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・株式会社メドレーがAIを核に据えたプロダクト群「MEDLEY AI CLOUD」と、生活者向けアプリ「melmo」を中心とした“患者統合基盤”とは? ・歯科領域で進むDENTISの進化、そして松岡歯科医院が実現したスマートクリニックについて詳しくご紹介! |
はじめに
株式会社メドレーは12月4日、事業戦略・AIクラウドに関する記者会見を開催し、医科・歯科・薬局・病院を横断する“次世代医療プラットフォーム”構想を明確に提示した。
同社が掲げるのは「医療ヘルスケアの未来をつくる」というミッション、その実現手段として、AIを核に据えたプロダクト群「MEDLEY AI CLOUD」と、生活者向けアプリ「melmo」を中心とした“患者統合基盤”である。
本記事では、同社が描く未来像を俯瞰しつつ、特に、歯科領域で進むDENTISの進化、そして松岡歯科医院が実現したスマートクリニックについて詳しく紹介する。
メドレーが描く未来地図──AIが医療の「現場の限界」を突破する

株式会社メドレー 代表 瀧口浩平氏
代表の瀧口浩平氏が冒頭で指摘したのは、日本の医療が直面する3つの構造課題である。
・団塊世代が後期高齢者に達する「2025年問題」
・医療従事者の不足と地域偏在
・医療ITの遅れと、それに起因する患者体験の劣化
こうした構造課題に対し、同社は ITとAIの力で業務を代替・効率化し、医療資源の最適配分を実現する と強調した。同社は、人材プラットフォームと医療プラットフォームの二軸で事業を展開し、将来的に200万事業所が利用する業界標準インフラとなることを目標に掲げる。
ここで重要なのは、単なるSaaS提供ではなく、医療機関と患者をひとつのネットワークで結ぶエコシステムを作る という方向性だ。
そこにおいて同社は、展開している医科診療所・歯科医院・病院・薬局向けのプロダクト・サービスを横断するAI基盤として、「MEDLEY AI CLOUD」ブランドに統合した。
「MEDLEY AI CLOUD」のプロダクトサービス
「MEDLEY AI CLOUD」の実現を目指し、“AIを前提としたプロダクト設計”が以下全サービスに貫かれている。
① より良い患者体験
② AI活用
③ 安心・安全
④ オープン連携
⑤ リーズナブル
例えば、以下の機能がすでに実現されており、歯科領域では、DENTIS がその中心的役割を担う。
医科:CLINICS の「AI要約アシスト」
「診察音声を録音 → 文字起こし → 要約 → カルテへ転記」により、医師のタイピング量を劇的に削減。
薬局:MEDIXS の「AI服薬指導アシスト」
患者情報・文献を参照し、服薬指導文を自動生成。新人薬剤師でも一定品質の指導が可能。
病院:MALL の「AI文書作成アシスト」
退院サマリー等の文書をAIが即時生成し、最大8割の業務削減を実現。
歯科領域の中核「DENTIS」──“歯科のスマートクリニック”を実現するプラットフォーム
歯科医院では、受付混雑と人的リソース不足/紙中心の説明プロセス/患者理解の乏しさ/術者と患者のコミュニケーション格差といった課題が顕在化している。
そこにおいて同社は、DENTIS(電子カルテ・業務支援) × melmo(患者アプリ)を用いた“スマートクリニック化”という解決策を提示している。
DENTIS × melmo の組み合わせにより、以下のことが実現するという。
・受付の完全自動化(マイナ保険証・QRチェックイン)
・カルテとアプリがシームレス連携 → レントゲン・口腔内写真・検査結果を即時共有
・診療後の会計待ちゼロ、アプリ決済で即帰宅
・患者の自己理解向上 → 治療意欲の向上 → 医院への信頼蓄積
が実現するという。
実際の事例として、名古屋ご開業の松岡歯科の松岡鮎美先生が、ご自身のクリニックで実現しているスマートクリニックについて発表した。

松岡歯科 松岡鮎美先生
本会見でもっとも注目を集めた松岡先生の発表では、受付ゼロ/待ち時間ゼロ/対話の最大化という、まったく新しい患者体験が示された。
■ 受付業務は“完全に消滅”
DENTIS と melmo により、以下のフローが定着し、受付スタッフの業務は “ほぼ存在しない” レベルに縮小した。
・マイナンバーカード受付
・QRチェックイン
・診療後即帰宅(アプリ決済)
・紙資料の印刷業務ゼロ
といったフローが定着し、受付スタッフの業務は “ほぼ存在しない” レベルに縮小した。
■ 歯科医師のカルテ業務は診療中のスキマで完結
音声入力とAI要約により、診療後の事務作業はほぼ不要になった。
■ 患者の理解が深まり、信頼関係が劇的に向上
患者さんのスマートフォン上のmelmo には、以下の項目が自動送信される。
・レントゲン
・口腔内写真
・検査結果
患者は帰宅後も資料を見返し、「自分の口腔状態を初めて理解できた」「治療の必要性が納得できた」と高く評価している。
松岡先生は以下のように語った。
「私は患者の人生を一緒に歩みたい。そのためには“対話の時間”こそが最も重要で、その時間を生むのがスマートクリニックです。」
■ 医院の患者アプリ導入率は“ほぼ100%”
アプリ通知が高確率で届くため、予約管理がスムーズになり、無断キャンセルが減少し、経営の安定化にも寄与するという。
取材を終えて
どのようなシステムを導入するかが、歯科医院に必要なスタッフ数や運営の効率化を直接的に左右する時代に確実に差し掛かってきている。
歯科医療が医療・介護の一部として機能していく地域包括ケアの時代において、医療・介護全体の最適化を図り、かつDENTISとmelmoにより歯科医院の最適化を図ろうとしている同社の今後に期待が高まる。




