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ニュース 2024/09/13

デジタル印象が身近に!次世代口腔内スキャナーの発表会が開催

WHITE CROSS編集部

9月1日、ベルサール東京日本橋にて、株式会社ヨシダの新製品発表会&講演会が行われた。

今回お披露目となったのは、次世代口腔内スキャナーの一つとして注目される「コエックスi500」。

 

WHITE CROSSでは、歯科医師・歯科技工関係者の注目を集める次世代口腔内スキャナーの使用感や実際について取材を行ったので、ご紹介したい(記事中にデモ動画を掲載)。

 

口腔内スキャナー(IOS)とは?

口腔内スキャナー(IntraOral Scanner)は、レーザー等の光により支台歯などの口腔内の情報を直接読み取る装置。光学印象と呼ばれる印象採得の一手法である。口腔内スキャナーによって読み取られた情報は、コンピュータによりデータ化され、モニター上で立体的に描画される。これにより、補綴物のデザイン(CAD:Computer Aided Design)と、作成(CAM:Computer Aided Manufacturing)までをコンピュータ上で行うことが可能となる。

 

コエックスi500を実際に使用している様子

 

アルジネートやシリコン印象材を使用した従来法と異なり、印象材や石膏を使用して模型を作成・配送する一連の業務が削減されるため、コストの削減や業務効率化、患者負担の軽減など、歯科医療の現場を変革する「デジタルデンティストリー」として注目されている。

2014年の保険改定で、レジンブロックを使用したCAD/CAM冠が保険収載されたことでも大きな話題となった。

国内では2000年代前半にデンツプライシロナ社がCEREC(セレック)を販売し、その後各社から次々と新製品が販売されている状況だ。

 

次世代口腔内スキャナーは何が違うのか?

もっとも注目されているのはやはりその価格だ。

現在販売されている口腔内スキャナーは、500万〜1,000万という高額なシステム価格となっている。そのため、一般的な規模の歯科診療所では投資額の回収が困難であることもあり、その普及率は4〜5%程度にとどまっているのが実情だった。

 

しかしながら、今回発表されたコエックスi500は本体価格が250万となり、保険診療におけるCAD/CAM冠を効率よく作成する上でも、ようやく現実的なラインに入ったといえよう。口腔内スキャナーの使用に保険点数が付与されれば、その投資効率はさらに改善することになる。

 

実機と3Dプリンタにより作成された模型

 

性能の面でも、本体重量が300gを切る軽量化を実現しつつ、上下顎の全顎印象と咬合採得を2分以内のスピードで行うことができるようになり、まさに次世代型口腔内スキャナーとして関係者の注目を集めている。
今回のゲストスピーカーであるDr. Christian Brenes(米,アトランタ州開業,補綴専門医)のデモでは、1分48秒で全顎印象が完了した。従来法の印象採得から石膏注ぎまでが15分程度とすると、驚愕のスピードだ。

 
 
Dr. Christian Brenesによるデモ(5分20秒)

 

[講演会レポート]デジタルデンティストリーの潮流を知る

ゲストスピーカーのDr. Christian Brenes(米,アトランタ州開業,補綴専門医)

 補綴専門医として大学でも教鞭をとるDr. Christian Brenesは、デジタルなしでの臨床はもはや考えられないと話す。問題は、どこまでをチェアサイドで行い、どこまでをラボに任せるかを各々考えること「Different Practices, Different Needs」だと語った。また、自身の前歯でトライアルした症例や全顎審美症例を供覧し、補綴の質に関しても満足のいくものであることを強調した。

 


(左上)Medit社CEO Minho Chang氏 /(右上)奥田祐司先生 / (左下)富樫宏明先生 / (右下)山下茂子氏

 

続いて、国内スピーカーにより口腔内スキャナーの実際が解説される。トップバッターは東京亀戸で開業する奥田祐司先生。『IOS時代のマテリアル選択』と題し、口腔内スキャナーの撮影法やラボとの連携の仕方、マテリアルの材料学と選択法について解説した。デジタル化には、従来法を簡便安価にする目的と、従来不可能だったことを可能にするという2つの目的があるのだと語った。

佐賀県で4院の医療法人を経営する富樫宏明先生は、人口減少時代、従来のように勤務医やスタッフを多く雇用して経営を成り立たせるのは困難であると指摘する。機械化・AI化を推し進める中、口腔内スキャナーを起点に診療と技工が大きく効率化したそうだ。

デジタル機器は毎年日進月歩であるため、いつ導入するかが常に話題となるが、昨今の口腔内スキャナーによって作成されたCAD/CAM補綴物の精度は、臨床的に充分許容される域に達していると結んだ。

 

大阪のデジタル専門ラボ「dental digital operation」の専務歯科技工士を務める山下茂子氏。山下氏のラボでは、メールやチャットを通じて、全国のドクターから受注や技工指示を受けている。再製率は低下し、模型の移動は片道だけとなるなど、デジタルは歯科技工士にとっても救いのツールだと語った。女性の歯科技工士が男性よりも多く在籍しているのが何よりの証拠だという。



口腔内スキャナーの体感がその場でできる

 

義歯臨床の人気講師・前畑香先生。新製品発表会ということもあり、オピニオンリーダーの参加も目立った

 

 

***



デジタル化の波は待ったなしで押し寄せている。ただし、Dr. Christian Brenesも指摘するように、テクノロジーは臨床家の先生にとってツールに過ぎない。折しも、日本では政府を主導に働き方改革が叫ばれ、あらゆる業種で業務の効率化が求められる時代だ。
ぜひ、デジタルツールを恐れることなく、また、情報を鵜呑みにすることもなく、ご自身で見極めた上で、自院の環境に最適な形を模索していただけたらと思う。

 

 

 

[製品に関するお問い合わせ]

10月21日の発売が予定されています。株式会社ヨシダもしくはお取引先ディーラーにご連絡ください。

 

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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