【WHITE CROSSより告知】

10月10日(木)に青島徹児先生のデモ付きライブセミナーが開催されます。詳細は記事の末尾にご案内しています。



***

コンポジットレジンを直接歯につめる治療が、ダイレクトボンディングといわれるようになってもうどのくらい経つのでしょうか。

私がその治療に真剣に取り組み始めたのはもう20年以上前になります。

 

 

当時は特に決まったネーミングもなく、私が一人で “エステティックCR” と命名していましたが全く浸透しませんでした。「そんなに一生懸命つめても所詮CRでしょ?」「何年もつの?すぐにダメになるんじゃない?」などいろいろ言われましたが、それでも自分を信じてやり続けました。

そのうち “ダイレクトボンディング” に定着し、最近では患者さんの方から「ダイレクトボンディングで治療してほしい」と言われることも多くなりました。

 

 

 

ひとつのことを20年も続ければ、多少は上達するものです。

 

the Technique

ダイレクトボンディングとハイブリッドは基本的には同じなのでは?という先生もいらっしゃいます。 

 

ダイレクトボンディングでは、範囲が広くなるほど修復する際の難易度も上がりますし、コンタクトポイントや咬合、色、形態など、全てを再現するのは困難を極めます。いっそのこと大きく削って印象を採り、模型上で作製した方が作業効率はいいのは確かです。

 

 

しかし私は、ダイレクトボンディングの接着とインダイレクト(間接修復)の接着、つまりセメントが介在するか否か、そしてセメントラインがあるかないかではかなり違いがあると思います。

 

 

 

私は大きなケースの場合は、余裕をもって2時間のアポイントをとって行っています。

前準備として局所麻酔、ラバーダム防湿、次いで金属や充填物の除去・カリエスの除去をしたら、ダイレクトボンディングのための窩洞形成と続きます。ここまでの準備がとても大切で、その後の歯面処理・隔壁作成・CR充填がスムーズになります。

 

 

ダイレクトボンディングは細かい作業の連続で、もっとも歯科医師の技量が試される治療法だと思います。良い材料や高い材料が良い結果に繋がるわけではなく、一つ一つのステップや準備を確実に行うことで結果が伴う治療法、まさに日本伝統の職人技に近いところがあると考えています。

 

 

上顎第一大臼歯 (Maxillary First Molar) はご存知の通り、乳歯列から永久歯列に変わる際一番最初に萌出し、咬合のキーとなる大切な歯です。

 

trace by Tetsuji Aoshima   参考:Stefan Schunke原著

「臨床技工咬合の新潮流―機能は“IN”か“OUT”か」(クインテッセンス出版)

 

咬合面を斜めに走る太い隆線斜走隆線(画像・緑)は、第一大臼歯の上下関係がⅠ級関係になるために重要な役割を果たします。斜走隆線近心斜面上に存在するイコライザー・コンタクトは、下顎位の後退を抑えるバリア:リトルーシブバリアとも言われています。

 

中心窩から口蓋側内斜面、近心方向に向かう溝・凹み、そして下顎第一大臼歯の遠心頬側咬頭が中心窩から非作業側運動時に緩衝しないように通り抜けるためのグルーブです(画像・赤)。

 

溝の深さや方向はPolz先生の天然歯3,000歯以上の観察から導き出した溝の深さの色分け模式図を参考にしています。

ダイレクトボンディングを行う際に、この斜走隆線や溝を意識しながらレイヤリングを行うと、このような咬合面形態に仕上がります。

 

 

生体はどの部分にもその形態に意味があり、歯も同じです。前歯は前歯・臼歯は臼歯の形態によって確実に機能をします。つまり人工的に修復する際には元の形態と同じように作ること、模倣することで機能も回復できるということです。

 

The art

 

 

術前写真では前歯4本の隣接面に古いCRが充填してあり、2次カリエスも確認できます。術後は一見何も変わっていないように見えますが、横から見ると次のような状態です。 

 

 

 

この症例では歯の表面の白帯も再現しています。

 

 

Composist(コンポジスト)とは、数年前に私が作った造語です。Composite resinを扱うArtistということで、CompositeとArtistをつなげて一語で表しました。

 

 

歯科医師はアーティスト的な感覚を必要とする職業です。しかしアーティストとは個性を出してよい職業であり、一方で歯科治療、特に歯科保存修復においては個性を出してはいけない治療です。

ということは、われわれ歯科医師は決してアーティストではなく、病気になってしまった歯を保存修復し、元の歯のように戻す職業。

 

 

Composist(コンポジスト)も捨てがたいのですが、もし他にふさわしい名称があるとすれば、隣りの歯や周りの歯を模倣していくので、生体模倣=Bio-emulation / 生体模倣をする人=Bio-emulator と言った方がよいのかもしれません。

 

 

口腔内から金属をなくし、どこを治療したのか分からないように天然歯のような自然観を出すため、と言うと、要は審美的理由だけで行っているのではないか?と思われがちですが

 

 

その形態を模倣するということは審美的理由だけでなく、機能的にも 構造・力学的にも天然歯に近づけるため。

 

 

そのような理由から歯牙を模倣してるところもあるのです。

 

 

歯の表面には、指紋のように人それぞれ違った細かな凹凸による模様・表面性状(Texture)があります。

それらは、ツルっとした表面性状がない歯から、大きな(Macro)凹凸だけの歯、細かな(Micro)凹凸がたくさんある歯など、多くのパターンがあります。

 

 

前歯のダイレクトボンディングで重要なのは形態やシェードの適合性です。それに加え表面性状は第二のシェードとも言われ、術後のイメージにかなり影響します。

 

 

こちらは前歯Ⅳ級窩洞のダイレクトボンディング。

 

 

 

境界も分からないように表面性状を一体化させることができたのではないでしょうか。 

 

 

ダイレクトボンディングや補綴物で、どこを治療したのか分からなくすることはとても難しいことだとつくづく思います。どこから見ても分からない治療をするひとつのポイントとしては、やはり “光の透過性を天然歯に合わせること” 。

 

下の写真はダイレクトボンディングの術前・術後。

 

 

 

そして天然歯がこちら。

 

 

どうにか天然歯の光の透過性に近付けたのではと思います。

 

WHITE CROSSより・LIVEセミナー「ダイレクトボンディング」

10月10日(木)と11月28日(木)の2日間にかけて、青島徹児先生のLIVEセミナーが開催されます。

青島先生が20年超にわたり積み重ねてきた技術と知識を、「The technique」「The art」として、ライブデモを交えてたっぷり2時間ずつ解説。デモ中の高拡大視野を、そのまま先生方の画面上にお届けします。

 

指定期間中は何度でも視聴可能で、セミナーを見ながらテクニックの研鑽にもご活用いただけるセミナーです。開催中は質問も受け付けていますので、ぜひオンタイムでご参加ください。

 

画像クリックでお申し込みページへ

 

 

***

 

本記事は、これまでにWHIITE CROSSで紹介してきた青島先生のダイレクトボンディングの症例をまとめたものです。記事中の症例は、実際にLIVEセミナーで紹介する症例とは異なります。当日にどのようなテクニックをご紹介いただけるかは、乞うご期待です!

執筆者

青島 徹児の画像です

青島 徹児

歯科医師

青島デンタルオフィス oral refresh space
Esthetic Explorers 副会長

日本大学歯学部を卒業後、同大学クラウンブリッジ学講座に入局。審美歯科を中心に研究・教育に従事。埼玉県入間市にオフィスを開設後は、GPとして臨床にあたる。接着性修復を得意とし、著書多数。国内外で講演活動も行なっている。

LINEで送る

歯科医師コメント(0)

コメントをみる・投稿する

コメント機能のご利用には歯科医師確認が必要です

人気記事ランキング

おすすめのセミナー

[録画配信]ダイレクトボンディングの画像です

[録画配信]ダイレクトボンディング

日時
第一回 10月10日(木)20:00〜22:00
第二回 11月28日(木)20:00〜22:00

*本セミナーは第二回終了後、1ヶ月間の録画視聴期間を予定しています
*録画視聴は準備が整い次第、メールにてご連絡差し上げます
会場
ご自宅や診療室(インターネット経由)
費用
22,000円(税込)
SHAPE・CLEAN・PACK[2日間コース]の画像です

SHAPE・CLEAN・PACK[2日間コース]

日時
[第3期 / 兵庫]※満席
10月5日(土)10:00〜18:00
10月6日(日)9:00〜17:00

[第4期 / 東京]
2020年3月14日(土)10:00〜18:00
2020年3月15日(日)9:00〜17:00
会場
[第3期 / 兵庫]MOKUDA歯科研修センター
兵庫県神戸市中央区港島南町4-7-5

[第4期 / 東京]ペントロンジャパン株式会社 研修室
東京都品川区大井4-13-17 レ・ジュ大井町6F
費用
253,000円(税・昼食・実習材料・教材費込)
Dental Training Institute Seminar[6日間コース]の画像です

Dental Training Institute Seminar[6日間コース]

日時
補綴をマスターする2日間
10月5日(土)10:00〜19:00
10月6日(日)10:00〜16:00

ペリオをマスターする2日間
11月16日(土)10:00〜19:00
11月17日(日)10:00〜16:00

治療を成功に導くための2日間
12月14日(土)10:00〜19:00
12月15日(日)10:00〜16:00
会場
U'z デンタルクリニック研修室
大阪市浪速区幸町1-3-19 昭和綜合管理本社ビル4F
費用
参加費 324,000円(税込)
    ※内申込金は 50,000円
材料費 54,000円(税込)

最終月のみ再受講可(過去に受講された先生のみ)
受講費 64,800円(税込)
自費が毎月150万円達成するセミナーの画像です

自費が毎月150万円達成するセミナー

日時
10月27日(日)10:00〜15:15
会場
フォーラムミカサエコ会議室
東京都千代田区内神田1丁目18−12 内神田東誠ビル
費用
一般参加 29,800円(税抜)
メルマガ読者割引 19,800円(税抜)
根管治療で成功したいあなたへの画像です

根管治療で成功したいあなたへ

日時
10月20日(日)10:00〜16:00
11月17日(日)10:00〜16:00
2020年1月19日(日)10:00〜16:00
会場
全国町村会館
東京都千代田区永田町1-11-35
費用
27,000円(税込)