インプラント治療の成功に欠かせない「骨造成（GBR）」。患者への侵襲や予後を考えると、「確実性の高い骨造成を無理なく行いたい」と誰もが願うものです。本書は「最小限の侵襲」と「リスクの少ない術式」で「想定したとおりの骨造成を成し遂げる」方法を詳細に解説しています。適応症の見分け方、外してはいけない術式のポイントなど、大きな写真と平易な文章で解説しています。

"はじめに

【Part 1　骨造成を成功させるための基礎知識】
Chapter 1　歯槽骨吸収にどう立ち向かうのか？
　１．インプラント治療では避けることができない問題、それは「抜歯後の歯槽骨吸収」
　２．抜歯窩への骨再生誘導法（GBR）がインプラント治療を救う？

Chapter 2　骨造成のキホン
　１．本書における骨造成の位置づけ
　　　　▶こんな症例にこそ骨造成を応用しよう！
　２．骨造成の術式

Chapter 3　成功のために必ず実践すべき「術前処置」
　１．歯周基本治療で可及的に口腔内細菌を減少させる
　２．禁煙支援で創傷治癒しやすい環境を整える
　３．エックス線写真検査で骨造成する部位を精査する

Chapter 4　骨造成が期待できる症例を知る
　１．槽間中隔が残っている３壁性骨欠損以上の症例
　　　　　▶こんな骨欠損は成功しやすい！
　２．初心者であれば第一小臼歯から第一大臼歯までが無難
　３．舌側（口蓋側）の歯槽骨が残っている症例
　　　　＜Attention !＞ 初心者にとっての難症例とは？

Chapter 5　骨造成を伴うインプラント埋入術式
　１．骨造成を伴うインプラント埋入術式には「同時法」と「段階法」があります
　２．同時法と段階法、どちらが優れている？
　３．【抜歯をした場合】段階法における骨造成の時期

Chapter 6　成功を導く手術器具


【Part 2　再生のための骨移植材の特性】
Chapter 1　骨移植材の分類とそれぞれの特性
　１．骨移植材の分類
　２．同種自家骨とは
　３．同種他家骨とは
　　　　＜ちょっと気になるQuestion＞ 同種他家骨の安全性は大丈夫？
　４．異種他家骨とは
　５．人工骨とは

Chapter 2　骨移植材は何を使う？―筆者の考えかた―
　　　　 ＜ワンポイントアドバイス＞チタンスクリューも併用してみよう


【Part 3　骨再生誘導法（GBR）のための組織遮断膜】
Chapter 1　組織遮断膜の分類と特性
　１．組織遮断膜の基礎知識
　２．長期間スペースメイキングができる「非吸収性膜」
　　　　 ちょっと気になるQuestion＞PTFE って、何？
　３．低侵襲ゆえに圧倒的に利用されている「吸収性膜」
　　　　▶非吸収性膜と吸収性膜 メリットとデメリットの比較

Chapter 2　骨造成に使用する組織遮断膜の第一選択 非吸収性膜CYTOPLASTⓇ
　１．CYTOPLASTⓇとは
　２．CYTOPLASTⓇの利点
　３．CYTOPLASTⓇの臨床上のポイント

Chapter 3　欠損部を早期に骨で満たす組織遮断膜 吸収性膜Bio-GideⓇ
　１．Bio-GideⓇとは
　２．Bio-GideⓇの利点
　３．Bio-GideⓇと臨床上のポイント


【Part 4　治療ステップ別 成功に導く必須テクニック】
Chapter 1　骨造成を成功に導く５大重要ポイント
　　　 ＜Attention !＞骨造成を前提とした歯根破折歯の抜歯法

Chapter 2　ステップごとにポイント解説！骨造成の臨床テクニック
　Clinical Steps in GBR 1　歯肉弁の切開・剝離
　　１．切開のポイント
　　２．剝離のポイント
　Clinical Steps in GBR 2　欠損部の掻爬
　Clinical Steps in GBR 3　組織遮断膜のトリミング
　Clinical Steps in GBR 4　組織遮断膜の設置と骨移植材の充填
　　１．骨移植材の準備
　　２．組織遮断膜の設置と骨移植材の充填
　Clinical Steps in GBR 5　縫合
　Clinical Steps in GBR 6　術後管理
　　１．術後投薬
　　２．手術部位の管理（患者自身による管理）
　　３．手術部位の管理（術者による管理）
　　　 ＜The Troubleshooting！＞よくあるトラブルの傾向と対応法
　Clinical Steps in GBR 7　組織遮断膜の除去
　　１．歯肉が閉鎖している状態の場合は…
　　２．組織遮断膜が露出している場合は…
　Clinical Steps in GBR 8　インプラント埋入外科手術
　Clinical Steps in GBR 9　上部構造装着


【Part 5　Case Study】
　Case 1　下顎左側第二大臼歯への骨造成
　　　　 ＜ちょっと気になるQuestion＞なぜこの症例では骨穿孔を行ったの？
　Case 2　下顎第一・第二大臼歯への骨造成（２歯）
　　　　＜ちょっと気になるQuestion＞ 両側に行う場合はどんなスケジュールを組むべき？
　Case 3　上顎右側第一小臼歯への骨造成
　Case 4　上顎左側第一小臼歯への骨造成
　Case 5　上顎側切歯への骨造成
　Case 6　上顎中切歯への骨造成
　補足　　　「部分的」な処置が「全顎的」に与える効果

参考文献一覧
著者紹介"