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その補綴に根拠はあるか

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補綴治療は“欠損を拡大させない”とのコンセプトをもつこと、その実現のために科学的根拠に基づいて行うことを重視。具体的な方策として有床義歯を中心に、治療計画から初期治療、設計・製作、メインテナンスに至る臨床の各ステップにおける疑問に答える形で、治療法の選択や判断に役立つ理論と実際を文献データや症例を交えてわかりやすく解説した。口腔機能の維持回復を支える、臨床家として“ひと皮むけたい”あなたに贈る必携書。
[治療選択のコンセプト]
Section 1  補綴治療の選択にあたっての判断基準と根拠は? ─“欠損を拡大させない”ために─
1)あなたの補綴治療を選択するにあたってのコンセプトは?
2)“欠損を拡大させない”コンセプトの実現のために重要なことは?

[治療計画の立案]
Section 2  補綴治療の選択肢はどう決める?
1)治療計画立案の原則は?
2)計画に基づいて的確に治療を実施するために必要なことは?
 Point 1 全身と口腔内の状況を検査・記録し問題点を把握する
 Point 2 プロブレムリストを作成する
 Point 3 治療におけるコンセプトを確認する
 Point 4 時間経過を考慮して合理的な治療の優先順位を決定する
 Point 5 成功率等の検討と患者の希望を踏まえて治療法を選択する
 Point 6 予後を考慮した形で、選択した治療を実施する
 Point 7 経過観察から情報をフィードバックし今後の方針に生かす
3)患者の疑問に対して説得力のある回答をするよい方法は?

[初期治療・前処置 1]
Section 3  補綴を前提とした口腔内の環境整備で大事なことは?
1)歯周治療はなぜ重要?
2)矯正治療は行うべき?
3)歯周治療や矯正治療はどのタイミングで行えばよい?

[初期治療・前処置 2]
Section 4  保存可能か不可能かはどう判断する?
1)抜歯か否かで迷ったら?
2)抜歯と判断した場合、抜歯後の補綴処置はどう決める?
3)歯を残す場合に考慮すべきことは?
4)抜歯する場合に考慮すべきことは?

[支台歯の選択]
Section 5  支台歯の選択に歯冠- 歯根比を生かす根拠は?
1)天然歯の歯冠- 歯根比の改善で得られる効果は?
2)歯冠- 歯根比の改善法は?
3)インプラント支台を選択する場合の歯冠- 歯根(インプラント)比は?
4)歯冠- インプラント比が問題となる場合の対処法は?

[設計・製作 1]
Section 6  補綴処置における治療選択の原則は? ─MI に基づく補綴─
1)なぜMI 補綴なの?
2)MI 補綴における治療法・材料選択のポイントは?
3)欠損部に“補綴をしない”という選択肢はないの?
4)MI 補綴の実際は?
 Practice 1 パーシャルデンチャーにおけるMI
 Practice 2 再植によるMI
 Practice 3 インプラントによるMI

[設計・製作 2]
Section 7  咬合高径はどのように決定する?
1)そもそも咬合高径の維持はなぜ必要?
2)咬合高径を変える場合に気をつけることは?
3)咬合高径を変えてはいけない場合とは?
4)咬合挙上をした場合に起こる変化への対応は?

[設計・製作 3]
Section 8  パーシャルデンチャーによる欠損補綴を成功させるには?
1)パーシャルデンチャーの設計で外せない重要なポイントは?
2)長期の使用に耐えうるパーシャルデンチャーの設計・製作法は?
 Point 1 最大の支持を確保する(床ならびにレスト)
 Point 2 人工歯の排列を考える(位置と咬合)
 Point 3 連結装置を設定する(大連結子)
 Point 4 着脱方向を決定する(ガイドプレーン)
 Point 5 最小限度の維持で設定する(維持装置)
 Point 6 把持要素を設定する(ブレーシング)
 Point 7 間接維持を設定する
 Point 8 義歯全体として剛性を確保する(補強)
 Point 9 メインテナンスのプロトコールを設定する
3)歯周組織の健康に配慮したパーシャルデンチャーの設計は可能?

[設計・製作 4]
Section 9  支台装置を選ぶ基準は?
1)支台の数と位置の決め方の鉄則は?
2)カンチレバーを選択することの意義は?
3)有床義歯における支台歯および支台装置の選択基準は?
 Practice 1 パーシャルデンチャーにおける支台歯および支台装置の選択
 Practice 2 オーバーデンチャーにおける支台歯および支台装置の選択

[咬合調整]
Section10 補綴装置に与える咬合は?
1)咬合はどんな基準で決めればよいの?
 Practice 1 咬合理論に基づく咬合様式の検討
 Practice 2 顎位の決定
 Practice 3 咬合調整は限界運動と咀嚼運動の2面から
ガイダンスは非機能運動時のプロテクション
2)補綴装置にはどんな咬合を与えればよいの? 
 Practice 1 天然歯列での補綴装置に与える咬合
 Practice 2 有床義歯に与える咬合
 Practice 3 インプラントに与える咬合

[メインテナンス・経過観察 1]
Section11 メインテナンスの目的は? ─「適合」「外形」「咬合」をみること─
1)義歯の適合の変化はなぜ問題?
2)顎堤吸収の拡大を防ぐには?
3)義歯のメインテナンスのポイントは?
4)顎堤吸収の防止にインプラントをどう生かす?

[メインテナンス・経過観察 2]
Section12 補綴装置に寿命はあるの? ─変化する生体に対応するために─
1)長くもたせることの意義は?
2)生体の変化への対応は?
3)補綴装置や支台の経年的な変化はどのように予測するの?
4)経年的変化を予測した補綴装置の設計は可能?

索引

[TOPICS]
抜歯の基準は変化する
メタルフリーはMIの原則に反するか?
パーシャルデンチャーの支台歯喪失に支台築造が関連するか?
パーシャルデンチャーを用いると対合歯の挺出は防げるか?
咬合高径を安易に変えないために ─解剖学的平均値は咬合高径の推定に役立つ─
筋紡錘の調節機能から最適な咬合高径は客観的に決定できるか?
義歯床の役割 レトロモラーパッド部と口蓋部を覆うことは支持ではなく維持の効果
I-bar システムの変遷 Kratochvil とKrol の違い
Taylor らのレビュー論文における咬合
義歯の調整、咬合調整をシステマティックに行うには
なぜ金属床がよいのか? 義歯床に剛性をもたせることの意味
インプラント長期症例から可撤性義歯への戦略的な改変
「どれくらいもちますか?」への回答 剛性を確保した金属床の薦め

その補綴に根拠はあるか

冠・ブリッジ・義歯・インプラントに対応
  • 著者

    前田 芳信
    池邉 一典

  • 出版社

    クインテッセンス出版

  • ページ

    168ページ

  • サイズ

    A4判

  • ISBN

    978-4781204024

  • 価格

    11,000円(税込)

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