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歯周-矯正治療 STOP&GO

歯周-矯正治療 STOP&GOの画像です
最近では、矯正歯科治療を求める成人の患者さんが増えてきている。成人では歯周病に罹患していることが多く、矯正歯科治療前に歯肉縁上・縁下のプラークコントロールや歯周外科治療によって口腔内の感染のコントロールを行っておく必要がある。成人矯正を1歩間違えると、歯肉退縮やブラックトライアングルを作ってしまい、取り返しのつかない状況に追い込まれる。そこで成人矯正を成功に導くための歯周-矯正治療の治療指針を明示していただいた。
Chapter 1 こんな結果にはしたくない

1 こんな結果にしないために
保田好隆/伊藤公一

成人矯正を成功させるために
 可能性1/きれいに上下顎前歯が配列したにもかかわらず,ブラックトライアングルが出現
 可能性2/歯肉退縮を起こし,唇側の歯槽骨が一部なくなってしまう
 可能性3/歯並びはきれいになったものの,歯槽骨の喪失によって歯を保存できなくなる
 望ましい対処法
間違った治療法を選択すると大変

Chapter 2 成人矯正治療の流れ

1 初診から歯周‐矯正治療完了までの流れ
保田好隆

Chapter 3 歯周組織の基本

1 歯周組織を理解する
伊藤公一

歯周組織とは
歯肉 
 辺縁歯肉
 歯間歯肉
 付着歯肉
セメント質
歯根膜
歯槽骨

Chapter 4 患者の希望をかなえるために

1 歯周治療の視点
伊藤公一

歯周治療を適切に行うために
歯周組織検査
 歯周組織の検査項目
   プロービングポケットデプス / プロービング時の出血
   アタッチメントレベル / 歯槽骨吸収の有無と型 / 根分岐部病変
 細菌因子の検査
   プラークコントロールレコード / 歯周病原細菌検査
   歯周病原細菌に対する血清抗体価検査
 咬合因子の検査
   歯の動揺度 / ブラキシズム
 その他の検査
   歯周病の発症と進行に関わる全身疾患の有無 / 喫煙の有無
   ストレスの有無
診断
 細菌因子によるもの
   プラーク性歯肉炎 / 慢性歯周炎 / 侵襲性歯周炎
 咬合によるもの
 その他のリスクファクターによるもの
   口腔以外の疾患が関連した歯周炎 / 遺伝疾患に伴う歯周炎
   喫煙関連歯周炎 / その他のリスクファクターが関連する歯周炎
予後判定と症例分析
 予後判定
 症例分析
歯周治療計画
 歯周基本治療(原因除去療法)
 歯周基本治療後の再評価検査
 歯周外科治療
 歯周外科治療後の再評価検査(部分的再評価)
 口腔機能回復治療
 口腔機能回復治療後の再評価検査
 メインテナンスとサポーティブペリオドンタルセラピー
 参考症例(岩野義弘)

2 矯正歯科治療の視点
八木孝和/友成 博/小山勲男/宮脇正一

歯科矯正学的検査・咬合検査
 医療面接
   主訴と現病歴 / 既往歴
 社会行動学的検査
 臨床検査
   顔貌検査 / 咬合採得時の早期接触の検査 / 顎関節検査
   その他の検査
 形態検査
   顔面,口腔内写真 / 咬合模型
 エックス線写真
   デンタルエックス線写真とパノラマエックス線写真
   頭部エックス線規格写真(セファログラム) / 顎関節部エックス線写真
   その他の画像検査
 機能検査
 心理検査
診断
矯正歯科治療計画
予後判定

3 患者の視点
伊藤公一/保田好隆/保田好秀

インフォームドコンセントと矯正歯科治療
 矯正歯科治療の特殊性
   時間的要素 / 生物学的要素 / 社会的要素
   心理学・精神医学的要素
 オーラルケアの動機づけ
インフォームドコンセントと歯周治療
ホームケアと矯正歯科治療
 エッジワイズ装置とホームケア
   歯ブラシを使用する場合
   電動歯ブラシや音波振動歯ブラシを使用する場合 / 歯間ブラシの使用
   デンタルフロスの使用 / 歯磨剤や洗口剤 / 喫煙について
ホームケアと歯周治療

Chapter 5 Stopサインの症例

1 矯正歯科治療を行うべきでない症例
保田好隆

成人に対する矯正歯科治療の禁忌症例
 歯周病や炎症のコントロールができない場合
 矯正歯科治療だけでなく補綴治療も必要なのに,必要性を理解してくれない
 歯を動かすことで,歯を失う可能性が高い場合
 固定源がない場合,あるいは人工的な固定源の確立もできない場合
 患者の妥協が得られない場合
 適応できない治療方法をするよう主張する場合
 治療結果に対して過大な期待をしている場合
 矯正歯科治療を行う必要がないと判断された場合
 糖尿病やリウマチといった全身疾患があり,歯の移動を行うことが望ましくない場合

2 矯正歯科治療を中断する症例
保田好隆

サインを見逃さない
 歯肉の発赤,腫脹
 歯肉から歯根が触れる
 歯肉の退縮,歯根露出
 生理的動揺を超える歯の動揺
 痛覚や温度感覚の異常
 顎位の変化
 アンキローシスが原因で歯が動かない場合
 顎関節様症状
 無髄歯根尖部の急性の炎症
 全身疾患の発症により投薬治療を受けているとの申し出があった場合

3 専門医や大学付属機関への紹介
保田好隆

専門開業している医院や大学付属機関などへ紹介すべき症例

Chapter 6 Goサインで治療開始

歯周治療の開始
1 歯周基本治療
弘岡秀明

歯周病の治療
歯周基本治療とは
患者への情報提供(モチベーション)
 モチベーション
   1st step / 2nd step / 3rd step
 口腔衛生指導
   歯ブラシとブラッシング法
 プラークリテンションファクターの除去
 スケーリング・ルートプレーニング
 ときにexploratory surgery,抜歯それに伴うスプリントと暫間補綴
 咬合調整

2 再評価検査1
弘岡秀明

再評価のための検査

3 歯周外科治療
弘岡秀明

歯周外科治療の目的
歯周外科治療の適応基準
 ポケット底からの出血
 患者の協力度を測る指数
 臨床的ポケットの深さ
歯周外科術式
 歯肉切除術
 根尖側移動術
 ウィドマン改良フラップ手術
歯周外科手術と非外科的処置との臨床的比較
 ウィドマン改良フラップ手術+エムドゲイン®療法の症例
根分岐部病変への対応

4 再評価検査2
弘岡秀明

再評価2(歯周基本治療,歯周外科治療後)
矯正歯科治療開始
歯周組織再生誘導法 
エナメルマトリックスタンパク質を応用した歯周組織再生療法

矯正歯科治療の開始
5 矯正装置の装着における配慮
保田好隆

歯の支持組織量の喪失と回転モーメント

6 エッジワイズ装置装着中の配慮
保田好隆

治療中に配慮するところ

7 保定中の配慮
保田好隆

動的期間と同じくらい保定期間が必要

Chapter 7 歯周‐矯正治療のコラボレーション

1 歯肉縁上プラークコントロール
吉田拓志/内田剛也

成人矯正と歯周治療
歯肉縁上プラークコントロールの意義
矯正歯科治療前の歯肉縁上プラークコントロールの実際
矯正歯科治療中,後のプラークコントロールの実際
サポーティブペリオドンタルセラピーとメインテナンス

2 歯肉縁下プラークコントロール
内田剛也/吉田拓志

歯肉縁下プラークの除去
SRPと歯周基本治療の重要性
 炎症のコントロール
 安定した咬合の付与
   歯周基本治療における咬合性外傷への対応
   悪習癖への対応としてのMFT
SRPでの歯石の取り残し
矯正歯科治療前処置としての歯周外科治療

3 急性症状への対応
伊藤公一

矯正歯科治療前および治療中の炎症のコントロールの重要性

4 矯正用マイクロインプラント
高橋正光

矯正用マイクロインプラントと植立部位周囲組織への配慮
上顎頬側歯根間歯槽骨への植立
上顎口蓋側歯根間歯槽骨
下顎頬側歯根間歯槽骨
前鼻棘
レトロモラー部

5 矯正的挺出法
伊藤公一

定義 
目的 
適応症
歯‐歯周組織‐修復物・補綴物の関係
矯正的挺出法の理論と種類

6 歯の長期保存のために
内田剛也/保田好隆

歯周治療における矯正歯科治療の活用
 歯の病的移動を伴う歯周炎患者の歯列・咬合の改善
 歯列不正の改善と歯肉・歯槽骨の変化
 ブラックトライアングルへの対応としての歯肉歯槽粘膜療法
 矯正歯科治療による歯周組織のリモデリング
 歯周炎患者のブラケットポジション

Chapter 8 思いがけない結果がでたら

1 歯肉が下がった
伊藤公一

矯正歯科治療と歯肉退縮
露出歯根面被覆

2 う蝕ができた
伊藤公一/植原俊雄

矯正装置とプラークコントロール
う蝕に対する対処法

3 顎関節症が起きた
保田好隆/谷山隆一郎

顎関節症を持っている成人患者と矯正歯科治療

4 後戻りが起きた
保田好隆

後戻りへの対策

5 その他
伊藤公一/保田好隆

歯周病が悪化したとき
歯根吸収を起こしたとき
歯根破折や根面う蝕が起きたとき

Chapter 9 歯周‐矯正治療が成功するとQOLが向上する

1 歯周病専門医の立場から
弘岡秀明

2 矯正歯科医の立場から
保田好隆

索引

歯周-矯正治療 STOP&GO

  • 著者

    伊藤 公一
    保田 好隆

  • 出版社

    クインテッセンス出版

  • ページ

    212ページ

  • サイズ

    A4判

  • ISBN

    978-4781202440

  • 価格

    13,200円(税込)

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