近年、ミドルエイジ(40〜50代)患者の矯正治療が増えてきている。これには、日本の人口マス層が40代後半であること、口腔ケア意識の向上により喪失歯が減少してきたこと、審美面でアンチエイジングの意識が高まっていることなどが要因として考えられる。このようなケースでは、ブラケット装置が装着できない補綴歯があったり、IPRを併用した非抜歯治療方針を多用することも多く、さらに患者の審美装置の使用希望からアライナー装置が向いていることがある。しかし、若年者の矯正治療とは目指すゴールも異なってくるため、気をつけなくてはならないポイントがいくつかある。そこで、今回はミドルエイジ患者のアライナー矯正治療の適応症と治療計画について説明する。