東京デンタルショー2019 訪問レポート 前編 / WHITE CROSS編集部

2019年11月9日(土)〜10日(日)と東京ビッグサイトにて開催された東京デンタルショー2019に訪問して参りましたので概要レポートをさせていただきます。

今回は令和最初の東京デンタルショーでしたが、「口腔から全身の健康を科学する」という副題にて開催され、来場者数18,758名と非常に多くの来場者で賑わうデンタルショーでした。

 

日本各地で開催されるデンタルショーの中でも、首都圏開催で来場者数も多い東京デンタルショーには、各社が照準を合わせ毎年多くの新製品や注目製品が登場いたします。

 

 

「キラリ君、ミラー夫人」など親しみやすい公式キャラクターを使って集客を図るほか、全32プログラムもの生涯研修セミナー、日本歯科医師会監修「笑顔の向こうに」上映、訪問診療・インプラント・ホワイトニングの各特設コーナー、BOOK CAFÉ、歯科学校紹介、メイクヘアー体験「OPEN THE BEAUTY」など様々な取り組みで多くの集客を図りながら『歯科界を盛り上げていく』ための多くの取り組みがあることも面白い運営だなと感じるデンタルショーです。

 

 

各社が保険適用範囲拡大の方向性や、生産性改善で大きな注目を浴びる『口腔内スキャナーやCAD/CAM、3Dプリンタなどのデジタル技工機器』、治療のしやすさ・患者さんやスタッフとの情報共有で便利な『次世代型拡大術野治療システム』、各社から登場した『便利なアプリ』、根管長測定をしながら根管拡大できる新システム、さらに使いやすくなった各種『歯科用ユニット』など様々な製品を新規出品し、大きな注目を集めておりました。

 

各社ブース紹介

ヨシダ

 

『新製品祭り』といっても良いほど、多くの新製品で埋め尽くされていたヨシダブース。

まず⼤きな注⽬を集めたのは「次世代型拡⼤視野システム」の『NEXT Vision システム』です。

マイクロスコープでも最⼤倍率は20〜25倍程度の製品がほとんどですが、本システムは「4K画像」で接眼レンズではなくモニタに映し出すことで最⼤倍率80倍もの画像確認ができます。

 

 

また、ワーキングディスタンス(レンズの先端から被写体までの距離)が300〜500mmで、被写界深度(ピントの合う範囲)も深いためピントも簡単に合わせやすく、特許申請済みの明るいライトで鮮明な拡⼤術野を確認できるシステムです。直視で通常の診療をしながら、確認したい時だけサッと拡⼤術野で確認できるシステムは、マイクロのような特殊トレーニングが不要で使いやすいことも⼤きな利点です。

 

「ピントが簡単に合って使いやすいね!」「直視で全体を診て治療を進めながら、必要時に拡⼤画像を簡単に確認できていいね」、「画⾯でスタッフや、患者さんと情報共有しながら治療もできそうだね」など、⻭周病に⼒を⼊れている先⽣や、⼩児の先⽣など多くの先⽣から『使ってみたい!』の声が上がる新システムに⼤きな注⽬が集まっていました。

 

 

2018年8月の発売後1年弱で世界販売台数4,500台超と世界で大人気の口腔内スキャナがとうとう日本上陸!

『コエックス i500』も大きな人だかりができていました。最大▲1.5mm-21mmと被写界深度が広いため撮影しやすく高精細、かつ、ハイスピード、小型軽量と3拍子揃った上

に、本体価格が250万円とリーズナブルな製品に非常に多くの注目が集まっており、多くの方がその「光学印象のしやすさ・速さ」を実体感し、「いいな!」という声が上がっていました。

 

 

また、『エクシードCsプレミアム』、『セリオキール』など、ヨシダ製作所・ヨシダ精⼯共に「最⾼級機種」のプレミアムユニットが登場したほか、『クラプロックス ハイドロソニックPro』、『ルクサクラウン』、『L8020ラクレッシュPROマウスウォッシュ』など、掲載誌⾯が⾜りないほど多くの注⽬新製品が登場し、⼤勢の来場者で活気の溢れるヨシダブースでした。

 

 

GC

 

 

非常に多くの来場者で賑わうGCブース。新たな取り組みとして多くの来場者の注目を集めていたのは、同社が新たに発表した『ジーシー公式アプリ』です。

同アプリをダウンロードすると参加できるGCブース内スタンプラリーなど遊び心のある展示で、多くの方がアプリをスマホに入れて同企画に挑戦していました。

 

同アプリは、製品情報、製品の使い方や、動画説明、ケースプレゼンテーション、学術論文などがとても見やすくなっており、また、今後も少しずつ改良を加えながら「新たな情報展開」をする情報媒体としていく予定とのこと。一度、どんなアプリかダウンロードして、役立つ情報がないかを見てみることもオススメです。

 

 

また、大きな注目を集めていたのは同社の新型口腔内スキャナ『Aadva IOS 100』です。

日本人の口腔内にも挿入しやすい「小型」の国産口腔内スキャナの「発売日 / 価格」の発表が気になる展示でしたが、今回は「参考出品」で「発売日 / 価格」は未定とのこと。ただ、多くの方が手にとって製品を試してみるなど、注目度の非常に高い製品で、発売日の発表が楽しみな製品です。

 

今春発売以降、当社でも多く売れて人気の『イオムアクア』からは、テンピュールのような低反発で「ふんわり、やわらか」に包み込むようにフィットするリラクゼーションシート『シフォン』もオプションで選べるようになるなど進化。

 

ほか、新製品では、様々な材料に使用可能で、すべての支台歯・窩洞に塗布可能な『接着強化プライマー』とすべての修復物に塗布可能な『Gマルチプライマー』との組み合わせで、ステップも覚えやすく簡便な接着用レジンセメント『ジーセム ONE neo』のオートミックスタイプ『ジーセム ONE EM』や、発熱しにくい水流冷却スリット入りでジルコニア等の除去にも高い切削性・耐久性を持つダイヤバー『マイジンガーコブラ』など様々な製品が登場し、多くの人で賑わうGCブースでした。

 

同社は来年で99周年ですが、100周年に向けての動きも楽しみです。

 

 

オサダ

 

今回オサダブースで一番目立つ場所に展示されていたのは、ハイスペックなユニオートシリーズの最新機種『ユニオートグレア』です。

人間工学に基づいたシート形状と、ユニオートならではの350mm最低位は患者様の乗り降りや、すべて油圧で動かすゆったりとした上質な動きは診療を優しくサポートします。

 

 

お洒落なレザー調デザインで、ワンランク上の上質な診療空間を提供できるユニットに大きな注目が集まっていました。細かい調整も可能な動きや、最低位350mm、セッ

トのスツールなど、マイクロスコープユーザーにもお薦めです。

 

 

新サービスで注目が集まっていたのは『OSAPO(オサポ)』という同社提供の歯科衛生士・歯科助手向け「新アプリ」です。

日常の仕事に役立つテクニックやアドバイスがある「スキルアップ」、訪問歯科や小児歯科など専門歯科領域での役立つ情報、素敵な衛生士情報など様々な情報をアプリで休憩時間などにご覧いただけます。現在はアンドロイド向けのみですがアイフォン向けも近日公開予定。「オサポ アプリ」と検索すると情報が出てまいりますので是非ご覧ください。

 

また、小児用、高齢者用、特診室用、訪問用と出展ユニット種類は絞るも、それぞれの空間をイメージしやすい展示で多くの方々の注目を集めていました。

 

ご高齢の方への「思いやり」がさらに進化した新型『オパルコンフォート』も2色を並べての展示。訪問診療機器でもパイオニア的存在の同社。オサダの大人気訪問診療用ユニット『デイジー2』は左右から分けて4ハンドでも利用しやすいという点や、他訪問診療を支える機器も充実しており、訪問診療では人気が高いこともアピール。

 

小児では背板は起き上がったり倒したりできるも、巻き込みにくい優しさや、スピットンの細部も子供が喜びそうな仕様なものを2色並べて展示など、「オサダ」のコンセプト

ユニットに特化した展示を多くの方が注目してご覧になっていました。

 

 

モリタ(&モリタ経由での販売が多い会社)

 

モリタと同社経由での販売が多い会社ブース紹介。

まず大きな注目を浴びたのは今年12月から新規保険収載予定のサンメディカルの歯科用シーリング・コーティング材『ハイブリッドコートⅡ』です。

生活歯の歯冠形成を行った際に象牙細管が出ると疼痛/知覚過敏などが発生しやすいですが、その際に象牙細管封鎖を目的として同製品でコーティング処理を行うと30点が算定できるというもの。「準用技術料」は「I001歯髄保護処置3間接歯髄保護処置30点」ですが、実際にどんな名前の技術料となるかは、12月が近くなるとわかる見込みのようです。同製品は、ボンディング材や知覚過敏抑制用にも使用可能ですが、是非、これを機に医院様でも1本ご用意いただいてみてはいかがでしょうか。

 

 

CAD/CAM冠等の装着試適時、洗浄しないと接着力は低下しますが、洗浄はどうされていますか?水だと唾液タンパク質を除去しにくくアルコールは唾液タンパク質を凝固してしまうのでNG。

そこで使える材料は今まで、『イボクリーン』『ジルクリーン』と2種類の製品しかなく、また、両製品とも口腔内では使用出来ませんでしたが、クラレノリタケから口腔内でも利用できる弱酸性の『カタナクリーナー』と、他社にはない特徴を持つ製品が登場致しました。

「10秒以上の擦り洗い・水洗」が必要な点は注意が必要ですが、CAD/CAM冠装着をサポートする新たな製品が登場いたしました。

 また、従来品比で耐久性が増し、長さも長くなった『クリアフィルADファイバーポストⅡ』、ブリッジ対応の14ZLも追加となった『カタナ ジルコニアブロック』など多くの新製品を11/21発売予定と同時リリースした同社ブースには多く人だかりでした。

 

また、ライオンブースでは、6歳未満のお子様が安心して使える500ppmFのぶどう味歯磨剤も11/21新発売。

モリタと同社経由での販売が多い会社も多くの新製品を東京デンタルショーに合わせて発表し、注目を集めておりました。

 

 

タカラベルモント

 

タカラブースで⼤きな注⽬を集めていたのは、3者カウンセリングも⾏いやすいコンセプトユニット『ラポールi』です。

治療前や治療後の説明が特に重視される中、同製品は会話を⽣むポジションにスムーズに移動することができます。3者はもちろん2者でのカウンセリングにも使いやすいユニットで、多くの⽅の注⽬を集めていました。

 

お洒落なCT『BEL-X(ベルクロス)』も⽬⽴つ位置に展⽰。タカラらしいスタイリッシュなデザインにプラスして、管球設置パネルとセンサーが各々スライドしコンパクトな設計。

さらに、液晶パネル上で確認しながら、放射線を使わずに2⽅向からのデジタルカメラでできるカメラスカウト機能や、フランクフルト平⾯を⽔平に保ちやすい視線マーカーなど様々な新機能で位置付けも⾏いやすくなるなど、使い勝⼿にこだわったCTにも⼤きな注⽬が集まっていました。

 

 

また、「ファブリック調レザー」シートは『ラポールi』『シェルト』のオプションとなりますが、6種のカラーが登場し、お洒落なタカラユニットにさらなる選択肢が追加されました。

 

ほか、今回初出展となる新製品は『ベルレーザーS』です。同社人気のCO2レーザー『ベルレーザー+』のほとんどの機能は「そのまま」で、「ガイド光」のみを無くしその分リーズナブル、かつ、ハンドピースが軽くなった製品です。『ベルレーザー+』のデモ依頼をいただければ、「ガイド光有」「ガイド光無」の両方のモードでご使用いただけ、2種類のお見積もりの中からご自身の要望に合った製品をお選びいただくこともできます。CO2も迷ったけど、結局高いし買わなかったな…といった先生は一度お見積もりいただくこともオススメです。

 

2021年の100周年に向け、これからの動きも楽しみなタカラブースでした。

 

 

デンツプライシロナ

 

多くの人で賑わうデンツプライシロナブースで、注目を浴びていたのはやはり新しくなったセレック『プライムスキャン』です。

深さ20mmまで撮影可能な被写界深度(ピントの合う幅)で、インレー窩洞や歯肉辺縁などのスキャニングなどにも強くなり、また従来機比較5倍のデータ量でスキャンタイムを1/4に短縮する「高精細かつスピーディー」な『プライムスキャン』。

 

 

人間工学に基づいたワイドタッチスクリーンと、タッチパッド搭載、バッテリー駆動で機能性もUPし、院内での使いやすさもUPしています。「オムニカムでも必要十二分」だと思っていたセレックがさらに魅力的な製品になりました。世界的に大人気過ぎて需給が逼迫している同製品は、現在頼んでも納品は2月になってしまうとのこと。

 

格段に進化した『プライムスキャン』が気になる方は、早めに「実機確認・デモ」をしてもらい、早めの発注がお薦めです。

 

 

小器械で大きな注目を集めていたのは、連動する根管長測定器『プロペックスIQ』登場でさらに魅力が増した根管拡大形成システム『XスマートIQ』です。

 

 

両製品の連携で「根管長測定」をしながらの拡大形成が可能となり、作業長の基準点に達すると反転する「アピカルリバース機能」や、規定トルクに達すると反転する「トルクリバース機能」も備え、日常のエンド治療が「より安全安心に、よりストレス少なく、より効率的に」行うことができます。「話は聞いていたが実機を見て触るとすごい!」と多くの方がデモコーナーで実機を試していました。

 

他にも、高い光直進性+均一な光分布でスタイリッシュな光重合器『スマートライトPro』や、『プライム&ボンドユニバーサル』と混ぜて使うと、新コア材『コアXフロー』との化学重合が促進されるため、光が届きにくい根管内でも安心して使えるようになる新製品『セルフキュアアクチベータ』、象牙質に近似したジルコニア強化型グラスファイバー配合の新製品『Xポスト』など材料分野でも続々と新製品が登場し「勢い」を感じるデンツプライシロナブースでした。

後編はこちら

 

現地の様子をより詳しく知りたい方は、株式会社シラネの公式サイトにてレポートを閲覧することができます。

 

東京デンタルショー 2019 レポート

 

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