歯科技工士から被災地の未来を託す青少年への支援活動 / WHITE CROSS編集部

 

2011年3月11日、未曾有の大震災のあと、山本眞氏の声掛けにより数名の歯科技工士達が集まりました。

山本氏は阪神淡路大震災時のチャリティ講演会をおこなった経験があり、その経験を活かして技工士仲間に声を掛けた事が、この会の発足の始まりです。

 

それと同時期に、スイスの歯科技工士 Willi Geller氏 からも東日本へのチャリティーの応援供与が有り、セラミックの世界で最も有名な2人である「東洋の山本眞氏」と、「西洋の WilliGeller 氏」が、タッグを組んでチャリティー講演会をおこなうという歯科技工界の中でも歴史的に貴重な瞬間も実現しました。

  

それから4年、これまで2012年の1月22日の福岡会場講演会を皮切りに、名古屋会場(3月25日)、大阪会場(7月8日)、東京会場(9月17日)と4つの講演会を併催、9月30日の東京実習会をおこなってきました。

 

東日本大震災復興支援チャリティ講演会では、義援金の寄付先には実行委員で慎重に検討を重ねて「まなべる基金」に決定しました。

是非皆さんにも以下の「まなべる基金奨学生2013年度卒業報告」の動画を閲覧していただけると、きっと前回までに寄付していただいた方には被災者達の感謝が感じる事ができる事と思います。

 

 

 

Oral Design の創設者であるWilli Geller氏によるハンズオン 

oral design とは、世界の歯科技工士、特にセラミックスの歯を専門にしているセラミストにとって憧れのグループであり、またそのメンバーと仕事をしたい歯科医師も多く存在します。

 

このoral design の創設者が Mr. Willi Geller(ウィリー・ゲラー氏)であり、Mr. Geller が oral design を定義したのは1984年頃でした。

当時、歯科技工士は影の存在で、(現在の日本ではいまだにそうですが)患者さんが訪ねるのは歯科医師だけで、歯科技工士という職業が存在することさえ知らない時代でした。

 

そこで 「今こそ歯科技工士の仕事をアピールすべき」と定義したのがこの oral design というグループです。

口の中をデザインし、創造的に仕事をする歯科技工士をoral designと定義することで歯科技工士という職業の存在を知ってもらうことが始まりだったのです。 

 

世界では日本人の技工士技術が認められ、日本人の技工士を雇っていることがそのオフィスのステイタスになるくらいになっているので日本でもこれからもっと歯科技工士の存在が浸透し、患者様の方から「この技工士に作ってもらいたいのでこの歯科医院に来ました」という時代が早く来るように願っています。

青島デンタルオフィス院長のブログより抜粋

 

当時、W.Geller氏はこう言いました。

「こういったチャリティ、義援金は災害の直後にはみんなおこなうが、数年経つとみんな災害の事を忘れてしまう。時期を開けておこなう事の方が義援金として大切な事なんだよ。」

 

W.Geller氏は、こういった手作りの日本の大きな講演会等の日本人の協力体制に非常に興味を持っており、日本のこういった形の講演会に心地よさを感じているのかもしれません。

oral designグループは世界のメンバーが各地で同じ規模の講演会を行っており、日本人独特の協力体制の様な形は他国ではあまりみられないらしく、日本人の潜在意識の中にある「和」に対してW.Geller氏は何かを感じているのかもしれません。

 

そんなW. Geller 氏による、Geller 氏作製のベニアセットとポーセレン実習会が同日程で行われます。

その実習会見学の、歯科医師枠にのみ数名のみ空きが出たそうです。

めったにない機会ですのでご興味のある先生は http://sendai-416-417.jimdo.com/ よりお早めにお申し込み下さい。

 

2日間に渡り38名の演者がリレー形式で講演を行う新たな挑戦

 

幅広い分野の専門家による講演会を動画により世界に公開しているTED のプレゼン形式からヒントを得て、短時間に集約した講演を行い、演者がリレー形式で次演者へと繋げていく講演会です。短時間ということに不安を感じがちですが、かえって要点に絞った内容となり、幅広い分野の沢山の演者から多くを学ぶことができる画期的な講演会となっています。

 

そしてこの2日間に渡る公演では、出来るだけ経費の掛からない会場探しから始まり、機材に関してはメーカーから無償で借りる手配をし、スタッフの経費に関しても常に持ち出しでおこなっているそうです。

もちろん海外(スイス)から参加のW.Geller氏も旅費、宿泊費は、彼自身の持ち出しであり、W.Geller氏も謝礼は一切受け取っていません。

 

それは他の全ての演者に対しても同じ事が言えるのであり、とにかく徹底して無駄な経費は掛からぬよう排除し、他では類を見ない講演会組織です。これは山本眞氏の指導が有ったからこそ成し遂げられた事でしょう。

 

そして会場費用・諸経費以外のすべてを被災地の未来を支える青少年の育英資金に全額寄付をおこなっています。

 

まなべる基金へのご協力を

今回で5回目となる東日本大震災復興支援チャリティ講演会も、沢山の演者をお迎えし被災地仙台にて開催する運びとなりましたが、残念ながら会場定員 の1000名に達し、満員にて募集の方は締め切りになってしまいました。 

ただ、主旨であります「被災地の未来を託す青少年への支援活動」につきましては皆様からの寄付という形でご参加していただくことが可能です。

皆様のご協力をお願い申し上げます。

 

画像クリックでお申し込み画面へ 

 

東日本大震災復興支援チャリティー講演会 HP

 

公益財団法人東日本復興支援財団 まなべる基金HP

 

 

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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