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・林明賢先生がスタイルイタリアーノのプロトコルを用いた前歯部審美修復を実践! ・審美性と強度の両立を意識しながら行った、上顎犬歯のIV級窩洞に対する症例とは? |
執筆者:林明賢
はじめに
この度、WHITE CROSS株式会社からスタイルイタリアーノが提供するオンラインとオフラインを融合した新しい審美修復セミナーを体験する機会をいただいた。
スタイルイタリアーノの哲学は、審美修復を「芸術」ではなく「再現可能な技術」として体系化することにある。
その理念を効率的に学べるツールが、Espresso Educational Format Coursesである。
イタリア語で “Espresso” は「速い」という意味をもつが、それは単なるスピードではない。圧をかけて抽出し短時間に本質を凝縮する。つまり、限られた時間の中でも “質を落とさずに濃密な学びを得る” という意味が込められている。
今回紹介する症例は、上顎犬歯のIV級窩洞に対するコンポジットレジン修復である。旧修復物を除去後、審美性と強度の両立を意識しながら、スタイルイタリアーノのレイヤリングプロトコルを用いて修復を行った。
実際に臨床例を供覧させていただきたいと思う。
コース紹介
このコースは、オンラインでの講義やデモンストレーションを通して理論を学び、同時に卓上での充填実習によって手を動かしながら理解を深められる構成となっている。
そして、講義は何度も見返すことができるため、復習はもちろんのこと、区切りのいいタイミングで分けて視聴するといった個人の時間に合わせた柔軟な学び方が可能である。
短時間でありながら、学びの密度を高め、スタイルイタリアーノのプロトコルを確実に体得できるようデザインされているのが魅力的だ。
まさに、イタリアのコーヒー“エスプレッソ”のように、短時間でありながら深みと香りを感じる学びである。

専用キット

エスプレッソコーヒーのような洗練されたパッケージに入っている

パッケージ内にはコースで使用するボンドやレジン、充填器などが同梱されている

同封されている充填器
初診時資料
患者情報:30代女性
主訴:犬歯が欠けた

術前の状態、右上3近心隅角の破折並びに旧コンポジットレジンを認める
術中写真
術式と、術中写真を以下に示す。
① シェードの確認
② ラバーダム装着
③ プラーク染色液を塗布
④ エナメル質のみにセレクティブエッチング、水洗、乾燥、ボンディング
⑤ 光照射後、薄く一層ライニングを行い光重合
⑥ 隔壁を設置
⑦ 隣接面、バックウォールを付与
⑧ デンティンレジンを充填
⑨ エナメル層では高透過シェードを段階的に築盛
⑩ 形態修正研磨

シェードの確認

旧修復物をおおまかに除去しラバーダム防湿、プラーク染色液を塗布

水洗後、プラークを可視化した状態で歯面清掃を行う

旧コンポジットレジン並びにう蝕除去、窩洞形成後の状態①

旧コンポジットレジン並びにう蝕除去、窩洞形成後の状態②

エナメル質のみにセレクティブエッチング、水洗、乾燥、ボンディング

光照射後、薄く一層ライニングを行い光重合、隔壁を設置

隣接面、バックウォールを付与

オペーク系シェードであるデンティンレジンを充填

エナメル層では高透過シェードを段階的に築盛、同時に右上4近心部の修復も行っている

形態修正後、スタイルイタリアーノ推奨のポリッシングシステムを使用し、天然歯と調和する光沢と質感を得ることができた

ファイナル写真
まとめ
私自身もこのコースを通じて、シンプルで再現性の高いレイヤリングプロトコルを学び、それを日常臨床の中に落とし込んでいる。
一見複雑にみえる審美修復も手順を正しく整理すれば誰にでも到達可能であり、重要なのは、手の動きや素材の使い方ではなく、“考え方”の整理であると感じた。
Espressoの哲学は、この「思考の整理」を支えるフレームワークとして、日々の臨床を確実に支えてくれるだろう。
スタイルイタリアーノの価値は、単に美しい修復を再現することではない。そこにあるのは、「限られた時間の中で最大限の成果を生み出すための知的デザイン」であり、まさにEspressoの哲学そのものである。
短い時間に込められた本質、そして濃密な学びーーそれが、私がこのコースを通して感じた最大の魅力である。
Espressoのように速くても深く、そして香り高い。この学びのエッセンスを、これからも自らの臨床に注ぎ込み続けていきたい。
WHITE CROSSでは、Espresso専用キットを先行販売中!
この度、コルテンジャパン合同会社により、スタイルイタリアーノのハンズオンプログラム「Espresso」が日本に初導入。
WHITE CROSSはその流通窓口を独占し、本キットの発売を開始している。ワンランク上のCR修復を目指す先生には、ぜひ試していただきたいキットである。
Espressoキット:Anterior(前歯部)コースはこちら



