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咬合挙上

咬合挙上の画像です。
補綴治療時に咬合高径の増大、すなわち咬合挙上の必要性に迫られることがある。しかし、「なぜ挙上するのか?」あるいは「どうやって挙上するのか?」については様々な考え方があり、ときに悩ましい問題になる。本書は、咬合の基本(用語)、咬合挙上の必要性が検討される場合の考え方、挙上時に適応できる3つの手法とそれらの実際(治療ステップ)がエビデンスベースドで、かつ臨床的な視点で臨床例とともに解説されている。
目次

刊行にあたって 3
推薦の言葉 4

凡例
Term 咬合や咬合挙上あるいはこれらに関連した専門用語の意味や背景を解説
Trivia 本文内の内容を補足あるいはより理解が深まる事項を解説

プロローグ 咬合挙上,する? しない? 11

P-1.咬合挙上とは? 12
P-2.“咬合高径”は「下顎の“垂直的な”位置」? 16
P-3.下顎は剛体ではない 18

1章 重要な下顎位の定義を理解しよう! 21

1-1.咬頭嵌合位 22
1-2.中心位 23
1-3.中心咬合位 26
1-4.顆頭安定位 28
1-5.筋肉位 30

Term1 終末位 23
Term2 ナソロジー 24
Trivia1 保母の著書に石原が寄稿した「推薦のことば」 25
Term3 JGPT-6における“中心位”の定義 25
Term4 偏心運動 26
Trivia2 ゴシックアーチ描記法における中心位 27

2章 咬合高径はどうやって評価する? 33

2-1.下顎安静位に基づく評価 34
2-2.発音時の下顎位に基づく評価 38
2-3.顔貌計測 40
2-4.エックス線写真による評価 40
2-5.補綴空隙確保の観点からの評価 44
2-6.患者の感覚(快適性)に基づく評価 45

Term5 歯列接触癖(tooth contacting habit) 36
Trivia3 Willis法 40

3章 咬合挙上を検討する患者への診察,検査と3つの臨床手技 47

3-1.咬合挙上前のチェック項目 48
3-1-1)顎関節部や咀嚼筋の異常所見の有無 48
3-1-2)中心咬合位と咬頭嵌合位のズレの有無 50
 a.術者の手指で下顎を中心位に誘導する方法 52
 b.デプログラマーで下顎を中心位に誘導する方法 56
3-1-3)早期接触の有無 60
3-1-4)術前の咬頭嵌合位に関するその他の問題の有無 62
3-1-5)是正すべき咬合高径の減少の有無 63
 3-2.咬合挙上を安全に行うためにはどうする?(Abduoのレビュー) 63
3-2-1)咬合挙上の安全性に関する4つのポイント 64
 a.許容される挙上量 64
 b.患者の適応 64
 c.適切な挙上方法 65
 d.咬合挙上にともなう咬合付与 66
3-2-2)本レビューの限界 66
 3-3.咬合挙上の概要 68
3-3-1)中心位を基準とする方法 68
3-3-2)収束したタッピングポイントを基準とする方法 70
3-3-3)咬頭嵌合位を基準とする方法 70

Term6 生物心理社会的モデル 48
Trivia4 「中心咬合位と咬頭嵌合位のズレ」という表現について 50
Term7 ジグ 56
Trivia5 リーフゲージによる下顎の誘導 58
Trivia6 早期接触で障害が生じる場所 62
Term8 Dahlのコンセプト 67
Term9 ミューチュアリープロテクテッドオクルージョン 67
Term10 グループファンクション 67

4章 中心位を基準とした咬合挙上法 73

4-1.中心位を基準として咬合挙上する意味 74
4-2.本法における「下顎頭=回転中心」の意味するところ 75
4-3.論文から考察する中心位を基準とした咬合挙上法のポイント 77
4-3-1)Turnerらによる“重度に摩耗した歯列の修復法” 77
 a.咬合高径の評価 78
 b.選択可能な治療計画(3つのカテゴリー) 78
 カテゴリー1:咬合高径の減少をともなうもの 78
 カテゴリー2:咬合高径の減少をともなわないが補綴空隙が存在するもの 81
 カテゴリー3:咬合高径の減少をともなわず補綴空隙が存在しないもの 82
4-3-2)Spearによる“咬合高径へのアプローチ” 83
 a.咬合高径の変更に関して臨床家が心配する5つのトピック 84
 a-1)顎関節,筋肉への悪影響 84
 a-2)変更後の咬合高径の安定性 84
 a-3)筋活動量の増加 85
 a-4)発音への影響 86
 b.新たな咬合高径を決定する方法 87
 b-1)安静空隙の利用 87
 b-2)試験的な装置 87
 b-3)経皮電気神経刺激法 88
 b-4)上下顎のCEJの測定 88
 b-5)顔貌計測 88
 c.患者にとって正しい咬合高径の選択 88
4-4.中心位を基準とした咬合挙上の実際 89
中心位を基準とした咬合挙上の術式(Spearの推奨する咬合挙上法〔一部,改変〕) 90
Case1 中心位を基準としてtooth wearを治療した症例 93
Case2 中心位を基準として多数歯欠損を治療した症例 101

Term11 理想咬合 75
Trivia7 中心位を基準とした咬合挙上法はグローバルスタンダード? 75
Term12 tooth wear 78
Term13 ロングセントリック 83

5章 タッピングポイントを基準とした咬合挙上法 109

5-1.タッピングポイントを基準として咬合挙上する意味 110
5-2.収束したタッピングポイントと関連する下顎位 110
5-3.本法でオクルーザルスプリントを用いる目的 114
5-3-1)咬合接触の影響を排除して水平的な下顎位を決定できる 114
5-3-2)顎関節の異常に対するアプローチを兼ねることが可能 117
5-4.タッピングポイントを基準とした咬合挙上の術式 119
Step 1:治療計画立案と可撤性暫間装置装着側(上顎/下顎)の決定 119
Step 2: 可撤性暫間装置製作用の印象採得および咬合採得 120
Step 3:フラットテーブルを有する診断用の可撤性暫間装置の製作 120
Step 4: 診断用の可撤性暫間装置装着と使用法の指導 121
Step 5:タッピングポイントが安定するまで咬合調整を行う 121
Step 6:収束したタッピングポイントでの咬合再構成 122
タッピングポイントを基準とした咬合挙上の術式 123
5-5.タッピングポイントを基準とした咬合挙上の実際 126
Case タッピングポイントを基準として咬合挙上を行った症例 127
5-6.“3つの水平的下顎位の設定基準”のいずれを採用するのか? 136

Trivia8 タッピングポイント=咬頭嵌合位”? 113
Trivia9 「いきなり固定性暫間装置」はNG? 115

6章 咬頭嵌合位を基準とした咬合挙上法 139

6-1.咬頭嵌合位を基準とした咬合挙上 140
6-2.咬頭嵌合位を基準とした咬合挙上の禁忌症 140
6-2-1)タッピング運動の安定 141
6-2-2)中心咬合位と早期接触 141
 a.中心咬合位と咬頭嵌合位のズレ 141
 b.早期接触 142
6-2-3)著しい顎変形や運動障害 143
 6-3.咬頭嵌合位を基準とした咬合挙上の概要 144
 6-4.咬頭嵌合位を基準とした咬合挙上の実際 147
Case 咬頭嵌合位を基準として咬合挙上を行った症例 148

Trivia 10 フェイスボウトランスファーについて 147

7章 咬合挙上にともない咬合平面を修正する際の判断基準 151

7-1.咬合平面の修正は必須か? 152
7-2.咬合平面の修正を検討する際のチェックポイント 152
7-2-1)審美性の改善が求められているか? 153
7-2-2)補綴空隙は十分か? 154
7-2-3)剪断応力が問題となっているか? 155
7-2-4)顎機能障害と咬合平面不正の関連が疑われるか? 156
7-2-5)咀嚼サイクルによる対応の違い 158
7-3.咬合平面の修正を行う判断基準 160
7-4.咬合平面の設定方法 161
7-4-1)カンペル平面を基準とする方法 162
7-4-2)モンソン球面説に基づく方法(ブロードリックの咬合平面分析法) 163

Term14 P.M.S.テクニック 164

8章 本書で紹介した咬合挙上法を臨床応用する際の注意点 167

8-1.咬合との関連が不明な“主観的”低位咬合や全身症状への対応 168
8-1-1)“主観的”低位咬合の原因 168
8-1-2)全身症状との関連 168
8-2.咬合挙上の臨床実感と限界 169
8-2-1)理想的な治療計画が受け入れられるとは限らない 169
8-2-2)可撤性暫間補綴装置の使用は多くの患者にとって難しい 169
8-2-3)中心位への誘導と早期接触の信頼性 171
8-2-4)“安定した咬合”とは何なのか? 172
8-2-5)“咬合高径を挙げる”=“咬合挙上”なのか? 175
8-2-6)どの方法を選択するかで挙上後の咬合位が変化するのか? 176

おわりに 180 
索引 181
著者紹介 192

咬合挙上

その意思決定と臨床手技
  • 著者

    和田 淳一郎
    若林 則幸

  • 出版社

    クインテッセンス出版

  • ページ

    192ページ

  • サイズ

    A4判変

  • ISBN

    978-4781211121

  • 価格

    12,100円(税込)

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