寿命の延伸・医療費の抑制が叫ばれ、歯周病の全身への影響が一般メディアにおいても報道されるようになり、歯科医療が深く関わる方針が積極的に国策に組みこまれていく。このような時代において、歯科医師はどのような知識をもとに、何を考えていくべきであろうか。


日本の歯科医療が、その歩む道をあやまらないために知っておくべき歯科医療の過去と未来についての情報がまとめられた一冊。それが本書を読み終わって最初の感想だった。

 


歯科医師として働く日々の中で、

なぜ歯科医療が医療の中で現在の立ち位置に至ったのか?

同じ歯科医療であるにも関わらず、なぜ先進国間で違いが生じているのか?

「歯科医師過剰問題」が今後も継続するか?

などの疑問について、誰しもが漫然と考えたことがあるのではなかろうか。

 


本書の著者である水谷 惟紗久氏は、「日本歯科新聞」や「アポロニア21」などを発行している日本歯科新聞社所属の医療ジャーナリストとして、20年以上、国内外1,000ヶ所以上の歯科医療現場や会合などを取材してきた。

 

 

第1章の目次

 


本書の第1章では、「医療がどのようにして生まれ、その中で歯科医療がどのように発展してきたか」という高い視座から、歯科医療の変遷の歴史、日本の医療システムの特徴。そして、公的医療システムのこれからについてが描かれている。水谷氏の歯科医療を中心とした医療全般への広い知識と深い理解に、医療ジャーナリストとして得てきた知見が丁寧に織り込まれており、読み進めていく過程で様々な疑問への答えや未来への示唆を得ることができる。

 

 

第2章、第3章の目次

 

第2章では、「アポロニア21」の名物企画「安田編集室」より歯科医療・歯科医学の方向性のエッセンスが示されている。そして第3章では、世界の歯科器材の変遷がまとめられており、全体を通して読み応えのある内容となっている。


これからの歯科医療の未来をつくっていく歯科関係者、行政で働く関係者を対象に、今までの歯科医療の流れを俯瞰して知ることができるように・・・という思いが伝わって来る良書であり、すべての歯科医療従事者に読んでいただきたい一冊である。

 

 

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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