インプラントとアタッチメントを用いたオーバーデンチャーは、無歯顎症例に対する標準的な処置であると2002年のコンセンサスミーティングで提唱されている。しかし、補綴装置の長期的なメインテナンスには、義歯床のリラインや修理などコストがかかる場合がある。機械的な維持メカニズムによるアタッチメントを使用した場合には、変形や維持力の低下によってクリップやo-リングの交換がしばしば必要になる。本書で解説する磁性アタッチメントは、正しく設置されていれば経時的に磁力の変化がないので、頻繁に交換する必要がない。
Part1.理論的背景
■インプラントオーバーデンチャーへの磁性アタッチメント臨床応用の
　これまで
　A. Damien Walmsley
■インプラント用の新世代磁性アタッチメントの開発
　本蔵義信
■インプラントオーバーデンチャーのアタッチメント選択基準
　前田芳信
■緩圧タイプ(可動式)マグネット(クッションタイプ マグネット)
　Tak Wah Chow/Hoi Yan Wong


Part2.臨床への応用
[1.治療のコンセプトと満たすべき条件]
■インプラントの数と位置による分類に基づく治療のコンセプト
　前田芳信
■インプラント補綴における磁性アタッチメントの適応条件
　In-Ho Cho
■インプラントオーバーデンチャーの磁性アタッチメントの適応条件
　Sung-Bok Lee
■磁性アタッチメントを用いた
　インプラントオーバーデンチャーの基本的な治療法
　A. Damien Walmsley
[2.臨床例]
1.粘膜支持、インプラント維持の症例
(1)インプラントの症例
■上顎片側遊離端症例
　田中譲二
■下顎両側遊離端症例
　田中譲二
■下顎無歯顎症例
　Yung-Soo Kim

(2)インプラントが2本の症例
■下顎部分欠損症例
　田中譲二
■下顎無歯顎症例:
　フラットタイプからドームタイプへの変更例
　前田芳信/十河基文/堀坂充広


(3)インプラントが2本またはそれ以上の変法の例
■上顎無歯顎症例:バーアタッチメントから磁性アタッチメントに変更した症例
　A. Damien Walmsley
■下顎無歯顎症例
　A. Damien Walmsley
■下顎無歯顎症例:
　プレシジョンタイプ磁性アタッチメント使用例
　Chong Lin Chew
■下顎無歯顎症例:バータイプの磁性アタッチメントで即時荷重した
　コンプリートオーバーデンチャー
　友竹偉則/澁谷恵子/長尾大輔/市川哲雄
■下顎無歯顎症例:バーアタッチメントでの即時荷重
　Yung-Soo Kim
■下顎無歯顎症例:緩圧タイプマグネット
　Tak Wah Chow/Hoi Yan Wong
■無歯顎症例:アンカータイプアタッチメントを磁性アタッチメントに
　置き換えた症例
　Chong Lin Chew
■上顎部分欠損症例:バータイプ磁性アタッチメントの応用
　前田芳信/矢儀一智/松田信介


[2.インプラント支持、インプラント維持の症例]
■上顎前歯部部分欠損症例:
　バータイプ磁性アタッチメントによる早期荷重例
　友竹偉則/Hue Wei/Jianrong Chen/市川哲雄
■上・下顎部分欠損症例:遊離端義歯下の単独植立インプラント
　田中譲二
■下顎無歯顎症例
　十河基文/前田芳信/堀坂充広
■下顎無歯顎症例
　田中譲二
■下顎部分欠損から全顎欠損症例へ:
　ルートキーパータイプ磁性アタッチメントの応用
　Jau-Min Hong

　[3.顎顔面補綴症例への応用]
■鼻部・眼窩部欠損患者への顎顔面インプラントの応用
　John BeumerIII/Peter Moy/菅井敏郎
■口腔腫瘍患者への応用
　Chiris Butterworth


Part3.問題点と解決法ならびにQ&A
■リペア
　A. Damien Walmsley
■リライン
　A. Damien Walmsley
■磁石構造体の義歯床への位置づけと固定
　前田芳信
■キーパースクリューの緩み
　堀坂充広/前田芳信
■MRIについて
　村上秀明


付録
索引