世界初の歯周病のワクチンが開発されました 豪州
ニュース 2017.02.18

世界初の歯周病のワクチンが開発されました 豪州

WHITE CROSS編集部

メルボルン大学の研究チームは、過去15年間にわたる研究の成果として、世界初の歯科治療用ワクチンを開発したとNPJ Vaccines誌にて発表した。

ワクチンは事前に接種することにより、体内にあらかじめウイルスや細菌などの病原体に対する免疫を作り出し、病気に罹患しにくくする目的で使用される。今回開発されたとワクチンは、代表的な歯周病原菌であるP. gingivalisが生産する酵素を利用して免疫反応を引き起こす。ワクチンの摂取により免疫反応が引き起こされることで抗体が生み出され、その抗体が病原菌の破壊的な毒素を中和するという。

オーストラリアにおいても成人における歯周病の罹患率は高く、その全身健康に及ぼす影響が社会的に問題視されている。研究に携わったReynolds教授は、「現在、歯周病は歯周病専門医によるクリーニングにより治療されており、しばしば外科処置や抗生物質投与も行われる。これらの方法は有効だが、多くの症例において、プラーク内において細菌叢が再形成され歯周病は進行し続ける。我々は、このワクチンが多くの人々のQOLを高めることに貢献するのではないかと大いに期待している。」などと述べている。

早ければ2018年には、歯周病専門医による治験が開始されるという。

日本歯科医療への示唆

日本歯科医療 これまでの30年とこれからの30年予測 において描いたように、日本社会においても歯周病の罹患率の高さは歯科医療界として今後取り組んでいくべき大きな課題であり、2025年を見据えた地域包括ケアシステムの構築に向けて口腔ケアなどを通じた対応が求められている。

 

日本歯科医療 これまでの30年とこれからの30年予測 へ

 

既に業界団体は動き始めており、例えば日本歯科医師連盟は「歯科医療が日本を救う!」というキャッチコピーで歯周病と他の疾患との関連性を訴えるパンフレットを作成し、歯科医療から国民の病気リスクを下げるべく真剣に取り組んでいる。

近い将来に歯周病のワクチンの利用が確立されたとすれば、歯科医療従事者にとっても国民にとっても福音となる。その一方で、歯科医療従事者には、ワクチンの利用のみで歯周病にかからなくなるわけではないという注意喚起を行い、歯科医療から国民の病気リスクを下げていくためのツールの一つとして活用していくことが求められるのではなかろうか。

 

出典: THE UNIVERSITY OF MELBOURNE_Melbourne scientists publish evidence for world-first therapeuitc dental vaccine
WHITE CROSS編集部
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