・スペースラインのものづくりを間近で感じるべく、スタディーグループPHIJのモリタ製作所の工場見学を密着レポート! ・機能性や人にやさしい設計をとことん突き詰める、職人技の数々や手作業の様子、ものづくりへのこだわりとは? |
はじめに
歯科ユニットといえば、1964年に世界初の水平位診療治療ユニットとして誕生したモリタのスペースラインを知らない歯科医療従事者は少ないだろう。
モリタ製作所の京都工場 ショールームのスペースライン
誕生から今年で60周年、歯科医療従事者に愛され続けるスペースラインは、どのように製造されているのだろうか?
今回は、そんなスペースラインのものづくりを間近で感じるべく、スタディーグループPHIJ(代表:築山鉄平先生)に所属する高屋翔先生と湯浅晨先生とともに、モリタ製作所で製造工程の工場見学を行った。
工場見学の様子は、ドキュメンタリー仕立ての動画を特別公開!この記事では、動画の見どころとものづくりのこだわりをダイジェストで紹介する。
モリタ製作所とは?
モリタ製作所の京都工場は、伝統の街京都市伏見区で歯科用機器や耳鼻咽喉科用機器、画像診断用機器、教育実習用機器等を開発・製造している。
先端技術と人間中心のデザイン・コンセプトを追求し、機能性だけでなく、患者さんの快適性や医師とのコミュニケーションを配慮した「人にやさしい診療空間」へのこだわりをもつ。
レトロな雰囲気が漂う赤レンガのモリタ製作所京都工場の外観
「ユニットは〇〇」自社製品へのこだわり
01:59〜機械加工
京都の工場では、背面板や、中に組み込まれる小さな部品まで、ほぼすべての部品を製造している。
先生方が特に驚きのリアクションを見せているのは、冒頭の会話部分。自社製品のこだわりを聞いて、工場見学への熱気が高まっていく。
部品の機械加工工程を見学
油圧制御ブロックについて質問する高屋先生
高屋先生:基本的に受注製造であるということを含め、僕が想像していた工場と全然違う。
モリタ製作所:ユニットは〇〇です。
高屋先生:このような細かい部品(ハンドピースを制御するブロック)に関して、他のメーカーさんとの違いはあるのですか?
モリタ製作所:自社製造へのこだわりの部分ですね。こちらのハンドピースを制御するブロックはタービンからのエアー漏れや水漏れを防ぐような部品です。他社のように既製品ではなく、自社で細かい部品まで製造し、品質管理を行うことで、ばらつきがなく、故障の少ない高品質のユニットが出せていると思います。
そんな部分にまで?人にやさしいこだわりと見事な職人技
05:45〜板金部門
モリタ製作所が作るユニットの部品は、見えない部分までの細かいこだわりがある。動画では、ものづくりのこだわりに関心した様子をみせた。
ネジを見せないものづくりのこだわりに感銘を受ける
職人が使う〇〇の道具に驚く湯浅先生
モリタ製作所:外装部品を樹脂で製造する他社製品も多い中、モリタのユニットは金属にこだわっています。金属にすることで、樹脂よりもユニットを実際の歯科医院で組み立てる際の再現性が高くなります。また、塗装した際に色褪せにくいという特長もあります。
高屋先生:まさに日本らしい、職人技ですね。
モリタ製作所:見えるところにネジが置かないようなこだわりもあります。患者さんがユニットを見た時にネジ穴が見えてしまうと少し怖い印象がありますよね。そのようなことがないように、できるだけ隠す工夫をしています。
湯浅先生:加工した部品の研磨も全部手作業なんですね。
塗装作業は今話題の〇〇?数十年前からのこだわり
09:44〜塗装部門
塗装工程では、最終的な塗装の前に下地の塗料を塗る工程を挟むことで、金属の傷を埋め、その後の合成効果を高めることができる。
動画では、訓練を重ねた職人のみができる塗装作業を激写。部品のパテ塗り作業に関しても、丁寧に一つひとつ行うことで、素材の凹み等を埋めている姿は非常に興味深い。
環境にやさしい粉体塗装の工程を見学する様子
丁寧な作業に興味深い表情の先生方
湯浅先生:部品一つずつ丁寧に塗装作業をしているんですね。
モリタ製作所:塗装作業は技術のいる熟練作業です。モリタ製作所の塗装は、数十年前から粉体塗装を採用しています。こちらで使用する塗料は、有機溶剤を一切使用していないので、地球環境にも非常にやさしい塗料ですね。
高屋先生:まさに〇〇ですね。
モリタ製作所:粉体塗装後は、ゴミやホコリの付着を徹底的にチェックし光沢を出すため丁寧に磨き組立職場へ送り込みます。
高屋先生:このような作業は当たり前ではないですよね。ユニットを見る目が変わります。
オーダーメイドのユニット作りへのこだわり
12:59〜組み立て部門
組み立て作業は、歯科医院の個別オーダーに併せて作業を行う。配管の部分をミリ単位で測定し、チューブ折れ等がないよう徹底的に確認作業を行う。
動画では、本来非公開である完成間近のユニット動作確認に、テンションが上がる先生方の表情に注目したい。
オーダーメイドの受注用紙を見ながら組み立て作業を行う旨を説明
組み立て後のユニットを見て〇〇がないことに感動する湯浅先生
モリタユニットの良さを語る高屋先生
モリタ製作所:約55項目から選択ができる、オーダーメイドに応じた組み立てを行っています。品質にこだわるという点では細かい部分までチェックします。
湯浅先生:(組み立て後の外装を見て)〇〇穴がない!
モリタ製作所:カバーの継ぎ目の隙間を均一にし、デザイン性を重視した構造になっております。
高屋先生:モリタのユニットは本当に壊れないんですよね。
工場見学の続きはドキュメンタリー仕立ての動画で公開中!
モリタ製作所で働く職人技の数々や手作業の様子、ものづくりへのこだわりに感銘を受ける先生方の姿は、動画で公開中。
動画の後半では、歴史資料館で先生方も驚きの明治時代のユニットや初期のスペースラインが登場!モリタのユニットについて熱く語った座談会の様子なども見応えあり。
17:01〜歴史資料館
20:24〜座談会
記事ではすべてお見せできてない、工場見学の全容をぜひご覧いただきたい。
動画の全編再生はこちらから