世界保健機関(以下、WHO)は、人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合の専門機関であり、健康に関わる様々な統計を有している。
その中で、国別の人口1,000人当たりの歯科医療従事者数のデータがある。
こちらの地図では、歯科医療従事者数の密度が高い国が濃い色、低い国が薄い色で表示されている。WHOに加盟している国の93%の情報が掲載されており、ロシアやベトナムなどについては、情報提供がなかったため掲載されていない。
歯科医療従事者の定義だが、日本のデータで見てみると歯科医師を基準にしており、米国のデータで見てみると歯科医師と歯科衛生士を基準にしているようで曖昧さがある。世界には歯科医師、あるいは歯科衛生士が国家資格とされていない国も数多くあるため、一つの基準で判断するのが難しいということであろう。
データに曖昧さがあれど情報が掲載されてる国において、日本は第28位であった。基準の異なる中での大まかな推計とはいえ、日本は世界的に見ると人口当たりの歯科医療従事者は多い方ではあるが、トップ10には入っていないことがわかる。
それでは、世界で最も歯科医療従事者数の密度が高い国はどこだろうか?
ニウエ 世界一歯科医療従事者密度が高い国
堂々の第1位はニウエで、人口1,000人当たり2.454人となっている。
ん?・・・ニウエ? どこ?
となる方も多いのではなかろうか。
ニウエは、ニュージーランドの北東、トンガの東、サモアの南東にある島国である。石垣島よりちょっと大きいサイズの島に、1,600人程度の人々が暮らしている。1974年に建国した、世界的にも指折りの若い国である。
出典: YouTube_Niue Island Tourism Promotional
映像を見てみると、大自然が魅力的な穏やか国という印象である。約1,600人で、人口1,000人当たり2.454人ということは、おそらく4名の歯科医療従事者がいるということであろう。
WHITE CROSSでは、インターネットやニウエの観光紹介ページなどで、歯科医院の情報を探したが残念ながら見つからなかった。
小さな国の、小さな診療所での日々はどのようなものであろうか。そこに最新の歯科医療機器や材料がなくても、ゆったりとした空気の中で歯科医療が提供されているのであろう。