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インタビュー 2025/07/05

歯周病専門医・弘岡秀明先生が明かすブルーラジカルの真実〜データと経験から見据える次世代治療〜

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WHITE CROSS編集部
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・歯周病専門医である弘岡秀明先生はブルーラジカルについてどう考えている?今回はWHITE CROSSが弘岡秀明先生に直撃インタビュー!

・従来の治療方法では限界を感じていた難症例へのアプローチや、患者のモチベーション向上に繋がるその魅力について、具体的なエピソードを交えながら深掘りする。

 

はじめに

歯周治療に革新をもたらす可能性を秘めた「ブルーラジカル P-01(以下、ブルーラジカル)・ペリミル」。歯周病に対する新たな治療方法として、導入医院数が加速的に増加し、年々その注目度も高まっている。

今回は歯周病専門医である弘岡秀明先生に、ブルーラジカル・ペリミル導入のきっかけから治療の核心、そして今後の展望についてインタビューを行った。

 

従来の治療方法では限界を感じていた難症例へのアプローチや、患者のモチベーション向上に繋がるその魅力について、具体的なエピソードを交えながら深掘りする。多忙な臨床現場で、患者により質の高い治療を提供するためのヒントがここにあるかもしれない。

 

弘岡秀明先生

弘岡秀明先生

 

ブルーラジカル導入のきっかけは、「これだ!」っと思った直感

Q.ブルーラジカルを導入されたきっかけや経緯について教えてください。

ブルーラジカルを使い始めたきっかけは、自分のやってきた研究や臨床の延長線上にあるんですよ。

 

メトロニダゾールやアモキシシリン、ヨードを使った研究はこれまでにもあって、それと同じことをブルーラジカルに期待したいと考えました。

 

そして私の医院で、たまたま適応症の患者さんがいたことから、日本での承認が下りてから初めてブルーラジカルを患者さんに使ってみることになったんです。治療後には「ずっと気持ち悪かったところが全然気持ち悪くなくなった!」とすごく喜んでくれましたよ。お礼にって、私の好きなウイスキーを一本持ってきてくれました。

 

歯周病専門医から見た、ブルーラジカルの「ここがすごい!」

Q.従来の超音波スケーラーとの違いは何ですか?

よく「従来の超音波スケーラーとどう違うんですか?」って聞かれるんですけど、根本的なアプローチが違うんです。

 

超音波スケーラー(左)とブルーラジカル(右)の作用機序の違い

超音波スケーラー(左)とブルーラジカル(右)の作用機序の違い

 

ヨードを併用した超音波スケーラーの効果についての研究があるんですが、これは細菌を殺菌するという点において、ブルーラジカルと共通する部分があります。

 

ブルーラジカルのチップは、日本でしか作れない特殊な技術が使われているんですよ。一般的なチップより少し太めで外径が0.7mmくらいなので、理論上は狭いポケットに入りにくいと感じます。しかし、チップから出る光や過酸化水素が効果を発揮してくれるんです。

 

ブルーラジカルのチップ

ブルーラジカルのチップ

 

 

Q.歯周病専門医として感じるブルーラジカルの特徴や優れている点は何ですか?

専門医として感じるブルーラジカルの最大のメリットは、外科処置を避けて治療を進められる可能性があることです。患者さんも外科処置は避けたいと考える方が多いですし、私たちも外科処置の数を減らせるならその方が良いですからね。

 

個人的には、薬剤の全身応用よりも局所応用の方がアイディアとして好きなんですよね。2017年のランダム化比較試験1)でも、12週時点のブルーラジカルの結果って悪くないでしょ。

 

あと、治療期間が短いのも特筆すべき点だと思います。従来の口腔内を4〜6ブロックに分割して行うSRPと比べると、ブルーラジカルは1回で治療できるんですよね。3〜6ヶ月でかなり良い結果が出るケースもあって、これは患者さんの負担を大きく減らせると感じています。

 

ブルーラジカルの魅力について語る弘岡先生

ブルーラジカルの魅力について語る弘岡先生

 

1)Kanno T, Nakamura K, Ishiyama K, Yamada Y, Shirato M, Niwano Y, Kayaba C, Ikeda K, Takagi A, Yamaguchi T, Sasaki K. Adjunctive antimicrobial chemotherapy based on hydrogen peroxide photolysis for non-surgical treatment of moderate to severe periodontitis: a randomized controlled trial. Sci Rep. 2017 Sep 25;7(1):12247. doi: 10.1038/s41598-017-12514-0. PMID: 28947757; PMCID: PMC5612933.

 

 

Q.インプラント周囲炎に対する治療方法の選択肢としてはどう思いますか?

インプラント周囲炎の治療って、やっぱり初期の段階がすごく大事なんですよ 。

 

私が出した結論としては、インプラント周囲粘膜炎、すなわちインプラント周囲炎の初期段階でブルーラジカルを使えば有効だということです 。なぜかというと、この時期だとまだインプラントのスレッドが感染しているかどうかの瀬戸際だからです 。もし完全に感染が進んでしまうと、もう骨の再結合(リインテグレーション)なんてできないんですよ 。

 

レントゲン写真なんかで悪くなってるように見えても、あれって急性症状でカルシウムが一時的に飛んでるだけだったりするんです 。プローブが入っちゃうっていうのも、その段階だったりする。だからね、「ブルーラジカルを応用するならできるだけ早い時期に」っていうのが私の結論なんです 。

 

誰も気づかないような初期の段階で、上部構造を外してプロービングをして、ブルーラジカルで介入する。これが、インプラント周囲炎を悪化させないためのポイントだと思っています。

 

インプラント周囲炎について語る弘岡先生

インプラント周囲炎について語る弘岡先生

 

 

Q.ブルーラジカルを使用した患者さんやスタッフの反応はどうですか?

ブルーラジカルによる治療を目的に来院する患者さんはね、本当にモチベーションが高いんですよ 。予約の電話口で「保険外の治療ですよ」と必ず伝えるんですが、「それでも治療してみたい」と来てくれるんですから 。

 

あとは、スタッフの反応も非常に良いですね。やっぱり、新しくて患者さんが喜んでくれる機器があるってことは、スタッフにとってもモチベーションになるんです 。患者さんも「この医院は新しい機器があるんだ」って思って来てくれるから、それはすごく良い相乗効果を生んでいますね。

 

自費で歯周治療を受けることで、セルフケアにおいても治療においても、患者さんのモチベーションが大きく変わってくるんですよ。ブルーラジカルという新しい技術の導入によって、医院全体の活気にも繋がっていると感じます。

 

 

導入時の課題や懸念は?どんな先生が使用するべき?

Q.ブルーラジカルの導入にあたって、課題や懸念点はありましたか?

もちろん良いことばかりじゃない。まず、初期費用が高いこと。それと、ハンドピースを落として壊れた場合、修理に40万円程度かかること。これは正直な課題です。でもね、「宣伝費より安い」って考えたら、投資する価値は十分にあるとは思います。

 

あとは患者さんが「ブルーラジカルさえ使えば、何でも治る」って誤解しちゃうこと。これは困りますね。ブルーラジカルだけでは治らない、その後の徹底的なプラークコントロールが重要ということをしっかり説明する必要があります。そこで患者行動変容アプリ「ペリミル」があるんだよね。

 

それに加えて、保険診療との兼ね合いどうするかということも課題かもしれません。うちは自費診療が中心なので、この点はあまり問題になりませんが、保険医の先生たちにとっては課題になるでしょう。

 

チップの形状や、長期的なデータがまだ少ないという懸念もありますが、これは今後の研究開発や臨床研究で解決していくと期待しています。

 

 

Q.どのような課題を感じている先生に使ってもらいたいと感じますか?

どんな先生に使ってもらいたいか?それは明確です。

 

いちばんは、患者さんが多すぎて、なかなか一人ひとりに時間をかけられない地方の先生ですね。手術の時間が取れないとか、患者さんが外科処置を望まない場合でも、ブルーラジカルなら1回のアポイントで効果的な治療を提供できる可能性がありますから。

 

あとね、専門医ではなくても、歯周病の知識をしっかりもっている先生方。そういう患者さんを本当に治したいという意欲がある先生には、ぜひ使ってもらいたい。炎症のコントロールがむずかしい患者さんにも有効な選択肢になるはずです。

 

ブルーラジカルを患者に使用する弘岡先生

ブルーラジカルを患者に使用する弘岡先生

 

弘岡先生が考える、今後のブルーラジカルの可能性と展望についての率直な意見は?

Q.今後のブルーラジカルの可能性や展望について教えてください。

ブルーラジカルは、今後の歯周病治療において、非外科的処置の柱になる可能性を秘めていると確信しています。一般の方々への認知度も上がってきているので、これをきっかけに歯周病治療そのものへの関心が高まっていくことを期待しています。

 

また、ブルーラジカル自体の臨床データが少ないので、私も臨床ケースを積み重ねて、その有効性をさらに証明していきたいですね。

 

ブルーラジカルの今後の展望は?

 

 

***

 

 

弘岡先生へのインタビューから、ブルーラジカルが単なる治療機器にとどまらず、歯周治療の新たな可能性を切り開く存在であることが伺えた。

 

非外科的処置の選択肢の拡大や、効率的な治療の提供、そして何よりも患者やスタッフのモチベーションが向上すること。これらの点は、日々の診療に課題を感じる多くの歯科医師にとって、大きな魅力となりうるだろう。

 

高額な初期投資や患者とのコミュニケーションの重要性など、導入への課題も踏まえつつ、今後のデータ蓄積と技術革新によって、ブルーラジカルが日本の歯周治療をさらに発展させることを期待せずにはいられない。

 

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執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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