我が国はこれまで経験したことのない超高齢社会に突入すると予想されます。実際、診療所に来院される患者さんの高齢化が確実に進んでいます。そして高齢化に伴い、多くの患者さんは複数の基礎疾患を有し多剤を服用、口腔乾燥や全顎にわたる歯肉の炎症、根面カリエスの問題を抱えています。
この方々が通院できなくなったら、どのような口腔環境に変化していくのだろうかと本当に心配になってしまいます。本講演では、40余年にわたる歯科訪問診療の経験から、誤嚥性肺炎予防をはじめ超高齢社会における歯科のミッションと未来について私見を交えてお話したいと思います。