[8/31まで]宮崎真至先生『コンポジットレジン修復のサイエンス & テクニック』後編 / WHITE CROSS編集部

7月31日の20時より、宮崎真至先生のweb講演会の後編が開催された。

講師の宮崎真至先生日本大学歯学部保存修復科の教授を務める傍ら、多数の講演や研究や執筆活動を行う、コンポジットレジン修復のトップランナーの一人だ。

 

今回は『コンポジットレジン修復のサイエンス & テクニック』と題し、コンポジットレジンを用いた歯冠修復について、前歯部のレイヤリングテクニックをキーワードとして講演した。テクニックに関してはライブデモを行いながら、臨床の場で要求される多彩な修復操作について解説を行った。

 

本記事では講演のサマリーやライブ配信の様子を報告する。

また、8月31日(土)までの期間限定で録画配信が行われているためご活用いただきたい(記事末尾にご案内)。

 

前歯部のレイヤリングテクニック

 

色々な歯があります。エナメル質の光沢があるものもあれば、すりガラス状になっていて、イメージが全く違うものもある。切縁が欠けていたり、歯頚部う蝕があったりもする。歯列の何を見るかというと、全体を見るんです。そして、その歯をみて、その歯の形に戻してあげる。元あった形に戻してあげるのが審美の基本になります。

宮崎先生は冒頭、様々な歯列の写真を提示しながら、そのように述べた。

 

  

次に、レイヤリングを成功させる3つのポイントを挙げた宮崎先生。

まず、明度のコントロールの重要性を説いた。

明度を上げなければ、グレーがかった色味が出てしまう。日常臨床において、明度のコントロールに苦心される先生も多いのではないだろうか。

明度を上げるためには、ボディーペーストやデンティンペーストを使ってバックウォールを作成した上で、レジンペースト、エナメルペーストを使用することが重要であるという。

 

 

解剖学的形態の再現においては、ただ漠然と歯列を見るのではなく、本来患者さんの持つ歯の形を意識し、様々な解剖学的形態を捉えながらレジン充填を行うことが大切であると強調。隣接面の移行部、隅角、鼓形空隙などの勘どころについて、詳細な解説が加えられた。

表面性状も、実は審美性に大きく影響を与える要素であるという。質感や透明感を付与する重要性とその方法についても語られた。

 

 

デモンストレーション 4級窩洞の充填方法

 

4級窩洞について、デモンストレーションを行いながら解説した。

初めはシリコンガイドを使って、明度を調整するためにバックウォールを作成します。デンティンペーストで象牙質部分を再現し、明度を整えていきます。コンタクトはアダプトセクショナルマトリックスを斜めに挿入し、近心部分を盛っていきます。フローは硬化させずにエナメルペーストを持っていき、コンタクトを作成します。上部鼓形空隙を作ったのち、光照射。その後マトリックスを外し、舌側を調整。唇側にボディーペーストを盛り、充填器でなでるようにして形を整えていきます。最後にエナメルペーストを盛り、表面性状を薄いブレード状の充填器で整え、さらに筆を使ってアペックスラインを意識しながら形を再現していきます。

シリコンガイドを用いる術式と、ストリップスを用いる術式の両方が紹介されるという充実のデモ内容だ。 

  

  

同様に、5級窩洞とダイレクトベニアについてもデモが行われた。

 

 

最後にレジンペーストを扱う際に必要な、シェードの知識についても解説。

色の見え方や、コンポジットレジンの色彩的観点からの特徴、人間の錯視などを、色彩学の観点からわかりやすく解説した。特に明度が大切であることを繰り返し強調していたのが印象的であった。

 

最後に宮崎先生は、充填のエッセンスとして今回話したことを、聞いて、見て、さらに自分でやることで、テクニックの向上につながっていくと述べた。

ハンズオンコースなども受けながら、臨床の武器にしていってほしいと述べ、講義を終えた。

 

録画視聴のお知らせ

見逃した方のために録画配信を設けています。これからお申し込みいただいても第1回、第2回両方のセミナーをご視聴いただくことが可能です。

※振り返り視聴は2019年8月31日(土)24:00までの期間限定サービスとなります。

※期間内であれば何度でもご視聴いただけます。

 

視聴・新規参加のお申し込みはこちらから

執筆者

WHITE CROSS編集部

WHITE CROSS編集部

臨床経験のある歯科医師・歯科衛生士・歯科技工士・歯科関連企業出身者などの歯科医療従事者を中心に構成されており、 専門家の目線で多数の記事を執筆している。数多くの取材経験を通して得たネットワークをもとに、 歯科医療界の役に立つ情報を発信中。

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