1982年にNymanが組織再生誘導法（GTR法）による歯周組織の再生療法を開発し、そのコンセプトは骨再生誘導法（GBR法）に応用されました。その後、歯周組織再生療法は、1997年にエナメルマトリックスデリバティブ（EMD）を用いた、新たな治療法へと進化しています。
再生療法は確立された予知性のある治療法ですが、豊富な知識と高度なテクニックを求められるアドバンスな治療です。症例選択と術式の決定を誤ると、すなわち知識に裏打ちされた決定がなされなかったり、適切な症例選択が行われても術者のスキルが伴わなければ術後の再生量が少なくなったり、最悪の場合、全く再生が生じないという結果につながります。
一言で適切な症例と術式の選択とスキルの向上と言っても、どちらも簡単に身につくものではありません。そこで今回は、症例選択に関して注意すべき点を端的に解説し、実際の術式に比重を置いた講演といたしました。今回の講演が、先生方の臨床におけるスキルアップにつながれば幸いです。