歯科衛生士の上げる点数は月平均30万点?!静岡県で大規模歯科医院を経営する麻生歯科クリニックではどんな予防が行われている?の画像です。
インタビュー 2025/02/26

歯科衛生士の上げる点数は月平均30万点?!静岡県で大規模歯科医院を経営する麻生歯科クリニックではどんな予防が行われている?

PR
WHITE CROSS編集部
Todoに追加しました
マイページのTodoリストを確認すると読み返すことができます。
Todo数が上限に達しました
追加済みTodoを完了してください。
エラーが発生しました
解決しない場合はお手数ですが運営までお問い合わせください。
Todoリストから削除しました
Todoリストに戻しました
エラーが発生しました
解決しない場合はお手数ですが運営までお問い合わせください。
お気に入り

・大規模歯科医院を運営する、医療法人社団ワンアンドオンリーの理事長 麻生幸男先生が予防歯科に目覚めたきっかけとは?

・麻生歯科クリニックのメインテナンスのチェアタイムは基本30分!患者さんにセルフケアを徹底してもらう秘訣とは?

 

 

はじめに

静岡県静岡市葵区、静岡鉄道の春日町駅を降りてすぐ、一際大きく佇む4階建ての歯科医院がある。麻生歯科クリニックだ。

 

麻生歯科クリニックは今年で開業26年を迎え、法人としては本院・小児歯科専門クリニック・矯正歯科専門クリニックの3医院を構える。スタッフは3医院合わせて合計74人と、誰もが認める大規模歯科医院で、これまで長きにわたって、地域住民の健康に寄与し続けてきた。

 

麻生歯科クリニック

麻生歯科クリニック

 

そんな麻生歯科クリニックの院長と医療法人社団ワンアンドオンリーの理事長を務めるのは、麻生幸男先生。

 

今回は麻生先生と、麻生歯科クリニックで15年臨床を続けている歯科衛生士の柿本薫さんに、麻生歯科クリニックの予防について、また、その根幹を支える歯ブラシについて伺った。

 

麻生歯科クリニック院長 麻生幸男先生(左)と歯科衛生士 柿本薫さん

麻生歯科クリニック院長 麻生幸男先生(左)と歯科衛生士 柿本薫さん

治療の技術を高めても、歯が守られていない…と感じていた開業初期

Q.麻生先生が予防歯科に目覚めた時期はいつ頃ですか?

麻生先生(以下、麻生):開業して5〜6年は、優先して自分の治療の技術を磨いていたんです。

でも、ある一定のクオリティで治療しても歯科疾患が再発するんですよ。自分が一生懸命頑張ったにも関わらず、再発していく。中長期的に見て、歯が全然守られていないことにいつも疑問を感じていました。

 

いま思うと、当時は定期検診やリコールに対して、歯科医師が介入する仕事ではないとどこかで感じていたんだと思います。

 

でも通院している中で口腔内が悪化している患者さんがいるという現実に向き合ったときに、予防歯科を学びたいと思い、山形県酒田市の日吉歯科診療所に足を運びました。そこで熊谷崇先生によるオーラルフィジシャンコースを受け、“これはおもしろい!”と思いました。すごく衝撃を受けましたね。

 

治療のテクニックを教えてもらうようなコースではなくて、「私たちは何のために歯科をするのか」という歯科医師である自分の存在理由について学ぶことができたんです。自分には、確固たる医療の哲学が足りなかったんだと感じさせられましたね。

 

では世界はどんな歯科治療を提供しているのか。これを次に見に行きたくなって、予防歯科に歴史がある北欧の歯科医学を学びに行くことにしました。

 

そしていざ行ってみるとね、やっぱり純然たる哲学がそこにはあったんですよ。

その医療の土台となる哲学の上に、治療技術や患者さんの気持ち、要望、エビデンスなんかが乗っかってくるわけで。今まで単純に歯科治療の技術だけを学んでいた自分が恥ずかしくなりましたね。

 

開業当初の麻生幸男先生(左)とスタッフの方

開業当初の麻生幸男先生(右)とスタッフの方

 

 

Q.予防歯科に目覚めてから、医院の運営はどう変わりましたか?

麻生:歯科医療の哲学を学んで思ったことは、「まずはじめに予防ありき」ということ。“これはみんなに広めないといけない”と感じました。自分がこういう思いで歯科治療をするというのを、仲間であるスタッフに共有し、チームプレーをしていかなくてはいけないと思いましたね。

 

自分の治療技術に対する評価ではなく、「チームとして患者さんの健康にどう貢献するか」というのが自分の中で大きなテーマになってきたんです。

そのためには自分の技量だけでなく、スタッフの力量や医院の環境も変えていかなければいけないと感じました。そしてそれが全部クリアできたら、来院する患者さんも変わるんじゃないかと思いましたね。

 

行く度に悪いところを指摘されて、再発を繰り返すようなメインテナンスって、患者さんも来たくないと思うんですよ。病気にさせないために通っているんじゃなくて、病気を見つけられるために通っているような状態になってしまう。そんなんじゃ歯科に通うのが億劫になってしまいますよね。

しかもそれって患者さんだけでなく、歯科医療従事者側も沈んでしまうんですよ。そうなるとお互いに距離ができるというか、遠ざかっていってしまうと思うんですよね。

 

なので、健康な状態を維持するためにメインテナンスを行う、健康という尺度で医療を行うと、医療の質を上げられるんではないかと考えるようになりました。

 

まず取り組んだことは、とにかくデータを取ること

 

例えば、10年分のメインテナンスのデータベースができると、10年で患者さんの歯は何本失われたか、何本、何歯面う蝕ができたかっていうことがわかりますよね。そういうことをスタンダードな医療として行っていくと、自分たちも患者さんも変わるし、ひいては地域全体が変わっていくと思いました。

 

麻生歯科にきたら健康を維持できる、それを5年、10年かけて患者さんに約束しないといけない、と自分で思っています。

 

麻生歯科クリニック院長 麻生幸男先生

麻生歯科クリニック院長 麻生幸男先生

 

麻生歯科クリニックのメインテナンスのチェアタイムは基本30分!セルフケアを徹底してもらう秘訣とは?

Q.麻生歯科クリニックのメインテナンスについて教えてください。

麻生:当院では、基本的に30分のチェアタイムでメインテナンスを行っています。定期的な資料収集等で時間が必要なときは、もちろん長めにアポイントを押さえますが、基本的に患者さんの口腔内がきれいなので、スケーリング等のクリーニングを何十分も行う必要がないんです。

 

決して短い時間で無理矢理チェアを回しているのではなく、「メインテナンスに必要な時間が30分」というだけなんですよね。なので、歯科衛生士1人で1日に15〜16人の患者さんを診ることになります。

 

担当患者を多く抱える歯科衛生士には1人1部屋ずつ個室が割り当てられ、現在予防専用のフロアにはユニットが12台あります。新卒の歯科衛生士は治療のアシストなどの業務から始めるので、まず最初の目標として「個室を使えるようになる」というのはあると思いますね。

 

各個室にはエアーポリッシャーやマイクロスコープが設置されているので、歯科衛生士としてのスキルをフルに活用してもらっていると思います。

 

当院でいちばん点数を上げている歯科衛生士だと月に37万点、平均でも30万点前後は上げている歯科衛生士が多いですね。

 

麻生歯科クリニックの歯科衛生士専用ユニット

麻生歯科クリニックの歯科衛生士専用ユニット

 

 

Q.予防歯科の根幹となる歯ブラシにクラプロックス製品を選んだ理由は?

麻生:北欧でカリオロジーについて学んでいたとき、大学の主任教授の先生がこういったんですよ。

患者の口の中に何を入れるのかではなく、患者が何を入れるのかが大事。

 

それが今でも自分の中にものすごく残っていて。

予防歯科は、患者さんが主体的に自分の口腔内に向き合ってもらわなくちゃいけない。そうなると、「どんな歯ブラシを使うか」ということにもこだわりが出てくるんですよね。

 

僕自身は、クラプロックス製品のルーツとなるiTOPが患者教育を大事にしているところにいちばん惹かれました

 

歯ブラシや歯間ブラシに哲学とサイエンスが凝縮されているんですよね。歯間空隙のサイズをプローべで測るようなことって今までなかったじゃないですか。健康になっていく指標がわかりやすいんですよね。これって歯科衛生士冥利につきると思うんですよ。

 

歯ブラシって人類最強の発明品だと僕は思っていて。自分で自分を健康にできる道具ってすごい発明だと思うんですよね。

 

その中でもクラプロックスは、日常にアクセントを与えられるような製品だと思います。洗面所に置いておくだけでも絵になるような…生活の彩り方がうまいんですよね。この歯ブラシを雑に扱う方ってあんまりいないんじゃないかと思っています。

 

私たちって歯ブラシの専門家のはずなのに、歯ブラシの毛先のクオリティや硬さについて詳しく学んだことってないんですよね。自分の好みに左右されやすいんですよ。でも、クラプロックス製品には科学的な根拠に基づいて開発されてきた歴史や背景がある。それってすごくおもしろいことだと思うし、しっかりとブランディングされていると思うんですよね。健康を守ることを約束してくれる医療ブランドで、企業フィロソフィーの浸透が惹かれる所以です。

 

麻生歯科クリニックで管理されているクラプロックス製品

麻生歯科クリニックで管理されているクラプロックス製品

 

 

Q.クラプロックスを導入する際に取り組んだことや、導入後の院内の変化について教えてください。

麻生:まずは歯科衛生士自身に歯ブラシの良さを体感してもらって、納得してもらうことが大事だと思ったので、iTOPの講師の先生を医院によんだり、スタッフにiTOPセミナーを受けてもらったりして土台を作っていきました。

 

すると、“これが本物の予防歯科だ”と感じたスタッフがどんどん感化されるんですよね。それまでただただ自己流で、バス法一辺倒の指導をしていたのが、ステップバイステップで教えることができるようになったと感じます。

 

そういった考えを院内で統一できるようになったのは、非常に良かったと思いますね。

 

柿本さん(以下、柿本):日本でいちばん最初に開催されたiTOPセミナーに、麻生歯科クリニックの歯科衛生士4人で参加したんです。それで、4人とも“これは良い!”と思ったんですよね。“クリニックに持ち帰って、歯科衛生士にも歯科医師にも、いろんな人に知ってもらいたい”と思いましたね。

 

それで院内で情報を共有して、当時30名ほどいたスタッフ全員に一通りクラプロックス製品を体感してもらったんです。ある程度規模が大きいクリニックだと、全員が納得しないとなかなか導入がむずかしいと思っていたので、iTOPセミナーに参加した4人が「Touch to Teach」で指導しました。

 

麻生歯科クリニック歯科衛生士 柿本薫さん

麻生歯科クリニック歯科衛生士 柿本薫さん

 

 

Q.患者さんにはどんな変化がありましたか?

柿本:クラプロックスの歯ブラシを導入するまでは、市販で「ふつう」の硬さの歯ブラシを使っている方が多く、力加減がうまくできない患者さんがいらっしゃいました。市販の「ふつう」の硬さって、私たちからすると割と「かため」に感じることが多いんですよね。

 

当院でメインテナンスに通っている成人の患者さんは真面目な方が多いので、磨き過ぎてしまうことで、力が入りやすい部位の歯肉が退縮してしまったり、Hysが起こったり、といったトラブルに見舞われることが度々ありました。

そういった症状を改善するきっかけになったのが、クラプロックスの歯ブラシなんじゃないかと思っています。それで1回使い始めてもらうと、“気持ち良い!”と思ってもらえるので、そのまま続けて使ってもらうという流れが多かったですね。

 

当院の歯科衛生士は大体1人900名くらいの患者さんを抱えています。長年メインテナンスで通ってくださっている患者さんが多いので、担当歯科衛生士が本当に良いと思った歯ブラシや歯間ブラシをおすすめすると、比較的多くの方がスムーズに導入してくれるように感じますね。

 

麻生歯科クリニックの受付と物販コーナー

麻生歯科クリニックの受付と物販コーナー

 

 

Q.実際にはどんなアプローチをしているのでしょうか?

柿本:患者さんによって、植毛の本数やクーレン繊維®の特徴など、数値的な情報について詳しく説明する場合もありますし、毛のやわらかさや使い心地の良さ、気持ち良さを体感してもらう方が伝わりやすい方もいるので、そこは臨機応変にアプローチを変えています
実際に体感してもらう場合は、歯面の滑沢感を舌感で感じにくいと、清掃効果が伝わりにくいので、そこは意識するようにしていますね。

 

また、初診患者さんの場合、最初のブラッシング指導では歯ブラシよりも歯間ブラシを先行してすすめることが多いんですよ。そこで患者さんの意見や感情に耳を傾けるようなアプローチを行って、徐々に歯ブラシも変えていってもらうようにアプローチしていますね。

 

 

***

 

 

多くの地域住民の健康を、多くのスタッフのチームプレーによって支え続けてきた麻生歯科クリニック。

 

麻生歯科クリニックに小児から通院する患者さんの中には、麻生歯科の通院をきっかけに、歯科医師や歯科衛生士を目指す方もいるとのこと。そういったニュースを聞いたとき、麻生先生はとても幸せを感じるという。

 

「院外で地域の方と会っても気さくにあいさつができると、すごく充実する。」「予防歯科を始めてから、初めてその地域の方に迎え入れてもらえたと感じる。」そう話す麻生先生からは、とても深い患者さんへの愛情を感じた。

 

麻生歯科クリニックが約9年続けている予防歯科の概念を学べるセミナーはこれ!

株式会社クラデンジャパンが開催するiTOPセミナーは、患者が一生涯正しいブラッシングが継続できるよう、口腔衛生に関する知識を提供しながら、患者と一緒に考え、トレーニングを行うプログラム。

 

適切なプロケアとセルフケアの両輪を回せる術が学べ、ブラッシングに関する知識だけでなく、技術も同時に身につけることができる。

 

2025年上半期に開催されるiTOPイントロダクトリセミナーにも続々と受講者が集っている。ぜひこの機会に、多くの歯科医療従事者に世界レベルのOHIを学んでいただきたい。

 

iTOPイントロダクトリセミナーのお申し込みはこちら

iTOPイントロダクトリセミナーのお申し込みはこちら

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

記事へのコメント (0)

関連記事

人気記事ランキング

おすすめLiveセミナー

Top / ニュース / 記事一覧 / 歯科衛生士の上げる点数は月平均30万点?!静岡県で大規模歯科医院を経営する麻生歯科クリニックではどんな予防が行われている?