歯科医療の未来予測 2017 第1回「日本社会における医療」
ニュース 2017.01.14

歯科医療の未来予測 2017 第1回「日本社会における医療」

WHITE CROSS編集部

人にできる仕事の大半は人工知能(AI)に取って代わられる可能性がある。衝撃的とも言える論文を、英国オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らが発表したのは2013年のことだった。

 

多くの未来予測は、あくまで予測で終わるものも多い上に、遠い未来の話のように受け止められることが多い。その一方で、近年の AI や IoTなどテクノロジーの進化には眼を見張るものがある。昨年3月には、米国グーグルが開発した囲碁AIが、世界トップクラスの棋士に4勝1敗で完勝した。囲碁AIが棋士を破るにはまだ10年はかかると言われていたが、数千万に及ぶ打ち手を学び、AI同士での対局を重ねて、人間をはるかに上回る速度で成長した結果だという。

 

歯科医療従事者にとって AIやIoTの進化は、遠い世界や未来の話のように感じられるが、医療 × テクノロジーの流れは多少なりとも歯科医療に影響を与え始めている。

 

10年前の2007年1月、故スティーブ・ジョブズ氏が率いるアップルは全く新しい携帯電話として iPhone を発表し、それからわずか10年でスマートフォンは全世界に普及し、人々と情報との距離は一気に縮まった。2016年7月の段階で、日本社会におけるスマートフォンの利用率は72.2%で、過去4年間で2.2倍に増加している。

 

 

 2007年にもどって、歯科医院の院長に「10年後には患者さんは歯科医院の情報を、今は存在しない新しい携帯電話で検索して予約をしてきます。そして携帯電話で地図を見ながら来院します。待合室でも、携帯電話で本やニュースを読んだり動画を見たりしてます。」と伝えたとして、どの程度受け入れられただろうか。

 

2017年現在、全ての患者さんがこのような行動をとるわけではないが、”そういう患者さんもいる” ことは当たり前のこととして受け入れられるようになり、それに合わせた歯科医院向けの集患サービスなども目新しいものではなくなってきている。

 

もっともこれは歯科診療の変化ではなく、社会の発展と患者さんの行動の変化が歯科医療に与えた影響の1例に過ぎない。当たり前のことだがテクノロジーの進歩のみを切り口に、歯科医療の未来を考えることはできない。

 

歯科医療の未来を考えるには、社会全体の変化や国家戦略、医療・介護の提供方式の改善、2025年を目標に構築されようとしている地域包括ケアシステム。そこにおける歯科医療に求められる役割、そしてそれらを支えるテクノロジーの発展などを考慮しなければならない。

 

今回から始まるWHITE CROSSオリジナル連載『歯科医療の未来予測 2017』では、複雑に絡み合うそれらを紐解きながら、歯科医療の未来を考えていく。

 

連載予定

第1回: 日本社会における医療

第2回: 医療×テクノロジー と 歯科医療

第3回: 社会が求める歯科医療の変化

第4回: 地域包括ケアシステム と 歯科医療

第5回: 歯科医療が直面する課題 と 対策

 

次ページ 第1回 日本社会における医療

WHITE CROSS編集部
LINEで送る

人気記事ランキング

おすすめのセミナー