成人矯正のニーズが拡大し続ける中、矯正歯科治療の在り方も日々進化しています。しかし、その一方で、使用している装置や診断のプロセス、治療計画の立案において、私たちは過去の常識にとらわれていないでしょうか。 本セミナーでは、成人矯正における「最適化」をテーマに、矯正を日常臨床で取り入れる一般歯科医、また専門的に矯正に携わる矯正歯科医、双方にとって示唆に富む3つの講演をお届けします。

■坂本 紗有見先生
「既存の矯正歯科治療法、もう古いのか？ 〜最適な道具と診断、口腔機能支援について〜」
矯正治療の成功は、装置の選択だけではなく、その背景にある診断精度や、治療を支える口腔機能の理解とマネジメントにかかっています。坂本先生は、矯正の現場で当たり前のように使われている「道具」や診断の枠組みを、あえて疑い、アップデートする視点を提供。 日々矯正を行っている歯科医師にとって、「そのやり方、今も本当にベストですか？」と問いかけられる内容です。

■重枝 徹先生
「成人矯正歯科治療の最適化を目指す ――矯正治療を成功に導くための6つのカギ」
長期安定性、審美性、そして機能性を両立させる成人矯正には、多角的な視点と判断力が求められます。重枝先生は、これまでの臨床経験から「矯正治療を成功に導く6つのカギ」を抽出。それは、診断・装置選択・咬合設計・補綴との連携・患者教育・治療後の保定に至るまで、包括的な視点から構成されています。 「単に歯を動かす」から「全身と調和した口腔機能をつくる」へ。これからの成人矯正を考える上で、本質的でかつ実践的なエッセンスが詰まった講演です。

■相澤 一郎先生
「当院におけるマウスピース型矯正装置の利用法〜リンガルとアライナーの併用〜」
成人患者の多くが矯正治療に「見た目の自然さ」「快適さ」「取り外し可能性」などを求める今、マウスピース型矯正装置（アライナー）の需要は確実に高まっています。 相澤先生は、日常臨床でアライナーとリンガル装置を戦略的に併用することで、より質の高い治療結果を実現されています。本講演では、両者の長所を活かしながら、患者満足度と予知性の高い治療成果を両立させる治療設計のコツや、症例選択の考え方について具体例を交えて解説。 一般歯科でアライナーを導入している先生方にとってはもちろん、専門的に矯正を行っている先生にも新たな視点をもたらす講演です。

■スペシャル対談
坂本先生・相澤先生・重枝先生による特別座談会を実施。臨床スタイルや立場の異なる3人の視点から、「これからの成人矯正のあるべき姿」や「多様な治療戦略の選び方」「患者ニーズへの対応の仕方」について自由に語っていただきます。