IOSを導入しても1日に数回程度しか使わず、オブジェ化しているクリニックはないだろうか?当院では診療のあらゆる場面でIOSを使用しており、補綴治療はもちろんのこと、説明用スタディモデ ルとしての活用やさまざまな診断、デジタルカウンセリング、歯科衛生士によるデジタル口腔衛生指導(OHI) や患者のモチベーション向上、メインテナンスでの長期経過観察患者への応用など、ほぼすべての臨床場面で活用しており、DH同士でIOSの取り合いが起こるほどである。筆者が考える現代のIOSの位置づけとして、ただ補綴装置を製作する目的だけの機械ではなく、「すべてのスタッフが全患者で気軽にすべての場面で使う時代であり、それが患者・術者双方のメリット」になると感じている。このような IOSの最大活用を行うためには、 IOSの機種選択とその運用方法のポイントであるが、今回は歯科医師、歯科衛生士による目線から解説していきたい。