「感染対策強化型診療所」認定制度について記者発表 神奈川県歯科医師会 / WHITE CROSS編集部

公益社団法人神奈川県歯科医師会(会長 松井克之)は、9月3日(木)に県民が安心、安全で歯科医療が受診できるよう神奈川県内の歯科医療機関に対し「感染対策強化型診療所」認定制度の取り組みを開始したと発表した。


この取り組みは、厚労省が定める歯科外来診療環境体制の施設基準を取得していることを必須とし、そのうえで神奈川歯科大学、鶴見大学歯学部、日本歯科医療管理学会、日本口腔感染症学会の有識者とともに審査委員会を立ち上げ、歯科医療機関からの申請を充分審査したうえで認定するという、全国の歯科医師会でも初めての試みである。

記者発表の様子


同会で発行した「歯科医療機関における新型コロナウイルス対応指針Ver.5(歯科の新しい診療様式)」のガイドラインをもとに独自で制定した基準をクリアすると歯科医療機関に「認定証」と「ステッカー」を交付、さらに、同会の公式ホームページに歯科医療機関名を掲載する。





感染防止対策に積極的に取り組んでいる歯科医療機関に県民の皆様が安心して通院できる歯科医療機関として「見える化」にも役立てるという。

 

 

「歯科医療機関における新型コロナウイルス対応指針Ver.5(歯科の新しい診療様式)」についてはこちらから

 


松井会長は、感染拡大の中で制度を立ち上げたが、その意義の第一は、県民への安心、安全な歯科医療体制で、その一つの指針として位置付けたい。すでに、2日間で150件に及ぶ申請申込を受け、その後も申し込みが殺到しており、反響の大きさに驚きを隠せないという。この制度を広く普及させ、県民の安心、安全に一層役立てたいと話した。

審査項目は次の通り

1. 社会的取組みへの協力体制

・ 神奈川県行政の感染防止対策取組書、LINEコロナお知らせシステムの登録、院内掲示
・ 日本歯科医師会の安心マークの登録し、 院内に掲示
・ ご自身が新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)を導入、実施している


2. 受付・待合室について

(1) 設備編
・ 換気設備が整っている(窓、空気清浄機、換気扇等)
・ パーテーションが設置されている
・ 手指消毒液の設置がされている


(2) 行動編
・ 来院ごとに「感染拡大防止のための受診当日問診票」を行っている
・ 診療時に患者の体温測定をしている
・ 十分な換気を行っている
・ 定期的に清掃をしている(手すり、スリッパ、トイレ洗面回りの消毒等)


3. 診療室について

(1) 設備編
・ 歯科外来診療環境体制の施設基準を取得している
・ 換気設備が整っている(窓、空気清浄機、換気扇等)
・ 診療ユニットの距離が十分に保たれている(個室、パーテーション等)


(2) 行動編
・ 患者ごとにハンドピース、器具を交換している
・ 患者ごとに診療ユニットの清拭消毒を行っている
・ 過度に密となるようなアポイントを取らないようにしている
・ 定期的に周辺機器(医療機器以外)の清拭消毒を行っている
・ 適切な個人防護具、グローブ、フェイスシールドを使用している
・ 個人防護具の適切な管理と処理を行っている
・ 口腔衛生用品の交換を行っている(エプロン、紙コップ等)


4. スタッフについて

(1) 設備編
・ スタッフルームの換気設備が整っている

(2) 行動編
・ 時差休憩等で3密対策を行っている
・ 体温測定、健康管理(管理表の作成) を行っている
・ 十分な換気を行っている
・ 使用ごとに清掃している(手すり、スリッパ、トイレ洗面周りの消毒等)


5. 消毒室について

(1) 設備編
・ 換気設備が整っている
・ 適切な消毒、滅菌設備があること

 

(2) 行動編
・ 患者ごとにハンドピースを滅菌している
・ 日本補綴歯科学会のガイドラインに沿った印象、模型等の消毒を適切に行っている
・ それぞれの器材に見合った適切な洗浄、消毒、滅菌を行っている


6. 医療廃棄物の処理について

・ 適切に医療廃棄物の処理を行っている

 

 

 

記者発表を行う守屋副会長


同会の守屋副会長による認定制度の説明によれば、特徴的なのは、厚労省が定める歯科外来診療環境体制の施設基準を取得していることを必須とし、申請はWebで受け付け、神奈川県の感染防止対策取組書、LINEコロナお知らせシステム、日本歯科医師会の安心マークを添付し感染対策を確認し、そのうえで神奈川歯科大学、鶴見大学歯学部、日本歯科医療管理学会、日本口腔感染症学会の有識者とともに審査委員会を立ち上げ、歯科医療機関からの申請を十分審査したうえで認定するという、全国の歯科医師会でも初めての試みである。

 

記者発表を行う今宮常任理事


また、今宮常任理事により、この制度のガイドラインとなる対応指針Ver.5(歯科の新しい診療様式)から一人ひとりの基本的感染対策、歯科診療を行う上での基本的診療様式、歯科診療による各場面の診療様式、働き方の新しいスタイルなどを説明。

 



その後、すでに新聞広告もした「神奈川県歯科医師会からの7つのお願い」と今回新たに「診療室の感染対策8つの取り組み」、「認定証」、「感強診のロゴ」を披露した。

 

お披露目された認定証とロゴ

 

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

LINEで送る

記事へのコメント(0)

人気記事ランキング

おすすめのセミナー