アスリートやスポーツ愛好者が使用するマウスガードや修復物は、口腔外傷予防に役立つ利点がある反面、不適切に与えられた咬合により身体機能へ悪影響を及ぼす可能性をはらんでいる。
また、正しい咬合や顎位が安定した状態でのスポーツは、転倒予防や脳機能の活性化につながることから、超高齢社会の現代においても健康スポーツ歯学の分野が担う責務は大きいと考える。そこで今回は、不適切な咬合による身体機能への影響や咬合調整の注意点を今一度整理し、健康スポーツ歯科の役割を解説する。臨床での一情報としてご活用いただければと思う。