全部床義歯、部分床義歯といった可撤性義歯の治療を行う過程で、患者の口腔内に起こり得る残存歯の抜歯や顎堤吸収などの変化を予測し、適切な時期に適切な処置を行うことは可撤性義歯補綴の成否を決定すると言っても過言ではない。特に、超高齢社会において、高齢患者のリライニングや増歯などの義歯修理を確実に行えることは、新義歯製作のスキルよりも有効である場面が多いかもしれない。確実な義歯修理を行うためには、材料の特徴と使用方法に関する知識を習得し、自分が慣れた材料を作っておくことが重要である。
　今回紹介する「トクヤマ ヒカリライナー」は、光硬化型義歯リライニング材であるが、専用の光照射器を用いて重合するまでは、口腔内で硬化することがないため、全ての歯科医師にとって扱いやすく安心して使用できる材料である。また、残存歯部や顎堤のアンダーカットが大きく、リライニング材硬化時の着脱のタイミングがシビアなケースにも広く応用できる。
　そこで、本講演では、トクヤマ ヒカリライナーの材料学的特徴や他の材料との比較について解説したあと、実際の症例を紹介しながら有効な使用方法を提案したい。インプラントオーバーデンチャーのリライニングに応用した症例についても紹介する。また、無歯顎模型を用いて全部床義歯をリライニングする様子をライブデモにて行う予定である。
※本セミナーはキャッシュバックキャンペーン対象外になります。