インプラントオーバーデンチャー（IOD）は“すぐに壊れる” “リペアの頻度が高い”というイメージがある。そのため、ランニングコストがかかり、患者にもなかなか満足してもらえないという結果に陥ることがしばしばである。そこで本書では、なぜIODが壊れ、どこが壊れるのか、そしてどうすれば壊れにくいものが作れるのかについて、世界中の最新データを基に、徹底的に検証した。近い未来を見据えた“超高齢社会”必携の書である。
1章
なぜインプラントのオーバーデンチャーは壊れるのか？

1章 1　解剖学的要因
　1-1-1　IODに影響する顎骨の質と量
　1-1-2　PAIを用いたIODにおける顎骨吸収量の変化
　1-1-3　IODにおけるケリーのコンビネーションシンドローム

1章 2　生物学的要因
　1-2-1　IODにおいて生じやすい軟組織の病変
　1-2-2　IODにおけるインプラント周囲炎の有病率
　1-2-3　IODにかかわるリスク因子

1章 3　補綴的要因
　1-3-1　IODの複雑さがもたらす合併症
　1-3-2　IODの補綴的合併症はアタッチメント別に考える
　1-3-3　IODアタッチメント別患者満足度

1章 4　力学的要因
　1-4-1　インプラント体辺縁骨への応力集中
　1-4-2　バー（メタルフレーム）の材質の違いによる応力の変化
　1-4-3　ボールアタッチメントの義歯床下における軟組織と応力
　1-4-4　インプラント周囲骨とアタッチメントのひずみ
　1-4-5　1章のまとめ

2章
インプラントオーバーデンチャーのどこが壊れるのか？

2章 1　インプラント体の壊れるところ
　2-1-1　インプラント体の喪失
　2-1-2　インプラント体の破折
　2-1-3　アバットメントスクリューの緩み

2章 2　アタッチメントの壊れるところ
　2-2-1　バーアタッチメントの合併症
　2-2-2　ボールアタッチメントの合併症
　2-2-3　磁性アタッチメントの合併症
　2-2-4　アタッチメントの維持力の比較

2章 3　義歯床、対合義歯の壊れるところ
　2-3-1　IODの破折
　2-3-2　IODの裏装
　2-3-3　対合補綴物のリペア
　2-3-4　アタッチメント別の合併症とその対策
　2-3-5　２章のまとめ

3章
リペアの少ないインプラントオーバーデンチャーとは？

3章 1　患者が満足するインプラントオーバーデンチャーとは？
　3-1-1　患者満足度からのIOD アタッチメントの再考
　3-1-2　初期費用とメインテナンス頻度からのIODアタッチメントの再考
　3-1-3　補綴的合併症がより少ないmilled バーアタッチメントIOD

3章 2　リペアの少ないインプラントオーバーデンチャーの作り方
　3-2-1　ソフトアタッチメントIOD とは？
　3-2-2　ソフトアタッチメントを用いたテレスコープクラウンの利点
　3-2-3　ソフトアタッチメント材料の物性
　3-2-4　ソフトアタッチメントの維持力
　3-2-5　バーソフトアタッチメントIODとは？
　3-2-6　バーソフトアタッチメントIODの維持力
　3-2-7　バーソフトアタッチメントIODの製作
　3-2-8　バーソフトアタッチメントIODの維持力の調整および修理
　3-2-9　バーソフトアタッチメントIODの臨床例

3章 3　リペアの少ないインプラントオーバーデンチャーのメインテナンス
　3-3-1　バーアタッチメントとボールアタッチメントの清掃性とインプラント周囲組織の比較
　3-3-2　バーソフトアタッチメントIOD のメインテナンス
　3-3-3　３章のまとめ

インプラントオーバーデンチャーのリペア防止のための参考文献集
インプラントオーバーデンチャーのリペア防止のためのキーワード