【新製品】操作性抜群!固めるまで固まらない義歯床用裏装材が登場! / WHITE CROSS編集部

突然ですが、先生はパーシャルデンチャーの裏装時に、口腔内から外せなくなって焦ったことはありませんか?

吸収した顎堤の適合を回復する裏装材は義歯臨床においてとても魅力的な材料である一方で、約8割の先生が外せなくなりそうになった経験があるそうです。

 


株式会社トクヤマデンタルの新製品「トクヤマ ヒカリライナー」は、光硬化を取り入れることで、アンダーカットなどに対する操作性の克服に成功しました。

本稿ではその特徴を、3名の先生の臨床症例とともにご紹介します。

 

 

特徴① 取り外しが容易でストレスフリー

トクヤマ ヒカリライナーは、光照射するまで口腔内ではゴム状で弾性体のままなので、パーシャルデンチャーなどのアンダーカットに入っても簡単に取り外すことが可能です。

また、低臭気・低刺激な材料を用い、口腔内で硬化発熱による刺激がありません。

 

口腔内ではゴム状の弾性体を維持する

 

 

case1 動かさないので沈下知らず?下顎遊離端義歯に対する床裏装

綱川周平先生(茨城県笠間市 つなかわ歯科医院)

 

主訴は「左下にものが入る」。フィットテスターの状態(図1-1)では、一見粘膜面の適合は良いように見えるが、レストが遠心にずれ、遊離端部分が沈下していることが分かる(図1-2)。

 

図1(左) / 図2(右)初診時に行った義歯適合試験(フィットテスター)

 

遊離端義歯では、顎堤吸収に伴う義歯の沈下によってレストが遠心にずれてしまう(図1-3)。そのため、レストが遠心にずれないように裏装を行う。レストを手圧で押さえて行った適合試験では、左側臼歯部粘膜面の不適合が確認できる(図1-4)。

 

図1-3(左)義歯が沈下するイメージ /  図1-4(右)レストを押さえた状態で義歯適合試験を行った

 

トクヤマ ヒカリライナーの使用方法は、従来と変わらない。粘膜面を一層削合して接着材を塗布し、裏装材を指定の粉液比で混和したら、義歯内面に盛り付ける(図1-5)。口腔内に挿入後は、レスト部を押さえて3分以上圧接保持する。

 

これだけの時間を保持しても、弾性が失われないため、アンダーカットに入っていても容易に義歯を取り外すことができる(図1-6)。

 

図1-5(左)/ 図1-6(右)口腔内に挿入までも余裕のある操作時間を確保できる

 

義歯を取り出した後は、ディスポ容器に40〜60℃のお湯を入れ、裏装面を上に向けて義歯を漬ける(図1-7)。その上で専用ポータライトを用い、5分間の光重合を行う(図1-8)。トクヤマ ポータライトは非常に省スペースなので、院内での配置には困らない。最後に形態修正後・研磨後に適合試験を行い、適合が改善された(図1-9)。

 

図1-7(左)お湯+光照射はトクヤマ ポータライトならではの特長 / 図1-8(右)トクヤマ ポータライト

 

図1-9 沈下しやすい遊離端義歯も問題なく適合を回復することができる 

 

特徴② 余裕のある操作時間と良好な流動性

トクヤマ ヒカリライナーは、化学硬化型のように、硬化途中で出し入れをする必要はありません

 

混和開始から4分以内に義歯に盛り上げ、5分以内に口腔内へ挿入します。必要に応じて筋形成を行ったら、あとはゴム状(弾性体)になるまで3分間保持をします。このように、挿入後も余裕のある操作時間を取ることが可能です。

 

また、硬化前であればエバンス等で簡単に余剰部分を除去できます。

 

トクヤマヒカリライナーの操作時間(目安)

 

 

case2 残根上の部分床義歯へのリライニング(高い流動性を利用したケース)

糟谷勇武先生(静岡県浜松市 糟谷歯科医院根上がり松診療所)

 

訪問診療においては、さまざまな理由で残根歯を処置せず義歯修理をしなければならないケースも多い。トクヤマ ヒカリライナーは流動性を操作できるため、高い流動性を利用すると、残根歯上のリライニングも可能であることを供覧する。

 

下顎両側臼歯部はほぼすべて残根歯であり、患者本人の体力低下の問題で、治療よりも義歯の修理を優先した。


図2-1 初診時の口腔内の状態

 

他院にて製作された部分床義歯を確認すると、鉤歯に対してレストが設計されておらず、両側粘膜面が沈下する状態であった(図2-2)。フィットテスターによるチェックをしたところ、義歯内面と残根歯の間に空隙が生じ、義歯内面が粘膜面に強く当たっていることを確認した(図2-3)。

 

図2-2(右)他院にて製作された義歯 / 図2-3(左)粘膜面適合状態のチェック

 

この義歯をリライニングし、鉤歯との接触面を拡大鏡にて観察したところ、大きなアンダーカットの存在を確認した(図2-4)。多くの場合、残根歯は複雑な形態をしており、歯頸部にアンダーカットが存在することも多いが、弾性体を持つトクヤマ ヒカリライナーなら問題なくリライニングを行える。

 

図2-4 残根歯周囲はアンダーカットが多く存在する

 

リライニング後は、トクヤマ ポータライトにて光重合を行う。効果後のチェックでは、流動性の高い状態のトクヤマ ヒカリライナーを用いることにより、残根歯との適合が向上し、レストがなくとも残根上で義歯が支えられ、粘膜面の沈下が抑えられた(図2-5)。

図2-5 光硬化後のフィットテスターによるチェック 

 

特徴③ 優れた切削・研磨性

トクヤマ ヒカリライナーは、強度と柔軟性を兼ね備えた、割れにくい物性を有しています。また、化学硬化型の製品と比較して、硬化直後から表面硬度が高いため、良好な切削・研磨性が得られます


表面構造の硬さは、臨床現場ですぐに感じられる特徴のひとつ

 

 

case3 口腔開閉指示が届かなくても十分に操作可能!認知機能低下が見られる患者さんの下顎義歯のリライニング

鈴木邦治先生(愛知県豊川市 鈴木歯科)

 

患者は下顎の義歯を装着すると痛むのか、義歯の装着を嫌がってしまうことを主訴に、ご家族と共に来院された。認知機能の低下があり、術者の指示が伝わりにくい状態であった。

 

連結された補綴物の歯間部や歯頸部にはカリエスが見られ、複数のアンダーカットの存在があった(図3-1)。このような口腔内は、従来のリベース材ではアンダーカット部で硬化してしまうため難易度が高く、口腔内から撤去するタイミングも難しいと言える。

図3-1 初診時の口腔内の状態

 

使用していた義歯内面をフィットテスターにて確認(図3-2)したところ、右側臼歯部の強いあたりと、口腔内の傷が見られた。そこで義歯内面は削合調整し、トクヤマ ヒカリライナーでリライニングを図ることとした。

図3-2 術前の適合試験


材料は、気泡の混入を防ぐためにラバーカップに先に液を入れ、粉と液が馴染んだらゆっくりと混和する。トクヤマ ヒカリライナーは口腔内で完全に硬化することがないため、意思疎通が難しくても十分に操作時間を取ることができる。今回も、筋形成をした後に、口腔内で5分ほど適切位置で保持した(図3-3)。

 

 図3-3 筋形成後の義歯。アンダーカットがあっても取り外しは用意だった

 

口腔内から取り外した義歯は、トクヤマ ポータライトによる光重合を行う(図3-4)。トクヤマ ポータライトは軽量でコンパクトな設計のため、訪問診療であっても十分に持ち運びが可能。また、従来のリライン材に比べ硬化直後の表面硬度が硬く、切削時にレジンがバーへ巻きつきにくいことも、大きな特徴である(図3-5)。

図3-4(左)トクヤマ ポータライト / 図3-5(右)硬化後は硬いので、余剰レジンの除去がしやすい

 

リライニング後は、嫌がることなく義歯を装着できるようになった(図3-6)。

図3-6 リライニング後の適合試験の様子

 

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