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困った患者さんにどう活かす 診療室の行動科学 ―親子へのアプローチ編―

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歯科臨床における保健指導は治療の成果に直結するものであり、近年、患者のモチベーション向上を中心とした指導が積極的に行われるようになっている。本書は、小児とその親に対して読者がよく経験するような保健指導の場面(個別の事例)を入り口に、実際の患者の対応に役立つ行動科学について、個別性から一般性・普遍性を学ぶ構成とすることで、わかりやすく理解・習得・実践できる入門書として工夫した。歯科関係者必読の一冊。
本書の見方・活かし方(深井穫博) 

第1章 “おやつを欲しがって”“仕上げみがきが大変!”
生活習慣を育むモチベーションどう高める?

事例1:保健指導を「聞いているようで聞いていない」親子の行動がなぜ改善したか(松岡順子,荒井郷子,深井穫博)
事例2:発達段階に応じた歯みがき習慣定着のための母子一体のアプローチ
-メディアを利用して(平出吉範)
事例3:母親を通して祖父母へのアプローチを取り入れた間食指導(荒井郷子,松岡順子,深井穫博)
行動科学の目
保健指導における動機づけ理論の展開
~動機づけ理論に基づいたアプローチ~(深井穫博)

第2章 “甘いもの大~好き!”“歯みがきは子ども任せ”
家族の生活背景・生活習慣にどう迫る?

事例1:初診時の面接で聴くこと“はじめまして,あなたのことを聴かせてください”(星岡賢範)
事例2:リスクをどう診断するか -生活モデルからのアプローチ(沼口千佳,星岡賢範)
事例3:解決すべき課題を決め,どう共有するか
-患児・保護者との共有化のプロセス(藤田孝一)
行動科学の目
患者を包括的に診断し,良好な関係を創るために
~MIDORIモデルを利用した患者へのアプローチ~(中村譲治)

第3章 “歯医者なんてイヤ!”“コワイ……”
歯科不安・歯科恐怖症児への対応は?

事例1:“母親が恐怖心をあおっていた!”不安の強い子どもへの母子一体のアプローチ(大野秀夫)
事例2:“頑固に指しゃぶりをやめないのはなぜ?” 家庭環境に起因する不安を抱えた子どもへの対応(大野秀夫)
事例3:歯列不正を気にする情緒不安定児への対応 -精神医学的アプローチと行動療法を利用して(大野秀夫)
行動科学の目
歯科治療に対する不安・恐怖と認知行動療法
~認知行動理論に基づいたアプローチ~(深井穫博)

第4章 “どうしてむし歯に…”“ちゃんと治療してるの!”
心配性の親とどうかかわる?

事例1:“ぶっきらぼうないい方が… 何かありそう!”歯科不信で治療方針への理解が得られない親への対応(福原 稔)
事例2:子どものう蝕が心配で!不安で!仕方がない親へのアプローチ(津田 真)
事例3:“落ち込まないでお母さん” 親の期待した成果が得られなかったときの対応(森岡 敦)
行動科学の目
親の期待・不安への接し方・かかわり方
~ヘルス・ビリーフ・モデルによるアプローチ~(文元基宝)

第5章 “面倒くさい,早く終えて”“お任せします…”
無関心・無反応な親とどうかかわる?

事例1:“頭ごなしに叱るばかり”子どもにすべてお任せで,口腔内状態が悪化していく場合の対応(松岡順子,荒井郷子,深井穫博)
事例2:治療への関心度が低い親へのアプローチ -中断から学ぶ再来院時の対応(箱崎達司)
事例3:“母親は否定するけれど,来院のたびに傷が増え…” 虐待が疑われる親へのアプローチ(大野秀夫)
行動科学の目
自己効力感を高める保健指導の重要性
~社会的認知理論(社会的学習理論)に基づいたアプローチ~(深井穫博)

第6章 “なかなか続かなくて…”
セルフケアが定着しない子への対応は?

事例1:子ども(小学校・低学年)の歯みがきをどう習慣づけるか 
-保護者へのアプローチ(小石 剛)
事例2:子ども(小学校・高学年)の歯みがきをどう習慣づけるか 
-モデリングとセルフ・モニタリングによるアプローチ(福原早紀)
事例3:フッ化物洗口の「関心がない」親と「続かない」子どもへのアプローチ(大橋正和)
行動科学の目
本人の「気づき」を促し,モチベーションを保つ工夫と方策
~段階的変化モデル(ステージモデル)によるアプローチ~(文元基宝)

第7章 “何かと忙しくて……”“もう行きたくない!”
来院が途絶えがちな思春期の子の対応は?

事例1:中学生になったら「定期健診なんか行きたくない」といい出した,さあどうする?(柏木伸一郎,岩男好恵)
事例2:いきなり口をきかなくなった反抗期まっただなかの中学生,さあどうする?(沼口千佳)
事例3:“来院が途絶えた後,急にう蝕が増えて再来院!” 塾や部活で多忙な思春期の子どもへのアプローチ(西本美惠子)
行動科学の目
子どもから大人へと脱皮を図る思春期の患者への対応
~自己決定理論を中心とした患者へのアプローチ~(中村譲治)
●索 引

困った患者さんにどう活かす 診療室の行動科学 ―親子へのアプローチ編―

  • 著者

    文元 基宝
    深井 穫博
    中村 譲治

  • 出版社

    クインテッセンス出版

  • ページ

    128ページ

  • サイズ

    A4判変型

  • ISBN

    978-4781200231

  • 価格

    7,150円(税込)

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