本書は口腔外科学と歯科麻酔学における知識と診療補助の習得を目的として、歯科衛生士試験出題基準を基本に、実際の臨床においても実用的であることを考えて執筆された。また、医療従事者の一員として、救急蘇生法や臨床検査法についても、歯科衛生士として最低限知っておくべき項目は積極的に解説を加え、知識の整理にも役立つよう配慮した。
I.口腔外科学
第1章　顎口腔領域の先天異常
1-1.歯の異常
A.歯数の異常
B.萌出時期の異常
1-2.小帯の異常
A.舌小帯短縮症
B.上唇小帯付着異常
C.頬小帯付着異常
1-3.口唇・口蓋裂
A.発生と原因
B.分類と障害
C.治療
1-4.顎変形症
第2章　顎口腔領域の損傷
2-1.軟組織の損傷
A.機械的損傷
B.温度的損傷
C.電気的損傷
D.化学的損傷
E.放射線損傷
2-2.歯の外傷
A.破折
B.外傷性歯根膜炎
C.脱臼
2-3.骨折
A.歯槽骨骨折
B.顎骨骨折
第3章　口腔軟組織の炎症
3-1.口内炎
A.アフタ
3-2.口唇炎・口角炎・舌炎
A.口唇炎
B.口角炎
C.舌炎
3-3.水疱を形成する疾患
A.口唇(単純ヘルペス)
B.帯状疱疹
3-4.びらん・潰瘍を形成する疾患
A.再発性アフタ
B.褥瘡性潰瘍
3-5.白斑を主体とする疾患
A.ガンジダ症
B.扁平苔癬
3-6.その他
A.放線菌症
B.唾石症
第4章　顎骨の炎症
4-1.歯槽膿瘍
4-2.智歯周囲炎
4-3.上顎洞炎
4-4.ドライソケット
4-5.顎炎、顎骨周囲炎
A.顎骨骨膜炎
B.顎骨骨髄炎
C.顎骨周囲炎
第5章　顎関節の異常
5-1.顎関節脱臼
5-2.顎関節症
5-3.顎関節強直症
第6章　顎口腔領域の嚢胞
6-1.歯原性嚢胞
A.歯根嚢胞
B.濾胞性歯嚢胞
6-2.非歯原性嚢胞
A.鼻口蓋管嚢胞
B.術後性上顎嚢胞
C.その他
6-3.粘液嚢胞
A.粘液瘤
B.ガマ腫
C.その他の軟組織嚢胞
第7章　顎口腔領域の腫瘍
7-1.歯原性腫瘍
A.エナメル上皮腫
B.歯牙腫
C.セメントーマ
7-2.口腔軟組織の良性腫瘍
A.上皮性腫瘍
B.非上皮性腫瘍
7-3.唾液腺腫瘍
7-4.腫瘍類似疾患
A.エプーリス
B.義歯性線維症
C.薬物性歯肉肥大
7-5.悪性腫瘍
A.悪性上皮性腫瘍(癌腫)
B.悪性非上皮性腫瘍(肉腫)
7-6.前癌病変
A.白板症
B.紅板症
第8章　全身疾患の口腔病変
8-1.白血病
A.急性白血病
B.慢性白血病
8-2.ベーチェット病
8-3.エイズ
II.口腔外科小手術と診療補助
第1章　手術器具と準備
1-1.滅菌と消毒
A.器具器材の滅菌・消毒
B.手指消毒
C.手術野の消毒
1-2.小手術用器具の種類、用途と取り扱い
1-3.縫合用器材の種類、用途と取り扱い
1-4.院内感染対策
A.ユニバーサルプリコーション
B.感染症患者に使用した器具、器材の取り扱い
第2章　抜歯術
2-1.抜歯に用いられる器具の種類、用途と取り扱い
2-2.抜歯の実際と診療補助
A.術式
B.診療補助
2-3.抜歯後の注意事項
2-4.偶発症と対策
A.抜歯時の偶発症
B.抜歯後の偶発症
C.対策
第3章　口腔外科小手術
3-1.切開・排膿
A.手術の概要
B.器具、器材
C.手術の実際と補助
3-2.歯槽骨整形術
A.手術の概要
B.器具、器材
C.手術の実際と補助
3-3.嚢胞摘出手術
A.手術の概要
B.器具、器材
C.手術の実際と補助
3-4.歯の移植と再植
A.手術の概要
B.器具、器材
C.手術の実際と補助
3-5.歯槽骨骨折手術
A.手術の概要
B.器具、器材
C.手術の実際と補助
3-6.顎骨骨折固定術
A.手術の概要
B.器具、器材
C.顎間固定の実際と補助
3-7.口腔インプラント
A.手術の概要
B.器具、器材
C.手術の実際と補助
3-8.口腔出血に対する処置法
A.止血法と止血剤の種類
B.止血処置の実際と診療補助
III.歯科麻酔学
第1章　全身状態の評価
1-1.バイタルサインとは
A.バイタルサインの意義
B.バイタルサインの測定方法
1-2.病歴の聴取と問診ならびに注意すべき全身疾患
A.問診事項
B.注意すべき全身疾患
第2章　麻酔法
2-1.局所麻酔
A.局所麻酔薬
B.局所麻酔法
C.局所麻酔の補助、準備する器具・薬剤
D.局所麻酔の合併症
2-2.精神鎮静法
A.吸入鎮静法
B.静脈内鎮静法
2-3.全身麻酔法
A.全身麻酔の種類
B.全身麻酔薬
C.術前の患者管理
D.全身麻酔の補助
E.外来全身麻酔
第3章　救急蘇生法
3-1.一次救命処置
A.気道確保
B.人工呼吸
C.心マッサージ
3-2.二次救命処置
A.気道確保
B.人工呼吸
C.心マッサージ
D.薬剤の投与
E.心電図
F.細動の治療
G.計測と予後判定
H.低体温療法
I.集中治療
3-3.救急蘇生法を必要とする患者に遭遇した場合の心得
3-4.酸素ボンベの取り扱い
A.酸素ボンベのセッティングについて
B.酸素ボンベの保守管理
第4章　神経疾患
4-1.疼痛の悪循環
4-2.三叉神経障害
A.三叉神経痛
B.三叉神経麻痺
4-3.顔面神経障害
A.顔面神経麻痺
B.Ramsay-Hunt Syndrome
C.顔面麻痺
D.膝神経痛
4-4.舌咽神経障害
A.舌咽神経痛
B.舌咽神経麻痺
4-5.口腔心身症
IV.臨床検査
第1章　主要臨床検査
1-1.主要臨床検査
A.尿検査
B.血液学的検査
C.血液型検査
D.貧血の検査
E.出血性素因検査
F.唾液の検査
G.感染症の検査
H.肝機能検査
I.糖尿病の検査
J.病理組織学的検査
索引