前畑 香先生：顎位・咬合平面の是正から考える金属床義歯とアタッチメント義歯
咬合平面の乱れや顎偏位、咬合高径の低下などの前処置をせず、“欠損歯列がそこにあるから欠損補綴治療を行う”と言う考えの下に部分床義歯製作を行っても、咀嚼障害、義歯床下粘膜および残存歯の疼痛や違和感、義歯破損などの術後トラブルが生じる可能性がある。術後トラブルを回避するため、”顎位と咬合平面の是正から咬合支持回復を目的とした金属床義歯やアタッチメント義歯”を解説する。

鈴木 宏樹先生：超高齢社会の義歯治療と口腔機能
近年、義歯を取り巻く環境は大きく変化してきている。その一つが患者の高齢化である。高齢患者の口腔機能は著しく低下している場合も多く、従来の考え方や手法で治療するだけでは不十分となる場合がある。特に義歯治療においては患者それぞれの口腔機能や全身状態を考慮し行う事が重要となるため、今回はそのポイントを症例やデモ提示し、超高齢社会に求められている義歯治療についての知見を深める場所としたい。

松丸 悠一先生：複製義歯臨床のテクニカルポイント
日常臨床において、患者はすでに義歯装着しており、その現状に悩みを抱えて来院する場合が多い。我々はその義歯をよく観察し、患者の悩みについて専門家として的確に説明、改善を行うことが求められる。そのアプローチとして、複製義歯を製作して問題点の解決を図ることは、術者患者ともに安心して治療を進めることができるメリットがある。今回は複製義歯を用いた私の臨床術式を供覧いただく。