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ミュータンスレンサ球菌の臨床生物学

ミュータンスレンサ球菌の臨床生物学の画像です
本書は、1997年に基礎研究者向けに今日のう蝕細菌、なかでも最もう蝕誘発能が高いとされるミュータンスレンサ球菌に関する研究をまとめた『う蝕細菌の分子生物学 研究の成果と展望』の姉妹編である。本書は、臨床データを取り入れ、臨床家向けにその除菌療法(3DS)と感染防止の実際を、う蝕予防に誠実に取り組む臨床家の具体的な指針となるようまとめ解説している。
第1部 バイオフィルム
第1章 生体のバイオフィルム
 はじめに
 1.バイオフィルムの概念
  [1]自然界のバイオフィルム
  [2]感染症の原因としての細菌バイオフィルム
 2.細菌バイオフィルムの生物学的意義
  [1]バイオフィルムの構造
  [2]菌の付着とバイオフィルムの生成
  [3]クォーラムセンシング(quorumsensing)機構
 3.バイオフィルム感染症の臨床像とその特徴(総論)
  [1]難治性感染症としての位置付け
  [2]院内感染症としての位置付け
  [3]耐性菌感染症としての位置付け
 4.バイオフィルム感染症の診断(総論)
 5.バイオフィルム感染症の治療法(総論)
 6.医学領域における重要なバイオフィルム感染症(各論)
  [1]呼吸器感染症
  [2]感染症心内膜炎
  [3]尿路感染症
 7.口腔バイオフィルムが関与する重要な全身性疾患
  [1]循環器系疾患
  [2]誤嚥性肺炎
 おわり
  [1]細菌によるバイオフィルム感染症は克服できるか
  [2]ばぜバイオフィルム感染症は制圧しなければならないのか
  [3]今後の展望

第2章 歯面のバイオフィルム
 はじめに
 1.歯面上に口腔バイオフィルムが形成される過程
  [1]歯萌出直後の歯面
  [2]歯面のペリクル被覆
  [3]初期歯面バイオフィルム
  [4]ミュータンスレンサ球菌の付着・増殖
  [5]歯面バイオフィルム細菌叢の増殖
  [6]歯面バイオフィルムの成熟
  [7]バイオフィルム下エナメル質歯面の初期う蝕
 2.歯面バイオフィルム内細菌叢の特異な生態
  [1]環境ストレスに応じた遺伝子発現・代謝制御
  [2]細菌間の遺伝子伝達による変異率の向上
  [3]歯面バイオフィルムの宿主免疫系や抗生物質、抗菌剤に対する耐性
 おわりに

第2部 バイオフィルムの除去技術
第1章 バイオフィルムの検出技術
 はじめに
 1.プラーク染色のメカニズム
 2.各種プラーク染色剤の感度
 3.各種プラーク染色剤の感度(臨床例)
 まとめ

第2章 バイオフィルムの物理的駆除技術
 はじめに
 1.う蝕予防におけるPMTCの位置付け
 2.う蝕はバイオフィルム感染症
 3.PMTCのステップと器材
  [1]研磨ペースト
  [2]PMTCツール
  [3]歯面・歯周ポケット内の洗浄
  [4]フッ化物塗布
 4.その他の口腔ケアの手法
 5.う蝕予防におけるPMTCのポイント
 おわりに

第3部 ミュータンスレンサ球菌の検出技術
第1章 バイオフィルムの検出技術
 はじめに
 1.ミュータンスレンサ球菌とう蝕
  [1]ミュータンスレンサ球菌の分類と性状
  [2]ミュータンスレンサ球菌種の分布とう蝕発症との相関
 2.ミュータンスレンサ球菌の分離
  [1]試料の採取
  [2]試料の保存と輸送
  [3]分散と希釈
  [4]分離用培地
  [5]塗抹と培養
 3.ミュータンスレンサ球菌種の同定
  [1]コロニー形態による同定
  [2]非典型コロニーの同定
 おわりに

第2章 ミュータンスレンサ球菌選択培地の改良と新検査システムの確立
 はじめに
 1.MSB培地上に発育したコロニーの同定
 2.改良MSB培地の作製
 3.S.mutansと他のレンサ球菌に対する各種抗生物質のMIC測定
 4.臨床検体からのミュータンスレンサ球菌の分離
 5.測定システムの開発
  [1]使用培地
  [2]嫌気培養の採用
  [3]検体希釈の実施
  [4]スパイラル装置とコロニーカウンターの使用
 6.測定方法概略
 おわりに

第3章 改良MSB培地を用いたう蝕疫学調査
 はじめに
 1.改良MSB培地を用いて行こう疫学調査
  [1]採取する時間帯
  [2]検体
  [3]希釈・接種
  [4]培養・カウント
  [5]菌数の計算
 2.刺激唾液を試料とした疫学調査の例
  [1]被験者および方法
  [2]MSB培地と改良MSB培地の菌数比較
  [3]刺激唾液中の菌数
  [4]う蝕経験に影響を及ぼす要因の検討

第4章 改良培地と新検査システムの臨床応用
 はじめに
 1.改良培地の開発
 2.対象および方法
 3.ラボからの結果報告(コロニー形態による判定)
 4.患者への報告
 5.保存菌株の同定
 6.臨床応用の展望

第4部 う蝕リスク診断の動向
第1章 う蝕リスクの臨床的評価方法
 はじめに
 1.う蝕リスク評価方法の予測性
 2.う蝕リスク評価項目
  [1]疫学的パラメータ(萌出後菌芽年齢、過去のう蝕経験)
  [2]再石灰化能
  [3]プラーク顕示
  [4]う蝕細菌のレベル
  [5]唾液の分泌速度の緩衝能
  [6]歯面研磨と超音波による歯面清掃
 3.う蝕リスクのある歯面の特定方法
 4.う蝕リスクの臨床症例
 まとめ

第2章 う窩形成前う蝕病変の診断と治療-一般歯科診療所における例-
 はじめに
 1.う蝕に関するリスク因子の診断方法
 2.リスク因子の評価方法およびその妥協性
  [1]メインテナンス期間における新規う蝕の発生に対する解析
  [2]小児のメインテナンス患者における定期管理の重要性
 3.う窩形成前う蝕病変の診断結果に基づく治療方法
  [1]ミュータンスレンサ球菌ハイリスク者への対応
  [2]乳酸桿ハイリスク者への対応
  [3]唾液分泌量と唾液緩衝能ハイリスク者に対する対応
  [4]食生活指導
  [5]フッ化物の使用の有無
  [6]萌出直後の臼歯部咬合面裂溝への対応
  [7]唾液の流れと関連したハイリスク部位への対応
  [8]DIAGNOdentによるう蝕診断の結果に応じた処置
 4.トータルリスクについての考え方
 5.著者らの診療所におけるリスク因子に対する対応
  [1]トータルリスクの調査とその評価の分析
  [2]12歳におけるう蝕の管理状況
  [3]症例:カリエスフリーを目指した長期経過観察
  [4]まとめ
 おわりに

第5部 ミュータンスレンサ球菌の除菌技術
第1章 現在使用可能な技術
 はじめに
 1.Dental Drag Delivery System(3DS)
 2.3DSの除菌学
  [1]口腔細菌叢とミュータンスレンサ球菌
  [2]細菌学的コントロール機序
 3.除菌外来での3DSの実施
  [1]3DSに先行するバイオフィルムの物理的除去
  [2]3DSに応用される使用薬剤
  [3]3DSの臨床結果と除菌外来での実施プロトコール
 4.海外での3DS
 おわりに

第2章 今後期待される技術
 はじめに
 1.3DSで期待される薬剤
  [1]モノクローナル抗体
  [2]キトサン
  [3]ヒドロキシアパタイト
  [4]ディフェンシン
 2.3DS以外の除菌技術
  [1]電解酸性水
  [2]レーザー
  [3]抗菌性モノマー
  [4]ワクチン

第6部 現在のう蝕予防
第1章 ミュータンスレンサ球菌の感染防止と除菌によるう蝕予防
 はじめに
 1.病原体の感染経路
 2.母子感染
 3.ミュータンスレンサ球菌球菌の感染
  [1]乳幼児期の感染
  [2]乳幼児期の口腔レンサ球菌の分布
  [3]歯の萌出後における口腔レンサ球菌の感染
  [4]年齢の推移におけるミュータンスレンサ球菌の変化
 4.ミュータンスレンサ球菌の感染予防
 5.ミュータンスレンサ球菌の除菌
  [1]クロルヘキシンジン
  [2]PMTC
  [3]抗体
  [4]Dental Drug Delivery

第2章 食品によるう蝕予防
 はじめに
 1.スクロースとう蝕の基礎医学的、疫学的検証
  [1]動物実験による基礎医学的手法
  [2]疫学的手法
  [3]基礎医学的、疫学的研究からの結論
 2.代用甘味料
  [1]各種の代用甘味料
  [2]代用甘味料の機能性
  [3]糖アルコールとう蝕予防
  [4]再石灰化促進物質
 3.機能性食品
  [1]食品における3つの機能
  [2]機能性食品の開発推進

第3章 歯質の修復、強化によるう蝕予防
 はじめに
 1.フッ化物の応用法
 2.歯科臨床でのフッ化物応用
  [1]フッ化物配合歯磨剤
  [2]フッ化物含有洗口剤の利用指導
  [3]フッ化物歯面塗布剤
  [4]イオン導入法
  [5]フッ化物とレーザーの併用
 3.う蝕歯に対する修復法
  [1]診断法
  [2]修復処置法
 4.う蝕発生と予防と疫学モデル
  [1]プラークの疫学
  [2]フッ化洗口法によるう蝕予防の疫学モデル

第4章 う蝕予防による経済効果
 はじめに
 1.保険医療の経済評価が必要な理由
 2.保険医療における経済表かに必要な概念と方法
  [1]保険医療の経済評価に必要な概念(機会費用、限界)
  [2]経済評価の方法
 3.歯科保険医療における経済評価の現状
  [1]世界の状況
  [2]国内の状況
 4.歯科医業との関連
  [1]う蝕治療のニーズ量について
  [2]医師誘発需要について
  [3]診断室における予防について

第7部 う蝕予防のマニュアル化
第1章 う蝕予防マニュアルの世界的動向
 はじめに
 1.インターネットを使った情報検索
  [1]辞書サービス
  [2]有用性の高い情報検索
  [3]系統的な情報検索
 2.情報の統合化
  [1]ガイドライン
  [2]Systematic Review
  [3]日本における学校歯科保険指導要綱
 3.政府、公的機関が公開しているインターネット上の情報
  [1]NHSサイト
  [2]Cariologyサイト
  [3]IHCFサイト
  [4]NIHカンファレンス
  [5]WHOサイト
 4.医療保険

第2章 う蝕予防の国内における動向
 はじめに
 1.う蝕有病状況の推移について
  [1]う蝕有病状況の推移
  [2]う蝕有病状況の変化に影響したと考えられる要因
 2.国内で実施されているう蝕予防とその評価について
  [1]う蝕予防対策の種類
  [2]有用性を評価するポイントについて
 3.各種う蝕予防対
策の評価
  [1]フッ化物洗口
  [2]フッ化物歯面塗布
  [3]フッ化物配合歯磨剤
  [4]フッ化物溶液によるブラッシング
  [5]学校におけるブラッシング(から磨き)
  [6]シーラント
  [7]フッ化ジアンミン銀の塗布
  [8]健康教育
 4.推奨できるう蝕予防対策と今後の展望
  [1]推奨できるう蝕予防対策
  [2]健康日本21の目標値を達成するために必要なこと
  [3]う蝕予防対策推進のための基盤づくりについて
 付録
  [1]水道フッ化物添加
  [2]う蝕活動性試験

う蝕予防臨床マニュアル
 1.3DSの目的と歯科臨床上の意義
  [1]3DSの意義
  [2]3DSによる除菌療法の目的と概要
  [3]3DSによる除菌療法の対象者
 2.除菌療法導入のための前準備
  [1]受診者へのインフォメーション
  [2]受診者への資料作り
  [3]受診者に伝えておきたい情報
  [4]料金体系の設定
  [5]院内での担当者・業務範囲・トレーニング
  [6]検査会社との契約
 3.除菌療法前のリスク診断
  [1]う蝕のリスク診断
  [2]う蝕のリスク検査の手順
 4.リスク診断に基づいた治療計画の立案
  [1]カリエス検査報告書の見方
  [2]予防計画の立案
  [3]受診者への報告、説明の仕方
 5.3DSによる除菌療法の実際
 6.除菌療法の効果判定・経過観察
 おわりに

監修者
編集者一覧

ミュータンスレンサ球菌の臨床生物学

臨床家のためのマニュアル
  • 著者

    花田 信弘
    今井 奨
    西沢 俊樹
    福島 和雄
    武笠 英彦

  • 出版社

    クインテッセンス出版

  • ページ

    308ページ

  • サイズ

    B5判

  • ISBN

    978-4874177716

  • 価格

    15,180円(税込)

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