口腔医 社会の求める歯科の新診療域 クインテッセンス対談 後編
臨床 2017.03.24

口腔医 社会の求める歯科の新診療域 クインテッセンス対談 後編

WHITE CROSS編集部

2017年、今まさに進行している「口腔医療革命」。その起点となったクインテッセンス出版『歯科衛生士』2013年7月号に掲載された対談記事を振り返る前後2編シリーズ。

その前編では、高齢者の食べる力を支える
新診療科「口腔科」についての提言がなされた。後編では、なぜ口腔科が歯科医療領域であるべきか、そしてその具体へと話は進んで行く。

 

聞き手の米山武義先生は、口腔ケアの第一人者であり、話し手である塩田芳享氏は、医療ジャーナリストとして、これまでにも医療事故、救急医療、研修医問題、高齢医療などについて、映像演出のほか取材・執筆活動を行ってきた。

 

 

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これから求められるのは、口腔全体を見る「口腔科」という新たな形 後編

―クインテッセンス出版『歯科衛生士』2013年7月号より抜粋―

聞き手: 静岡県 米山歯科クリニック 米山 武義先生

話し手: 医療ジャーナリスト 塩田 芳享氏  

 

口の重要性を知らない医師は非常に多い!

塩田 

取材をしていると、医師は歯科のことをまったくわかっていないことがよくわかります。「食べられなくなったら胃ろうにすればいいし、そうすれば誤嚥性肺炎にもならない」と口をないがしろにしている医師もいます。しかしたとえ経口摂取をしていなくても、口の中を不衛生のままにしていれば誤嚥性肺炎は起こりえます。そういうことが本当にわからない医者もいるわけです。

 

私がそういう医師たちに言いたいのは、胃ろうより先に、口腔ケアやリハビリによって患者さんが自分の口で食べるようにはたらきかけることが必要だということです。


米山 

口腔ケアの存在意義は、患者さんが自分の力を引き出し、維持するところにありますよね。

 

塩田 

医療では、病気の治療と延命にだけ注力します。そして、食べることは軽視される。しかし私はたとえ大病を患ったとしても、やはり食べられて話せることが大事で、そのために口腔医療が高齢者医療にとってはまず大事だと思いますね。高齢者のQOLを重視したとき、まず一番の基本は食べることと話すことですよ。それができないことが、本人にとって最もつらいことなのですから。


米山 

残念ながら、それをわかっていない医師が多いですよね。


塩田 

医師は自分がわかっている解決策しか言いません。口のことに関しても、医師が言わないから、口腔ケアは別に大事じゃないと思われてしまいがちですが、そうではありません。単に医師がその必要性を知らないだけです。

 

米山 

医師が提供する医療が患者さんにとって最善かというと、必ずしもそうではないですよね。

 

塩田 

そうです。ですから、私たちジャーナリストが「医者は歯科のことをわかっていない」ということや口腔ケアの重要性を発信して、一般の人々に知ってもらえれば、口腔ケアを行うのが良い医療だとわかってもらえます。そうして最善の医療を求めていくと、必要なのは多職種連携であるという結論にたどりつくはずです。

 

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WHITE CROSS編集部
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