2018.1.21 2nd Greater Nagoya Dental Meeting 開催
ニュース 2017.11.27

2018.1.21 2nd Greater Nagoya Dental Meeting 開催

WHITE CROSS編集部

2017年の初春、 "名古屋から世界へ"  をスローガン にしたシンポジウム、Greater Nagoya Dental Meeting が始動した。

 

日本の産業の中心である名古屋は、東京からも大阪からもアクセスが良い。多くのスタディーグループが活動をする名古屋を軸に、中部エリアの歯科界を盛り上げるべく開催され、450名もの歯科医師が集まった第1回に続き、2018年1月21日(日)に 2nd Greater Nagoya Dental Meeting が開催される。

 

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第2回テーマ 「今、エンドが面白い!」

時流に合わせて、社会に求められる様々な診療科に学術的観点からフィーチャーしていく当シンポジウムの今回のテーマは、「今、エンドが面白い!」である。

ここ5年で一気に注目を集め始めた歯内療法を基軸に、歯内療法はもちろんの事、歯周・保存・補綴・インプラントそれぞれの分野のスペシャリストによる講演が行われる。

 

歯内療法で第1線を走り続ける寺内吉継先生から始まり、エンドとペリオの関係性に光をあてる大月 基弘先生。根管接着およびエンドの観点から現状におけるベストの支台築造法について峯 篤史先生、エンド治療歯とインプラントとが患者の口腔内に同時に存在することが当たり前になった現代において、その共存性の観点から同シンポジウム大会長である飯田 吉郎先生。そして最後に、歯髄を保存するという最初の重要な意思決定に基づく間接覆髄から直接覆髄、さらに部分的な歯髄の保存について岡口 守雄先生へと、5名の講師によるリレーが続く。

講演内容

基調講演1

9:10-11:10 『最新のMTA臨床』

 

Mineral Trioxide Aggregates (MTA) は1993年にLoma Lind大学のMahmoud Torabinejad教授により開発された。そして臨床で使用できるようになってから20年以上が経過し、この材料にまつわる多くの研究や臨床結果が発表された。Torabinejad教授らはこれら全ての研究・臨床内容をまとめMTAの教科書を最近出版された。

 

MTAを臨床に用いて特に重要なことは①漏洩性 ②接着面適合性 ③硬化時間 ④生体親和性 ⑤生理活性 ⑥圧縮強さ ⑥親水性 ⑦溶解性 ⑧細胞毒性などである。MTAは既存の材料と比較して生体親和性、親水性、生理活性、封鎖性が有意に高いことが判明している。これを歯内療法に応用することで以前困難であった処置が高い確率で成功するようになったことが報告されている。1000以上あるMTAの研究報告の中でも、誰がおこなっても同様な成功率になるようなエビデンスが最も信頼のおけるものである。しかしこれらの信頼性の高いエビデンス結果をまとめるとMTAにはいくつかの欠点が存在することが明らかになっている。

 

臨床では治療目的に合わせて欠点となり得ることが何かを把握し、欠点を出さないテクニックで治療をおこなう必要がある。このため近年ではこれらの欠点を改善するために新たなMTAが開発されてきている。しかし治療目的によっては改善点が欠点にもなることがある。1998年より長らくMTAを臨床に用いてきてMTAの欠点を把握していなかったために失敗したケースも経験している。そこで本講演では信頼性の高いエビデンスが示すMTAを用いた臨床歯内療法の最善策をまとめ、私の様々な臨床例を通してどのようにMTAを用いて治療の成功を導くべきなのかを紹介していきたいと思う。

 

 

11:20-12:00 『ペリオドンティストの視線からみたエンド』 

 

近年、根管治療にようやく光があたるようになり、その重要性が見直されている昨今、無菌的環境を確立して、拡大視野の下、精緻な根管治療を行う歯科医師も増えてきている。患者も安易に問題のある歯を抜歯し、インプラント治療を勧める歯科医に嫌気がさし、セカンドオピニオンを求めて根管治療専門医を訪れる方も少なくない。実際に多くの患者のニーズがあるわけである。当院に訪れる患者も、数十回の根管治療が行われたものの全く治療が終わらず、症状に改善を認めないため、専門的な意見を求め来院される方が少なくない。


ここで重要となるのが適切な診断が行われたうえで根管治療が行われている否かである。つまり、根管治療の成否のみならず、その歯を残す上でのロードマップを描くことが出来るか否かが大切であると考える。通常患者は歯の保存を行う際、その歯でなんでも症状がなく食べられることを望んでいる。根管治療が成功しても、歯周病的観点から見るとホープレスの状況であったり、補綴装置を装着できない状況であったりすれば、患者にとって満足のいく治療にならない。歯科医師として目指すべきメインゴールは患者の病気の治癒と機能回復であるが、患者としっかりと向き合い、どのようなゴール設定を行うかで治療方針も異なると考える。ゴール設定によっては、インプラント治療が最も適切な治療方針であることもあろう。


歯周病専門医の目から見た場合、歯周−歯内病変(Combined periodontic-endodontic lesions)の診断が最も重要と考える。つまり根尖性歯周炎と歯周炎がどのように病変を引き起こしているかを理解する必要があるが、一方でどちらからの問題でない、クラックの診断も極めて重要であろう。本日は今までに明らかにされているエビデンスを紐解きながら、症例を通じエンドとペリオの関係性に光を当ててみたい。

 

 

13:20-14:00 『プロソドンティストの視線からみたエンド』

 

接着技法の確立は「支台築造法」に変革をもたらし、レジンを用いた築造が可能となった。さらに2016年にファイバーポストが保険収載されたことで、より生体に優しい支台築造法が保険診療で行われるようになった。では現在、「ファイバーポスト使用レジン築造が、最も優れた支台築造法である」と、言えるのだろうか?

 

2008年に日本補綴歯科学会から発表された「歯の欠損の補綴歯科診療ガイドライン」内のクリニカルクエスチョン「支台築造法において、ファイバーポストは、有効であるか?」の概説では、「ファイバーポストは新しい材料であり、長期にわたる経過観察症例が少ないことを考慮することも必要である。」と記されている。では、最新の臨床研究は我々に何を示しているのであろうか?


また、根管内象牙質への接着は象牙質平滑面への接着と異なり、不確実性が高く困難であることが明らかとなっている。根管内において予知性の高い接着を実現するためには、「良質な被着面」に「適切な接着技法」を用いることが重要であり、これらについての十分な理解をもたずに行う処置は、一貫性のない治療結果をもたらす。では、根管象牙質接着において「良質な被着面」、「適切な接着技法」とはどういうものであろうか?


「接着」と聞くと「脱離しないこと」が大切と考えることが常であるが、良好な接着界面は「リーケージ」も防止する。実際に、補綴装置の質が根管治療に影響することが報告されている。では、根管象牙質と支台築造の界面において生じる「リーケージ」はどのような様子であろうか?

 

本講演では、上記の疑問に対して我々研究チームが導き出した研究成果をはじめ、可及的に多くの研究結果を解説したい。その上で、支台築造処置を行う上で注意すべきポイントを確認するとともに、「エンドの観点」からも現状におけるベストの支台築造法について述べたい。さらには未来にあるべき支台築造法を、皆様とディスカッションできることを楽しみにしている.

 

 

14:00-14:40 『インプラント予定部位や周辺の失活歯をどう診る?』

 

インプラント治療の計画を立案していく際に、埋入予定部位およびその周辺の失活歯の将来的な予後の見通しは、抜歯の是非も含めて慎重な判断を迫られることが多くある。予後不安定な失活歯がインプラント予定部位に隣接して存在する場合、戦略的に抜歯を行いインプラント治療部位に含めていくか? あるいは、あきらかに抜歯が必要な状況になるまで出来る限り保存し、抜歯に至った時にインプラントの追加を検討するか? これは、術者の診断力や技術力だけでなく、患者の心理的な要因や経済的な要因も治療計画に大きく影響してくる。特に、欠損部の中間にこのような予後不安定な失活歯が存在する場合は、抜歯か保存か大いに悩ませられる。近年では、歯根の全体あるいは歯根の一部を顎堤内に保存することで、歯根周囲の付着器官や血液供給を維持し、顎堤の形態を保存しようとするPartial Extraction Therapyを応用して良好な経過をたどっている症例も数多く報告され、インプラント予定部位および周辺の失活歯の扱いの選択肢も増えてきた。


今回は、様々な症例を供覧していきながら、インプラント予定部位周辺の失活歯への対応を考察していきたい。

 

  

基調講演2

14:50-16:20 『MTAを用いた歯髄保存の最前線』

 

日常臨床で遭遇する歯髄に近接した深いう蝕治療の場合、様々な臨床症状により歯髄を保存するか抜髄か悩む事が多いのではないでしょうか。従来、打診痛や自発痛が見られるケースでは抜髄が選択されてきましたが、MTAの登場により歯髄の保存の基準が変わってきました。


初期う蝕で冷水痛を訴え間接覆髄処置を行うケースにおいて、従来の水酸化カルシウムなどで覆髄したり、また直接ボンディングを用いた修復をしても、術後に冷水痛などの症状が残る事がありました。しかしMTAを間接覆髄材として用いると術後に症状が軽減する事が多く認められます。また深い齲蝕を除去していくと、露髄してしまうようなケースにおいて、水酸化カルシウム製材などで直接覆髄処置を行ったにも関わらず、歯髄壊死に至ってしまう事もありました。しかしMTAを直接覆髄材として用いると、予後良好のまま経過する事が多く見られるようになりました。これはMTAの封鎖性と修復象牙質の形成能が従来の覆髄材よりはるかに優れている事によります。さらに齲蝕が進行し歯髄が一部感染しているケースにおいても、残存する歯髄を保存できる可能性が出てきました。このような歯髄保存の術式は現在まだ確立しているわけではありませんが、大切な事は感染源を完全に除去しMTAを用いて緊密に封鎖できる環境を作る事です。MTAは間接・直接覆髄材として非常に有用ですが、水分のコントロールなどの操作性が難しく、練和したMTAをどのように窩洞に移送するのか、またどのように充填するのかも工夫が必要となります。さらに充填した後も水分による湿潤養生が必要となります。


今回、間接覆髄から直接覆髄、さらに部分的な歯髄の保存の症例に対し、どのようにMTAを用いるのか、数多くの症例を動画を交えて紹介したいと思います。歯髄保存の最前線のキーポイントが明日からの臨床にご活用頂ければ幸いです。

シンポジウム詳細

日時: 2018年1月21日(日)9:00 - 17:30

場所: 愛知学院大学楠元キャンパス 歯学・薬学図書館情報センター4F 大教室

費用: 歯科医師 ¥10,000 / 研修医・大学院生・DH・DT ¥8,000

 

開催地詳細はこちらから

 

 

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第1回の様子

 

 

 

基調講演 『治癒に国境はない』 月星光博先生

 

 

 

 

 

 

 

 

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