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・株式会社シラネがパシフィコ横浜にて開催された日本デンタルショー2025の訪問レポート! ・世界でミリングマシンを超えた!?3Dプリンターの大きな進展と今後とは? |
はじめに
2025年9月26日(金)〜28日(日)にパシフィコ横浜にて開催された日本デンタルショー2025の訪問レポートをさせていただきます。
4年に1度開催される日本デンタルショーは、日本歯科医学会学術大会と併催で開催されますが、今回は共に「歯科イノベーションによる新時代の創生」と銘をうち、開催されました。
天気にも恵まれ、来場者数27,129名(歯科医師5,807名、歯科技工士2,014名、歯科衛生士4,147名、歯科助手776名、歯科学生1,481名、商工業者3,575名、出展社7,950名)と多くの来場者で賑わうデンタルショーとなりました。
前回の日本デンタルショー2021はコロナ禍からのRe-Startで、2022年3月に開催されましたが、総来場者数が11,020名だったため、前回に対して倍増と、多くの方で賑わうデンタルショーでした。

各社ブース紹介
① ヨシダ
多くの新製品と来場者で賑わったヨシダブース。まず大きな注目を集めたのはブース正面に何台も設置されたSprintRay社3Dプリンターでした。

次に注目を集めたのは、ヨシダの大人気NOVAシリーズ50周年での新ユニット『ノバPS』です。
この新ユニット『ノバPS』は、無影灯自動昇降機能・足操作ジョイスティック・無影灯搭載ビデオカメラ・モーションヘッドレスト・クールシートなどのさまざまなオプション機能もあり、多くの来場者が注目していました。

また、大人気デジタルマイクロスコープ『Next Vision』の使い勝手が更に向上した新製品『Next Vison +』は、今までの4K最大80倍、オートフォーカスなど便利な機能はそのままに、以下3つの新機能が加わり、また、ユニットマウントでは「無影灯なしNV+マウント」も選べるようになるなど、同社の新型マイクロスコープにも大きな注目が集まっていました。
① ワーキングディスタンスが350mm-600mmと「より」長く広く
② 患者さん顔貌写真や手技俯瞰映像も撮りやすい3倍モード新搭載、
③ 規格写真が撮りやすい距離合わせモード

加えて、最大出力15W、焦点スポット径φ0.32mmと「より」高出力+シャープな治療が可能となった『オペレーザーPRO X』や、側枝の高さまで見える根管長測定器の使い勝手が向上した『ジャスティⅣ Plus』などさまざまな新製品が注目を集めるヨシダブースでした。来年120周年を迎える歯科界の老舗企業ヨシダの今後の動きにも注目です。
② GC
GCブースで、大きな注目を集めたのは新製品『ルシェロ ピセラB-21/P-21』です。

ルシェロシリーズはWHITE CROSS「ユーザーが選ぶ歯科企業・製品調査2024」の歯ブラシ部門で7冠を達成し、今年10月に20周年を迎える大人気歯ブラシブランドです。
先端集中毛と、長い毛と短い毛の段差植毛により、1本で3本分の役割を果たす歯ブラシは、カーブネックで最後臼歯遠心を含めたさまざまな部位へのアクセスも良好です。
またう蝕タイプ「B」、歯周病タイプ「P」や、標準サイズヘッド、小型ヘッド、大型ヘッドなどを患者さんの口腔内に合ったものを「処方する」コンセプトで、テクニックに頼らず「誰でも簡単」に「効率よく」磨ける歯ブラシです。
そんな大人気ルシェロ歯ブラシの小型ヘッド「ピセラ」の良さはそのままに、ヘッドの厚みが20%減とスリムになり、さらに使いやすくなった同社の新しい歯ブラシ『ルシェロ ピセラB-21/P-21』に大きな注目が集まっていました。
また、大きな注目を集めたのは「シンプル+スピーディー+リーズナブル」なCR修復を可能にする新製品『Gフロー ONE』です。ローフローのユニバーサルシェードレジンで、VITA16シェードに一つで対応できるユニバーサルはもちろん、「数秒研磨で艶を出しやすく艶が長持ち」「多くの症例でブロッカーも不要な適度の遮蔽性」「大容量2mlでml単価が定価ベースでも@2,000円/mlでリーズナブル」と、保険CR診療の強いミカタも登場し、大きな注目を集めていました。

ほか『バキュクレーブ318 Prime』は、タッチパネルに使いやすく、冷却システム高機能化により保守点検実施を「2,000回のプログラムサイクル以内or2年以内に1回」に低減、器材の種類や量に合わせ乾燥時間を自動コントロールする「DRYtelligence」で器具への負荷を最低限に抑えるなど高機能なクラスB滅菌器ですが、サブ用に良さそうな小型クラスB滅菌器『バキュクレーブ105』もお披露目となるなど、多くの新製品と来場者で賑わうGCブースでした。
③ モリタ(&モリタ経由での販売が多い会社)
モリタと同社経由での販売が多い会社ブース紹介。モリタブースは再生利用可能な部材を使用したデザインで、展示会後の破棄物を大幅削減する持続可能性に配慮したオシャレなデザインで、さまざまな製品を臨床体感できるチャレンジストリートなどの製品が注目を浴びていました。

モリタ経由で販売が多い、サンメディカルのベストセラー製品『スーパーボンドEX』は、さまざまな被着体接着に便利な製品ですが、難接着材料「PEEK」も同製品で接着してみませんか?とPEEKも含めた宣伝を始め、更に利用用途の幅が増え、改めて大きな注目が集まっていました。
YDMで注目を浴びたのは『ファイバーポストチェッカー』です。ファイバーポストの直径(φ1.0・1.2・1.4・1.6)のうち、どの太さが適していて、長さはどの長さが良いか?を簡単に測れるインスルツメントで、ファイバーポストの試適が不要となり、唾液等の汚染が避けられます。「ファイバーポスト利用時に便利そう」とニッチながらも「あると便利」な製品を多くの方がご覧になっていました。
クラレノリタケブースで注目を集めたのは同社新製品の『SAアタッチメントforアライナー』です。「ボンディング材不要」な自己接着型のアライナー矯正アタッチメント作成材料のため、アライナー矯正をされている先生からは、「矯正アタッチメント作成の時短に繋がった」と喜びの声が多いとのことでした。
ライオンブースでは、ラウンド毛とスーパーテーパード毛のフラットダブル植毛の『チェックアップ歯ブラシ』の新製品「WIDE」タイプが注目を集めていました。「少し当たりが硬め」な印象を持たれた方も多かったチェックアップ歯ブラシも「WIDEは表面積が増えたため当たりが軽めで優しい感じ」と感じる感触をブラシに触ることで多くの方にご実感いただいていました。さまざまな新製品が注目を集めるモリタ及び同社経由販売が多いブース各社でした。

世界でミリングマシンを超えた!?3Dプリンターの大きな進展と今後
カナダ/インドに拠点をおく市場調査会社Precedence Research社の市場調査資料によると、世界の歯科市場では2024年に歯科用ミリングマシン市場規模額を上回り、今後さらに大きく市場が拡大していくと予想されている歯科用3Dプリンター。日本における現在の市場規模は、保険導入等で先行する歯科用ミリングマシンが大きいですが徐々に増えつつある3Dプリンター需要。
今回のデンタルショーでは新しく展示があるなど、注目を集めていました。


ミリングマシンと比べると3Dプリンターは、材料利用効率の差(歩留まり)、複雑な形状(アンダーカット、中空)にも対応可能、バーや冷却水のランニングコスト、製作時間・同時生産・大量生産性に優れる一方、精度はミリングマシンが上といった意見が多かったですが、最近の3Dプリンターは精度も上がってきています。
また、ロングスパンの症例では、長くなるほど、「面」で加工する3Dプリンターの方が逆に精度も良好になりやすいといった話も聞きます。さらに、使用できる材料の幅も広がりつつある3Dプリンター。保険利用範囲が広まってきたミリングマシンは、生産性を格段に高め、日本の保険診療において、まずは第一に導入検討をいただきたいデジタル技工機械ですが、+αとして、3Dプリンターの面白みや将来性にも興味を持っていただけたら幸いです。
その他各社から、さまざまな3Dプリンターや材料が展示され、多くの方々の注目を集めていました。
コバルトクロムの金属をそのままプリントできる3Dプリンターなども、今回のデンタルショーでは新しく展示があるなど、注目を集めていました。


まとめ
今回は特に、使える材料の幅も広がり今後のさらなる発展が見込まれる各種『3Dプリンター』や、術者・スタッフ視点に立ち新たな利便性が加わった各種『歯科用ユニット』が多くのメーカーから新発表となり、多くの注目を集めていました。
また、新型『口腔内スキャナ』や『CAD/CAM』、使い勝手がより良くなった『マイクロスコープ』、出力切れ味UP+使い勝手UPの新『CO2レーザー』、新しいユニバーサル色『CR』や、薄型ヘッド+カーブネックで「より」磨きやすくなった『歯ブラシ』、わずか15分と効率的な『知覚過敏抑制剤(フッ化物トリートメント)』、嚥下機能や舌筋などを鍛えられる『筋トレ器具』、使い勝手がさらに向上した『ウオッシャーディスインフェクター』や、使い勝手や耐久性が更に向上した『5倍速コントラ』、5分浸漬洗浄がOKな『義歯/マウスピース洗浄剤』、『AIを活用して医院生産性を高めるサービス』など、新製品が注目を集めていました。
各社新製品ではなくても、人気な製品や、ニッチで今まで気づかなかった製品など、さまざまな製品を多くの方がご覧になっていました。
気になる製品等がございましたら、お気軽に弊社営業マンへお声掛けください。
現地の様子をより詳しく知りたい方は、株式会社シラネの公式サイトにてレポートを閲覧することができます。
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