本書は、既存の解剖書と大きく違う。それは、インプラントに関連する外科手術を前提とした解剖書というところである。顎顔面領域を網羅しているが、特に上顎臼歯部は上顎洞と大口蓋動脈・神経、上顎前歯部は上顎切歯孔と切歯管、下顎臼歯部は下顎管と下歯槽神経、そして下顎前歯部はオトガイ孔/神経と舌下動脈など術者がもっとも知りたい部分を断層画像付きで詳述している。口腔底の出血など緊急事態の対処法なども必見である。
献辞 viii
寄稿者 x
序文 xi
謝辞 xii
[1] 上下顎の動脈、静脈、神経支配 1
外頸動脈 2
顎動脈 4
翼口蓋窩 6
頭部の静脈 12
三叉神経 14
[2] 表情筋と咀嚼筋 21
表情筋 22
咀嚼筋 28
[3] 上顎臼歯部 35
大口蓋孔および小口蓋孔 36
大口蓋動脈および大口蓋神経 38
上顎洞 42
頬脂肪体 80
不十分な骨構造をもつ上顎臼歯部 90
[4] 上顎前歯部 97
鼻腔 98
眼窩下孔 112
上顎切歯孔と切歯管 114
不十分な骨構造をもつ上顎前歯部 118
下顎臼歯部 125
下顎枝 126
舌神経 138
下顎管/下歯槽神経 144
顎下腺窩 147
不十分な骨構造をもつ下顎臼歯部 152
不十分な骨構造をもつ下顎歯槽骨への臨床対応 153
[6] 下顎前歯部 169
オトガイ孔/神経およびアンテリアループ 170
下顎切歯管 178
下顎副舌側孔 184
下顎前方からのブロック骨採取 192
不十分な骨構造をもつ下顎前歯部 193
[7] 骨密度と隣在歯 203
骨密度 204
隣在歯/歯根 210
結論 212
[8] 手術時の緊急事態の解剖 215
創部の出血 216
口腔底の出血 222
輪状甲状靱帯切開 228
[9] 上下顎の局所解剖 233
[10] 静脈内穿刺 239
全身循環の解剖 240
上肢の動静脈 243
静脈生理学 248