地域を超え、スタディーグループを超え、トップランナーの先生方が、これからの歯科界へ贈るメッセージ / WHITE CROSS編集部

4月14日(日)に、横浜市の鶴見大学記念館において、〝地域を超え、スタディーグループを超え、トップランナーの先生方が、これからの歯科界へ贈るメッセージ” として、Innovative Collaboration for Future Save the teeth 〜歯の保存の重要性〜 が開催される。

 

当シンポジウムの主催は、今最も勢いがある、若手の歯科医師を中心としたスタディーグループA.S.C.。A.S.C.は「患者さんの幸せを1番に考える」という理念のもと2012年に設立。堅苦しさを取り払い、歯科医師だけではなく歯科衛生士、歯科技工士、スタッフの垣根を超えて皆で高め合うという関係性を築き上げている。

 

前回開催時のInnovative Collaboration for Future

 

今回のイベントはドクターが15,000円、コデンタルは10,000円の参加費と設定しているが、ドクター同伴の場合、歯科衛生士・歯科技工士・学生・研修医は無料で参加することができる。 まさに今後の歯科業界を盛り上げるために若手の力が勢いを増しているシンポジウムである。

 

 

主宰の 中村航也先生よりメッセージ

日本の歯科医療を盛り上げていくためには、年齢やスタディーグループ、地域を超えて歯科医師同士がつながり高め合っていける機会が必要です。

そのためにはこれからの歯科医療を担う若手歯科医師から積極的にそういう学びの機会を作り上げていくこと、そして今まさに歯科医療界を牽引している様々な分野のトップランナーの先生方からの力添え・御指南が必要です。その第1歩として、当シンポジウムを開催することにいたしました。

多くの若手の歯科医師にとって、同世代の歯科医師が異なるトップランナーの先生方の前で発表を行いフィードバックを受ける様子、そしてトップランナーの先生方の特別講演を通じて多くの学びが得られる機会になると信じています。また、ベテランの先生方にとっても、若手歯科医師とつながり後続に伝えていく場として。そしてもちろん先生ご自身の歯科医師としての学びの場として素晴らしい機会になると信じています。

歯科医療の明るい未来に向けて走りだす第一歩となるシンポジウムにしたいと考えておりますので、是非ご参加下さい。

 

Time Schedule

 

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講演内容 

 

『中等度及び重度慢性歯周炎患者に対し、部分床義歯を用い口腔機能回復治療を行った一症例 〜歯の保存の重要性と審査診断、補綴設計〜』

 

歯周治療では歯周基本治療、歯周外科治療後に必要に応じて、咬合や咀嚼、発音などの口腔機能を回復するために修復・補綴治療を行うことがあり、クラウンブリッジ、インプラント、義歯を用いて口腔機能を回復します。またこの口腔機能回復治療は他にも現存歯列の保全という重要な目的があると考えられ、ただ補綴物を製作するだけでなく長期的に歯周組織を安定させ、機能を維持し、同時に炎症や咬合性外傷を誘発しないよう配慮し設計していくことが重要であると考えます。

 

特に中等度以上に進行した歯周炎患者では、歯周組織の支持能力が低下していることから、細菌感染や咬合性外傷に対する配慮が不可欠となり、動揺を認める歯や義歯の鉤歯は補綴による連結が必要な場合があるため、健常な患者と比較して治療が困難になります。そのため診査診断・補綴設計をきちんと行うことが重要であると考えます。

 

今回、中等度及び重度慢性歯周炎患者に対し、R.P.Dを用い口腔機能回復治療を行った一症例を通し、診査診断・補綴設計についての考えと治療経過を発表させていただきます。

 

 

 『今求められる医院力と歯周組織再生AtoZ』

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歯の喪失原因の第一位である歯周病の罹患率は高く、私たちの臨床から切っても切り離せないものである。そのため多くの歯科医院が歯周治療に取り組んでいるが、昨今の保険診療における歯周治療は、スケーリングなどの基本治療にとどまっているケースが少なくない。しかし患者の歯科に対する知識や要望はますます高まり、可能な限り長期的に歯牙保存を望む声が増えているのも事実である。そのためには、知識や技術の向上だけでなくチーム医療にもとづいた医院力を身につけることも大切である。歯を保存するために歯周治療は必須であるが、その基本となる歯周基本治療の大切さや、必要な部位に必要な歯周外科治療を行うことでより長期的に安定した予後が期待できると考えられる。

 

なかでも歯周組織再生の分野の研究は、飛躍的進歩を遂げ我々は臨床の現場で多くの恩恵を受けている。歯周再生療法にまつわる様々なマテリアルや術式が開発、考案されその結果、以前では保存が困難であった歯牙の保存も可能となったが、我々歯科医師はその適応症を見極め何が最善の結果を得る事が出来るのかを考え選択し治療に臨まなければならない。しかしながら歯周再生療法では硬組織の再生量や軟組織の退縮、歯間乳頭の喪失など、予測通りの治療結果とならないことも多い。そのため治療計画の変更を余儀なくされることもあり、ともすれば患者との信頼関係を損ないかねない。

 

歯周再生療法において術中の切開・剥離やデブライトメントなどひとつひとつの基本的な手技を的確におこなうことが重要であることは言うまでもないが、とりわけ歯肉のマネージメントは組織再生の成否を大きく左右する要因となる。

 

今回、歯の保存の重要性というものをテーマに様々な症例を供覧させていただき、医院力アップにつながる臨床のヒントとなれば幸いである。

 

 

『歯を保存・機能させるために選択すべきこと』

 

歯を残したいという希望は歯科医師も患者も同じです。しかし、止む無く抜歯となる場合もありますが、安易に抜歯を選択されている場合、あるいは歯科医師の治療技術、偏った考えにより抜歯を選択されていることも多いように思います。もちろん抜歯後にブリッジ、可撤性義歯、インプラント治療を受けて満足されている患者さんも多くいます。インプラント治療が確立されてきたが故に、抜歯の基準も変わってきており、臨床で悩むことも増えてきたと思いますが、私たち歯科医師は歯を保存させ・機能させることを最優先に考えて臨床を行うべきだと思います。

 

その上で、私は歯を保存させた場合の予後、将来的な治療介入、再治療などを考慮した上に、患者の希望、社会的背景、経済面などを鑑みて治療選択を行うようにしています。歯周病専門医として1本でも多くの歯を保存・機能させるために様々な知識・技術を選択している臨床とその治療経過を提示したいと思います。

 

 

『チームワークで歯周病に立ち向かう 〜長期的に天然歯を維持・安定させることを目指して〜』

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厚生労働省の調査で日本人の成人の約8割が歯周病であると報告され、テレビやCMなどでもよく耳にするようになった。そのため日常臨床において、歯周治療を望む患者は多くその期待度は高まっており、可能な限り天然歯の保存を希望する声が大きいと感じている。

そのような時代の中で歯周治療は、進歩が目覚ましくさまざまな治療法や治療材料の開発が行われており、歯周組織再生療法において以前は保存困難であった歯でも保存できるようになっている。

 

しかし、いかに治療法や材料が進歩しても、術者が正しい知識と技術を習得していなければ治療の成功は期待できない。患者・術者ともに満足できる治療結果を得るためには、正しい診断のもとに適切な予後の判定を行う必要がある。

そして治療目標を決定し、包括的に治療計画をたて順序よく治療を終了することによって長期的に安定した機能性のある口腔内を維持できるのではないかと考えられる。

 

また、このような歯周治療の流れのなかで歯科衛生士は必要不可欠であり、特に初期治療とメインテナンスにおいて、きわめて重要な役割を担っており歯周治療の成否を大きく左右するといっても過言ではない。

 

そこで、本発表では歯科衛生士や歯科技工士そして歯科医師らによるチームワークにより長期的に天然歯を維持・安定させることを目指して、自分自身が携わった症例を通して反省点もふまえながら発表したい。 

 

 

『歯を救うための歯科医院づくり 〜歯周基本治療からメインテナンスまで〜』

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近年、歯周病の治療を主訴として来院する患者さんが増えています。我々にとっては大変喜ばしいことですが、歯周治療を行うためには初診から治療中さらには、治療終了後のメインテナンスにいたるまで、スタッフ全員の連携によるチームアプローチが重要になり、医院全体のレベルアップが必要となります。

 

受付は患者さんが初めて出会う医院の顔なので、初診時の対応一つで医院のイメージが作られます。歯科助手は治療中の患者さんに気配りをして、安心して治療が受けられるように務めなくてはなりません。歯科衛生士は歯周基本治療の中心を担い、その出来いかんによっては歯周治療の成功、不成功に直接的に関わって来るとても重要な役割の一つです。また歯科技工士は歯周治療によって得られた健康な歯周組織を、長期にわたり維持増進していけるような清掃性の良い、メインテナンスし易い補綴物を作製しなければなりません。

 

そして何と言っても歯科診療を成功に導くための最大のキーパーソンとなるのが歯科医師です。歯科医院の舵取り役であり動力源である歯科医師が、医院の進む方向性や将来のビジョンをきちんと描けていないと、スタッフはどうしたら良いか戸惑い、力を発揮することができません。歯周治療が医院の基盤として運営できるようになることがこれからの歯科医院経営にとって重要になり、今後の歯科医院の大きな飛躍につながることは間違いないでしょう。

 

今回は歯を救うための歯周治療、歯科診療を進める上で、どのように患者さんにアプローチしたら良いのか、また、成功に導くためのシステム作りとして、スタッフ教育やカウンセリングをどの時点でどのような方法で行うのが効果的なのかを、当医院を例にとりご紹介しながら、楽しく明るい未来のある歯科医院づくりの秘訣をお教えいたします。

 

シンポジウム詳細

日時:  4月14日(日)9:30〜16:30(開場 9:00) 

場所:  鶴見大学記念館 記念ホール(横浜市鶴見区鶴見2-1-3) 

費用:  ドクター ¥15,000 / コデンタル ¥10,000

ドクター同伴の歯科衛生士、歯科技工士は無料、学生・研修医無料

 

開催地詳細はこちらから

 

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演者インタビュー

瀧野 裕行先生『楽しむ心の行く道 〜JIADSのこれから〜』

 

若林 健史先生『歯周病学に生きる 〜今時代に輝く歯科医療の光〜』

 

中村航也先生『師匠と父への恩返し。それは二人を超えること。』

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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