千葉県民の皆様へ 〜新型コロナウイルスと闘うために〜 千葉県歯科医師会 / WHITE CROSS編集部

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、緊急事態宣言が発令されて1月が過ぎた。5月6日までを一つの目安とされていた宣言が延長された一方で、日本国内での新規感染者数は4月中旬に山を越えており、安倍晋三首相は5月を「収束のための1か月」と位置付けた。この1週間で、経済再開の出口戦略についての議論がなされるようになってきたことからも、4月中旬の混沌期には見えなかったトンネルの出口が、少しづつ近づいていることを感じさせられる。

 

それでは、歯科医療界としての真の出口は、どのタイミングで見えてくるのであろうか。歯科治療を通じた感染が1件もないのにも関わらず、各種メディアによる煽るような報道により生まれた歯科医療への恐怖は、歯科医療界が真の出口を迎える上で是正しなければならない"ひずみ"と言える。社会全体が平時に戻れば、自然消滅していく可能性の高い"ひずみ"ではあるが、歯科医療は一般的に理解されている以上に、人々の健康に影響を及ぼしている必要不可欠な医療である。

 

歯科医療の受け手である国民のためにも、歯科医療界として積極的に適切な情報発信を行い、早期に"ひずみ"を解消していくことが求められている。

 

 

5月3日、千葉県歯科医師会はそのホームページ上で、千葉県民に向けての情報発信を行った。そして5月6日、砂川稔会長によるビデオレターを公開した。

 

WHITE CROSSでは、日本国民に "届けたい言葉" として、千葉県歯科医師会に許可をいただきメッセージとビデオレターの掲載をさせていただいた。

千葉県民の皆さまへ ~新型コロナウイルスと闘うために~

千葉県歯科医師会

出典: YouTube_千葉県歯科医師会_「-新型コロナウイルス対策-重症化予防のための歯科からの提言」

 

 

新型コロナウイルス感染が拡大し県民の皆さまは不安な日々を過ごされているのではないでしょうか。外出を控える中で継続してきた歯科診療を中断している方が多いことと存じます。私たち歯科医師は、治療の中断による口腔内疾病の重症化のみならず、全身に及ぼす影響を懸念しています。決して自己判断で診療を中断するのでなくかかりつけ歯科医に相談してください。

口腔内の症状を放置すると・・・
① 歯周病の進行は、心疾患、脳血管疾患、糖尿病を悪化させる可能性がある。
② 口腔内の細菌による誤嚥性肺炎リスクが高まる。
③ 口腔細菌がインフルエンザウイルスの感染促進に深くかかわるばかりでなく、抗インフルエンザ薬の効果を著しく低下させることが明らかとなっている。

良好な口腔環境を維持することは細菌性の誤嚥性肺炎、インフルエンザのみならず新型コロナウイルス感染にも有効であることを示唆しています。感染予防ならびに重症化予防策として、日常の口腔ケア、口腔健康管理を心がけてください。

 

今、歯科医療現場では歯科医師、スタッフが感染のリスクの中で闘っています。今般の新型コロナウイルスに関して新たな見識を踏まえて、歯科医療現場ではより一層の感染防止の策を講じています。現時点で全国の歯科医療における院内感染の報告は一件もありません。県民の皆さまに良質、安全、安心な歯科医療を提供できるよう最大限の努力をしておりますのでご安心ください。 


千葉県歯科医師会会長 砂川稔

 

出典: YouTube_千葉県歯科医師会_「千葉県民の皆さまへ~新型コロナウィルスと闘うために~」

 

 

千葉県歯科医師会の活動を受けて

千葉県歯科医師会は4月16日、出口が全く見えない混沌期において、歯科医療従事者に向けたメッセージを発し、その心に寄り添った。

 

 

そして、経済再開が議論され始めたこのタイミングで、今度は県民に対してのメッセージを発した。それらはまさに時流を捉えた対応であり、歯科医師会の存在価値を示した対応といえるのではなかろうか。

 

with コロナ・after コロナの日本社会において、国家・国民のために歯科医療が少しでも早くその価値を適切に提供していけるように、今まさに歯科医療界として"ひずみ"を解消していくことが求められている。砂川会長の言葉が、一人での多くの千葉県民、そして国民に届くことを願う。

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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