世界初の歯周病治療器「Blue Radical P-01」と 患者行動変容アプリ「ペリミル」販売開始   / WHITE CROSS編集部

日本社会において、口腔が全身の健康につながっていることが認識され始めている。しかしながら、現在の日本では成人の80%が歯周病に罹患しており、6mm以上の歯周ポケットを持つ歯周病患者は1,100万人 *1 と推計される。そのため、高齢者を中心に幅広い世代の歯周病にいかに向き合い、歯科から始まる健康的な社会を実現していくかが大きな課題になっている。

 

ではなぜ68,000件を超える歯科医院インフラがあるのに巨大な歯周病の罹患数が大きな課題になりつづけているのであろうか?

その答えに一つに、「歯周病は、患者が“歯に興味がなくなること(ネグレクト)”から始まるのであり、この源流に強くアプローチする手段が今の歯科医院での治療や定期的なメンテナンスのみでは限界がある」という考えがある。

 

 


Luke社ホームページより抜粋


つまり歯周病をコントロールするためには
1.原因療法として、“歯に興味を持たない” から “歯に興味を持ち続ける” という患者の行動変容
2.対症療法として、歯および歯周ポケット内の徹底的なプラークコントロール
の2点をセットにした新しいアプローチが必要であると考えられる。

 

そこで、東北大学の菅野らの研究チームは、歯周病の原因療法と対症療法の双方に、新しいテクノロジーでアプローチする「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY 」を提唱し、17年の歳月をかけて研究・開発した新規非外科的歯周病治療器「Blue Radical P-01」および患者行動変容アプリ「ペリミル」ペアとなってついに販売開始される。

 

「Blue Radical®︎」は重度歯周病をターゲットとした非外科処置において世界初の治療法を実用化しており、厚生労働省の医療機器認定において、その定義・使用目的に「歯周治療・歯周炎・歯周ポケットの殺菌・スケーリング」と明記された初めての歯周病治療器である。また、歯科医院と患者をつなぐコミュニケーションアプリ「ペリミル」と連動することで、患者自身の行動変容を促せる革新的なサービスとなっている。

 

 

「Blue Radical P-01」と「ペリミル」

 

重度歯周病だけど、歯茎を切ったりせずに歯を残したい。

という患者の願いに応える対症療法と、

歯周病は何度も再発してくるので、歯科疾患の原因である患者自身の怠慢・放置がなくなるように、行動変容を促したい。

という臨床現場の願いに応える原因療法。

その両方を実現しながら、自費診療で使用される医療機器として歯科医院経営にも資するという。また、ものづくり補助金の対象*2 にもなっており、負担を下げて導入できる可能性もある。 

 

 

そして満を持して、製品の安全かつ適正な使用方法を啓発し、「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY」の普及を促進するプロジェクト「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」がスタートする。「Blue Radical P-01」の初期販売は100台を上限としており、歯科医院100件に導入完了後は、生産が追いつき次第販売を再開する予定*3である。

 

*1 歯科疾患実態調査2022年「年代別PPD6mm以上を有する者の割合」と「人口推計2022年の年代別総人口数」より算出
*2 保険適用外の自費診療に使用する場合に限る。申請後、審査の上採否が決定される

*3 昨今の半導体不足・サプライチェーン崩壊の影響を受けて部品不足が発生しているため

 

NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY

「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY」は、超音波振動 + ラジカル殺菌による対症療法「Blue Radical P-01」と、アプリにより患者自身の行動変容を促進する原因療法「ペリミル」で構成されており、歯周ポケット6mm以上の重度歯周病罹患歯に対して1回の治療で従来法より歯茎の腫れを有意に減少させ、歯肉を含めた生体に対して安全であることを治験を通じて実証している。

 

 

対症療法「Blue Radical P-01」とは

「Blue Radical P-01」では、3%過酸化水素水と405nm青色レーザー照射による 「ラジカル殺菌」 という技術が用いられている。ラジカル殺菌は、短時間でのデンタルプラーク内部の殺菌 1)に成功した世界初の技術であり、歯周ポケット内に対して超音波振動 × ラジカル殺菌を行うことで、歯周病を引き起こす口内細菌を99.99%殺菌するという。「超音波振動 × ラジカル殺菌」により発生するヒドロキシラジカルが、人体に影響を与えることはない2)

 

超音波振動するチップの先端から、過酸化水素水と青色レーザー照射による"ラジカル殺菌"が行われる

 

また、医師主導治験(第三相)にて、従来法および4回のLDDS併用法と比較して歯周ポケット深さを、従来法と比較して歯周病原菌数を有意に減少させることが実証されている3)

 

従来法とラジカル殺菌 歯周ポケット深さの改善経過(3ヶ月)

 

従来からの超音波振動のみの治療法の場合、重度歯周病になると細菌の取り残しが発生するケースが多く、抜歯や抗菌薬の投与を余儀なくされてきた。「Blue Radical P-01」が提供するのは、重度歯周病において非外科処置でも歯を保存する可能性を高める新たな治療法である。

 

Blue Radical P-01を用いた重度歯周炎に対するラジカル殺菌のイメージ

 

世界初の歯周病治療器でありながら、その操作性は歯科医院に馴染みやすい。日常的に使い慣れている超音波スケーラーの操作感のままキャリブレーションを行うこと(確実に50mWで照射する)で、治験と同じ条件で治療を行うことができるという。また治験を通じて規定された効果的な使用時間を参考に、「Blue Radical P-01」に表示される使用時間を確認しながら施術することで、術者ごとの施術時間の違いに左右されずに一定の治療効果が期待できるという。

 

1)Keisuke Nakamura, Midori Shirato, Taro Kanno, Ulf Örtengren, Peter Lingström, Yoshimi Niwano_"Antimicrobial activity of hydroxyl radicals generated by hydrogen peroxide photolysis against Streptococcus mutans biofilm". International Journal of Antimicrobial Agents. Volume 48, Issue 4, October 2016, Pages 373-380

2)Taro Kanno, Keisuke Nakamura, Hiroyo Ikai, Katsushi Kikuchi, Keiichi Sasaki, Yoshimi Niwano_"Literature review of the role of hydroxyl radicals in chemically-induced mutagenicity and carcinogenicity for the risk assessment of a disinfection system utilizing photolysis of hydrogen peroxide". Journal of Clinical Biochemistry and Nutrition. 2012年51巻1号p.9-14

3)Taro Kanno, Keisuke Nakamura, Kirika Ishiyama, Yasutomo Yamada, Midori Shirato, Yoshimi Niwano, Chie Kayaba, Koji Ikeda, Airi Takagi, Takuhiro Yamaguchi & Keiichi Sasaki_"Adjunctive antimicrobial chemotherapy based on hydrogen peroxide photolysis for non-surgical treatment of moderate to severe periodontitis: a randomized controlled trial". scientific reports.25 September 2017

 

 

原因療法(ペリミル)とは

「Blue Radical P-01」と連動する患者用アプリ「ペリミル」の目的は、患者が自分自身の口腔内に興味を持ち続けられるよう習慣化させ、生活習慣病である歯周病の原因(患者自身の怠慢・放置)を絶ち、行動変容を促すことにあるという。

「ペリミル」の具体的な機能として、患者自身がスマートフォンを介して、

・ 「Blue Radical P-01」での施術時間情報・治療内容・経過をチェックできる

・ 専用ペリオチャートの「AIOCR」により可視化された歯毎のリスクや全体の炎症状態などををわかりやすいイラストで確認できる

・ 歯科衛生士から歯磨き指導を受ける

・ 歯磨きタイマーで歯磨きの習慣化のサポートを受ける

などができるという。


 

これらの機能を通じて、デイリーなモニタリングとコミュニケーションを歯科医院と患者の間で行うことができる。これは、患者に必要な情報を”来院する“という行動に伴って出す時代から、歯科医院側が情報を積極的に出せる時代、いわば、Pull型からPush型の情報サービスへの転換を意味し、かかりつけ医として全く新しい情報発信ツールを手に入れられることになるという。

その先に、一人でも多くの患者に歯に興味を持ち続けてもらい、歯周病治療の価値を体感していただき、歯科から始まる健康的な社会を実現いきたいという願いが込められているという。

 

 

東北大学からのサーティフィケート

「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」*4というプロジェクトを通じて、「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY」の安全かつ適正な使用方法の啓発と導入の推進が行われる。「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」セミナーに参加すると、東北大学大学院歯学研究科先端フリーラジカル制御学共同研究講座よりラジカルマスターとしてのサーティフィケートが付与される。

 

*4 「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」は、「Blue Radical P-01」の販売元となる株式会社シバタインテックの主催となり、東北大学とシバタインテック社が会場となる。東北大学においては、「ラジカル殺菌の正しい理解の普及、安全かつ適正な使用方法の指導」という学術的な範囲の講義が行われる。

 

「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY」にご興味お持ち・導入をご希望の歯科医院様へ

「Blue Radical P-01」限定100台の初期販売開始に向けて、「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY」についてより深く理解いただくために、以下のセミナーが準備されている。


患者の行動変容を含む新しいデザインの歯周療法に共感し、本治療法のトップランナーを目指す歯科医院様や予防管理型の歯科医院様など、多くの歯科医院において「Blue Radical P-01」と「ペリミル」は活躍する可能性がある。ぜひ、オンラインセミナーと「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」にご参加いただきたい。

 

 

オンラインセミナー(参加無料)

2月19日(月)にWHITE CROSS上で、オンラインセミナーが開催される。講師として「Blue Radical P-01」と「ペリミル」の開発者である東北大学大学院歯学研究科先端フリーラジカル制御学講座の菅野太郎教授が登壇し、開発の背景や実際の使用法、エビデンスなどについて講演を行う。


クリックで、セミナー申し込みページへ

 


シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT

3月16日(土)を皮切りに定期的に開催される「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」セミナーでは、実際に「Blue Radical P-01」と「ペリミル」を操作・体感していただく。

 

オンラインセミナーより多くの情報が得られ、その特徴と利点、ポテンシャルを実感していただくことができる。受講者には東北大学からのサーティフィケートが付与され、「NEW DESIGNED PERIODONTAL THERAPY」の導入が可能となる *5


*5 プレセミナー不参加でも、「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」への参加可能

 

クリックで、セミナー申し込みページへ

 

問い合わせ先

「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」についての問い合わせは、株式会社シバタインテックまで

シバタインテック社では、お電話・メールでも「シバタインテック PRESENTS FIRST 100 PROJECT」についてのお問い合わせを承っております。
電話: 022-236-2311
メール:dental@ml.shibataintech.co.jp  

クリックで、シバタインテック社のHPへ

 

 

「Blue Radical P-01」と「ペリミル」についての問い合わせは、Luke株式会社まで

Luke社は、「Blue Radical®︎」と「ペリミル」の開発・運営を行っています。

 


クリックでLuke株式会社のHPへ

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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