外科用超音波骨切削器としてのバリオサージは、従来法の回転切削器に比べてからだの負担が少なく、しかも安全・確実に治療ができる特徴をもつ。本器は、骨切りや抜歯、インプラント除去に至るまで応用範囲が広い。初心者にもわかりやすく械器に関するQ&A、臨床応用では手術ごとの留意点とともに適したチップを明示している。見開きで用途別チップ一覧表を掲載し、明日からの臨床に即役立つ便利な誌面構成となっている。
Introduction
超音波装置バリオサージの特長と構造

超音波装置バリオサージの特長
　患者にとってのメリット
　術者にとってのメリット

コントロールユニット本体
　治療モード
　S (サージモード/外科モード)
　E (エンドモード/歯内療法モード)
　P (ペリオモード/歯周治療モード)
　オートクリーニングモード
　注水量

ハンドピースとハンドピースコード
フットコントロール
各種チップ

PART 1　知っておきたい超音波装置バリオサージの基礎知識

はじめに
超音波装置って何?
どんなことができるの?
どうして切れるの?
先端のチップはどのように動いているの?
院内でどのくらいのスペースが必要なの?
どこに置くといいの?
どんな処置ができるの?
使用方法は簡単なの?

使用にあたって注意することは?
　使用上の注意点
　チップ交換時期の目安

やってはいけないことってあるの?
　禁忌事項

使いこなすコツはあるの?　
　使いこなすポイント

骨切断面に違いはあるの?
出血が少ないように感じられるのはなぜ?
ハンドピースの使い方

購入にあたってどんな点に注意したらいいの?
　購入にあたっての選定ポイント

各社のチップに互換性はあるの?
チップの種類にはどんな形があるの,またその使い分けは?

PART 2　超音波装置バリオサージの臨床応用

上顎洞底骨移植術とインプラントの埋入
保存不可能なの抜歯と同部位へのインプラント即時埋入
肉芽掻爬
破折したインプラントの除去
埋入方向が不適当なインプラントの除去

インプラント埋入床の形成/歯槽骨の平坦化
　粘膜骨膜弁の剥離と排除・固定方法

口蓋隆起の除去と上顎洞底骨移植とインプラント

上顎洞底骨移植術
　上顎洞側壁の開窓
　上顎洞底骨移植術のための骨の採取法　

オトガイ部からの骨の採取方法

下顎枝からのブロック骨採取/智歯抜歯あり
　自家骨採取と同時に埋伏智歯抜歯を行う場合
　SG2L/Rチップ, SG14L/Rチップの使い分けのポイント

下顎枝からブロック骨を採取し上顎前歯部にベニアグラフト

〈比較参考症例〉(回転切削器を用いた症例)
上顎左側犬歯部ベニアグラフトとインプラント
　自家骨の採取場所

スプリットクレストとオーバーデンチャー
　治療計画

上顎前歯部のスプリットクレストと上顎洞底骨移植術
腐骨の除去/ビスフォスフォネート骨壊死
下歯槽神経移動術後のインプラント埋入　
Le Fort I 型骨切り術　
上顎臼歯部のインプラント補綴後のメインテナンス
下顎前歯部のインプラント補綴後のメインテナンス

PART 3　超音波装置バリオサージによるチップの動き方─高速度カメラによる観察─

高速度カメラによる観察
　目的
　超音波振動の発生原理
　撮影状態および条件
　空気中での振動の様子
　負荷をかけたときの振動の様子
　水中でのキャビテーションの発生について